『中村雄二郎対談集 現代芸術の戦略』四(閑人亭日録)


   『中村雄二郎対談集 現代芸術の戦略』、A・ルロワ=グーランとの対談「人間はいかにして空間と時間を手なずけたか」を読んだ。続いて作曲家西村朗との対話を読んだ。

《  西村 作曲家の立場から今のお話を受け止めて考えますと、宇宙にまず基底音があって、その倍音や、そのまた倍音の生み出す振動によって、さまざまなものが生成され 、それらの存続に統合的な秩序をも与えている。われわれの思考もまたその振動のリズムに支配されている。だから当然、音楽もそこから生まれる。そういうふうに考えて いいでしょうか。
  中村 そうだと思います。 》 180頁

《 中村 それから一体どうして宇宙にそういうリズムが発生したのかを考えていって、一応筋がたったように思えたのは、こういう考え方なんです。まず自然現象の 中にはリズム振動を発生させる条件がいろいろある。当然生命体だって新陳代謝で動いているわけだから、外部からエネルギーが適当に加わって、あるリズムが保たれること になる。ところで発生した単純なリズム運動は、互いに引き込み合ってどんどん複雑になっていく。だんだん複雑になってくれば自立性が高まってくるから、そんなに直接の 外部からエネルギーが注入されないでも自動的に動くようになる。生命体というのはそういうものだと思うんです。だから宇宙に遍在するリズムというのも、基本的になぜ それが生まれたんだろうとか、なぜわれわれにとってそういうリズムが本質的なのかということは、解決できそうなんです。 》 181頁

《  西村 ともかく有機体のような要素を音楽は備えている。
  中村 そういう要素を備えているだけでなく、ある意味では人間の生の願望を凝縮したものでしょう、芸術というのは。日常性の中でわれわれが感じているリズムの 豊かさを結晶化すれば、それが芸術や音楽になる。その点では人間よりもさらに進化した生き物と言ってもいいかもしれない。これはちょっと言い過ぎだけれど。 》  183頁

 一日「村松 茂 回顧展」の会場でお手伝い。昨晩電話で勧めた年配の女性画家が来訪。喜ばれる。なんと一点購入されるまさかの展開。

 ネット、うろうろ。

《 マスコミは久兵衛の寿司ではなかったという証拠も首相は一切出していないというファクトチェックをしないので首相の言葉を垂れ流すので、 首相が嘘を言い続ければ読者や視聴者は勘違いしてしまう。 》 T-T
  https://twitter.com/tcy79/status/1225045960264302592

《 1万円札を崩してから6000円くらいになるスピードは異常 》