Ｅ・Ｍ・シオラン『生誕の災厄』紀伊国屋書店1976年初版を最後の頁から逆に続けて読む。
《 本質的なものへ迫ろうとすうｒのは、試合を棄てることであり、敗北を認めることである。 》 237頁
《 私はもう賢者たちの著作を読むまいと思う。彼らはひどい悪事を私に対して働いた。私は自分の持てる本能に身をゆだね、おのが狂気を花と咲かせるべきだった。 私はまったく逆のことをやってしまい、分別の仮面をかぶった。そして仮面はついに、顔そのものと入れ替わり、顔以外の部分まで横領してしまったのである。 》 232頁
《 成功は、例外なく、人の名誉を損うものである。人はこの成功かの淵から二度とは立ち直れない。むろん、自分の眼から見ての話である。 》 231頁
《 黄金律──わが身の、不完全な像を残すこと…… 》 230頁
《 どのような種類のものであれ、成功は例外なく内面の貧困化を招く。私たちにおのが正体を忘れさせ、人間に限界があるという痛苦に充ちた意識を、私たちから奪い 去ってしまう。 》 228頁
《 ポエジーは、計算や事前の熟考を斥けるものだ。それは未完成であり、予感であり、深淵である。甘えと満足の幾何学でもなければ、貧血した形容詞の羅列でもない。 しかも私たちは、あまりに深く傷を負い、あまりにも堕落し、あまりにも疲れ果て、その疲れのなかであまりにも野卑に生きているので、いまさら技巧の冴えを味到する べくもないのだ。 》 223頁
《 芸術においても、他の分野でも、解説者は通常、解説される者よりも老練であり、明晰である。被害者に対する殺し屋の優位だ。 》 220頁
《 作品は死ぬ。断章は、かつて生きたことがない以上、死ぬこともありえない。 》 218頁
《 自分の正体を心得ており、それゆえわが身の観客をも兼ねている山師、いわゆる〈食わせもの〉は、堅実で善行に富み、一枚岩で出来上がった人物よりも、当然のこと ながら認識においてはるかに深い。 》 217頁
付箋貼り付けはこの倍。読書はここまで。後日他のページを開くことだろう。
ネット注文した古本、谷川渥『書物のエロティックス』右文書院2014年初版帯付が届く。新品同様。未読のようだ。種村季弘についての論述をチラリ読み。
《 世紀転換期前後のドイツ・ユーゲントシュテールへの問題意識は、氏自身の『ヴォルプスヴェーデふたたび』（筑摩書房、一九八〇年）という著作において鮮明な かたちをとる。比較的論評されることの少ないこの著作こそ、私は氏の代表作といわれるにふさわしいのではないかと感じている。 》 184頁
これはうれしい。種村氏に「ヴォルプスヴェーデに行ってみたいです」と言ったところ「おもしろい場所ではないよ」と。この著作で主役となる画家、ハインリッヒ・ フォーゲラーの大がかりな展覧会（1979年）、銀座のリッカー美術館へ行って一目ぼれ。この抒情的な絵に竹久夢二が鼓舞されたという仮説を私は抱いている。 展覧会の図録で海野弘は書いている。
《 1910年に武者小路実篤や志賀直哉によって新しくつくられた雑誌が『白樺』と名づけられたのも、ヴォルプスヴェーデ派などの世紀末の画家たちが描いた、青春の木 としての白樺の意味が影響していたのであろうか。 》 「白樺・メルヒェン─ハインリッヒ・フォーゲラーの生涯と作品」より
寒寒。夕方には雨。足早に歩く人たち。どこへ行くのか。思わしくなかった体調は日暮れには恢復。夕食はすいすい。やれやれ。
ネット、うろうろ。
《 【新刊】『眞鍋呉夫全句集』を刊行しました。生涯、無結社を貫き、自らの生（エロス）と死（タナトス）を極限まで凝視しつづけた俳人・小説家、眞鍋呉夫。 その生誕100年を記念して、その全句業をここ集成。跋文＝高橋睦郎。栞＝那珂太郎、粟津則雄、種村季弘、上久保正敏。 》 書肆子午線
https://twitter.com/shigosen2011/status/1220941737675280384
http://shoshi-shigosen.co.jp/books/manabe_kureo_zenkushu/
『雪女』冥草舎1992年、戸田ヒロコ工房1993年（藤村記念歴程賞、読売文学賞受賞）、『月魄（つきしろ）』邑書林2009年（蛇笏賞）が本棚にある。 『月魄』は旧漢字の活版印刷。価格表示は。
《 定價……本體參阡參陌參拾參圓
（伍分税込……參阡伍陌圓） 》
《 反権威を掲げる人ほど愚かな権威主義者だったりすることよくあるので、そういうのとは離れて権威を考えたいね 》 綿野恵太
https://twitter.com/edoyaneko800/status/1221219179061071872
《 廃炉作業中の福島第一原発で何か起きても、聖火リレールート上にホットスポットがあっても、「４時間程度の滞在なら問題ない」といわれる場所に人が住んでても、 「福島県内のニュース」として消費される。続 》 鈴木邦弘
https://twitter.com/SZKN29/status/1221306012893728768
《 四国電力のリリース
「伊方発電所 １８万７千Ｖ送電線からの受電停止について（続報）」
本文に「（予備系統と、非常用ディーゼル発電機からの受電に）成功しており、福島第一原子力発電所事故のように、全交流電源が喪失したわけでは（ない）」と記載。
矮小化に懸命だな。https://www.yonden.co.jp/press/2019/__icsFiles/afieldfile/2020/01/27/pr010.pdf … 》 春橋哲史（福島第一原発事故は継続中）
https://twitter.com/haruhasiSF/status/1221742936716562432
《 リリースには、「ご迷惑・ご心配をおかけして申し訳ございません」のような文言も無い。形だけでも入れないのね。
このリリースは政治的な自爆ではないか。反感を買うだけだろうと思う。
営業運転再開は益々遠のいたな。 》 春橋哲史（福島第一原発事故は継続中）
https://twitter.com/haruhasiSF/status/1221744817941565440
《 国民はもう忘れたかしら
桜を見る会を私物化して
支持者と行った高級ホテル
功労者だけと言わたのに
いつも後援会ばかりだった
反社も中まで入って
小さなメディアだけガタガタ吠えた
官僚は私の意向忖度して
裁断したって言ったのよ
検察抑えてるから何も怖くなかった
ただ名簿の流出だけが怖かった 》 愛国心の足りないなまけ者
https://twitter.com/tacowasabi0141/status/1221401189348020224
《 行政は原則として国会に求められれば全ての情報を開示しなければならない。よって「桜」名簿の廃棄ログに関しては、菅官房長官のいう「国家機密漏洩の危険性」 などという、あの悪法たる特定秘密保護法すら根拠たり得ない不確かで一方的な理由での隠蔽は決して許されない。完全な知る権利の侵害で違憲。 》 異邦人
https://twitter.com/Narodovlastiye/status/1221754625910427648
《 アベノウイルスと名付けよう。 》
