『簡単すぎる名画鑑賞術』ニ(閑人亭日録)

  西岡文彦『簡単すぎる名画鑑賞術』ちくま文庫2011年初版を読了。これは良い本だ。人に勧められる。

《 写実的な描写という、いわば他者へのサービスの部分をとりのぞいた造形活動は、絵画、彫刻から焼き物、染め物まで、不思議に治療的な効果を発揮する。作り手が 自分の手の動きを楽しむことで心を静めることができ、さらには自分自身が自覚していない気づまりやわだかまりといったものを、知らず知らずのうちに驚くほど正直に 表現してしまうからである。 》 「第八章 ゴッホの渦巻」 144頁

《 遠近法による擬似的な立体表現は、ものの形が「どうなっているか」ではなく、「どう見えるか」を描かざるを得ない。 》 「第九章 クリムトの平面」 162頁

《 この二人(ルノワール、モネ)に代表される印象派の、形体の喪失という問題に回答を出したのが、前述の通りセザンヌということになる。 》 「第十章  セザンヌの立体」 180頁

《 なによりセザンヌが重んじたのが奥行きということであった。 》 「第十章 セザンヌの立体」 181頁

《 逆にいうならば、セザンヌの革新は、なによりこの物語性の皆無な画面を描いてみせたという点にあった。 》 「第十章 セザンヌの立体」 186頁

《 この体験を通して彼は、絵画には具体的な形とは別に、見る者の視覚に感銘を与える作用があることに気づくのである。 》 「第十二章 モンドリアンの厳密」  206頁

《 いうまでもなく、わかったからといって無理に好きになる必要はない。が、わかるということには必ず喜びがともなっているはずである。 》 「第十二章  モンドリアンの厳密」 219頁

 強い風に小雨が降ったり止んだり、目まぐるしく変わる。用事をひとつひとつこなす。
 ネット注文した古本、堀口大學詩集『沖に立つ虹』吾八ぷれす1974年が届く。きょうは(いろいろあったが)いい日だ。
 郵便局の壁にずらりと並んでいた82円記念切手シートがたった一シートに。局員に聞いたら、10月に値上げで、刷り数が少ないので、という。某候補の発言を思う。

《 「上げるのは賃金で消費税ではない」宮城選挙区石垣のりこ 》

 晩、灯篭流しへ。

 ネット、うろうろ。

《 日本は、戦後45年間発展してきて、バブル崩壊があり、平成になって30年間停滞しているわけです。衰退とも言える。これが今後も続いていったら、 世界史に残る冗談みたいな没落になるわけです。/【対談】菅野完×三春充希「選挙は最大の世論調査である――2019年参院選をどう見るか」 》 webちくま
  http://www.webchikuma.jp/articles/-/1779?page=2

《 今朝のNHKおはよう日本」をここまで(7時12分)見たけれども、どうやら日本では参議院選挙ってやっていないみたいだね。。。一秒も触れないし(笑) 》  茂木健一郎
  https://twitter.com/kenichiromogi/status/1150528515852292096

《 やたら高級機材を足元に並べてるものの音が出なくて、接触不良箇所を自分で見付けられずPAさんに「直結で出来ませんか」なんてうんざりされつつ 他バンドのリハーサル時間を大幅に食い、演奏が始まったらやっぱりヘタレでそのうちライヴハウスから消えちゃう奴等を思い出すんだよ、陸上イージスって。 》  津原泰水=やすみ
  https://twitter.com/tsuharayasumi/status/1150654340744413184

《 なんかもうオリンピックは終わったことに出来ないかな。ああ、良いオリンピックだった、日本の選手もメダルをたくさん獲ったし、 ♪待ちに待ってた世界の祭りで「おもてなし」もしたし、走った、跳んだ、泳いだ、感動した、また4年後パリで会いましょう、ってことに出来ませんか、どうですか。  》 藤原編集室
  https://twitter.com/fujiwara_ed/status/1150924545269702656