『四方対象』第四章

 グレアム・ハーマン『四方対象──オブジェクト指向存在論入門』人文書院、「第四章 さらにハイデガーについて」を再読。うーん、わかったような、やっぱり わからん、といった具合。文章は難しくはないが、文脈をうまく把握できない。まさしく汲み尽くせない。興味は重要点から多分、外れた箇所に止まる。

《 要するに、自然科学によって描かれる事物は、私たちの知識に依存した事物なのであって、地下にある未踏の実在としての事物ではない、というわけだ。 ハイデガーは誰にもましてこのことを示した人物であったのである。 》 87頁

《 ハイデガーの著作には、至るところで繰り返される三重構造を見出すことができるが、それらはどれも、上述の時間の場合と同様の三重性に帰着することになる。 状況は与えられる(過去)が、存在者に応じて異なった仕方で解釈される(未来)。そしてこの二つが結合することで、現在の、新しい多義的なモデルが生じるのである。 こうした三重構造に頼りきっているために、ハイデガーの方法は、たいての場合、拡張というより収縮であり、その結果、彼の主題の範囲は、驚くほど限定的なものと なっている。 》 93頁

 昨日赤瀬川原平の描く線の魅力を書いたが、線の魅力では上條陽子さんの線描画も素晴らしい。描線の魅力とはなんだろうと思う。一日に紹介した一文。
《 ヌードってのは、服を脱いで表現を着るってことなんだよ。 》
 色彩という色面を纏っていない一本の固定された線が生み出す瑞々しい痕跡、生き生きとした表現。それは画家の対象認識の軌跡でもある。描く時の手・腕と目・脳の 間の神経系の情報・運動伝達の仕組み、それが魅力ある線だと認識する、見る人の美的判断の仕組みを考えると、科学の迷路に入り込んでしまうので今は措いて。 一筋縄ではいかない線描画。藤田嗣治『腕一本』。

 ネット、うろうろ。

《 《魔力を秘めた本たち──森見登美彦が選んだ究極の「奇書」55冊》の第3位に、リンド・ウォード『狂人の太鼓』(国書刊行会)が選ばれています―― 「謎めいたタイトルですが、「木版画による小説」というサブタイトルにも吸引力があります」 》 藤原編集室
 https://twitter.com/fujiwara_ed/status/1082069597530906627

 昼、本を探していてこれを手にした。

《 日頃の感謝を込め、弊社アカから100名様よりもっともっと、できれば100万円【総額1億円のシャープ製品】購入をお願いします。 応募方法は、弊社をフォローしなくていいし、このツイートをRTしなくていいし、どこかのお店で買うだけ。受付はずっと。購入者には私から直接お礼をリプします! 》  SHARP シャープ株式会社
 https://twitter.com/SHARP_JP/status/1081854596002197505

《  女は顔だけでなんとかなるが
  男は顔だけではダメです 》