『現代美術史』(閑人亭日録)

 山本浩貴『現代美術史』副題「欧米、日本、トランスナショナル中公新書2019年初版を少し読む。平明な文章に内容豊富というか山盛り。

《 一方で、柳(宗悦)の思想に潜むオリエンタリズムへの批判も提出されています。 》 「序章 前史──社会的芸術運動の萌芽」 15頁

《 柳は決して朝鮮や沖縄の文化を見下してはいませんでした。抑圧された植民地の人々に寄せた同情も偽物ではありません。そのような人物でさえ、文化的 オリエンタリズムの罠から自由であることは容易ではありませんでした。日本独自の美の発見を急ぐあまり、周辺文化に向けられた柳の眼差しは、一枚岩的な異文化像に 囚われていました。そのため彼の眼差しは、朝鮮や沖縄の文化に内在する豊かな多様性や複雑性を捉えることはできなかったように思われます。 》 「序章 前史── 社会的芸術運動の萌芽」 17頁

《 五十殿(おむか)が切り開いた地平を異なる次元へ押し進めたのが、美術史家の足立元(一九七七~)でした。『前衛の遺伝子』(二〇一二)で、彼は二〇世紀以降の 前衛美術の語りに思想史的観点を導入しました。そこでは、アナキズム無政府主義)や共産主義など社会思想との関係でマヴォの誕生から終焉までが語られています。  》 「序章 前史──社会的芸術運動の萌芽」 27-28頁

 知人女性の娘さんが足立元と結婚。世間は狭いわ。
 雨の一日。手紙を二通、葉書を二葉認める。あと一通、一葉。書かねばと思いついつい見るモニター。
 午後五時過ぎ、西の端が明るくなる。東の箱根山の麓に虹が半分立つ。白雪に覆われた富士山は落日を受けて西側が赤く染まる。絶景かな。

 ネット、うろうろ。

《 佐々木幹郎さん、巻上公一さんに大岡信賞 贈呈式を中継 》 朝日新聞デジタル
  https://www.asahi.com/articles/ASN370C8XN36ULZU00K.html

 選考委員の話もいいが、一柳慧のピアノ演奏「かぎりなき湧水」(一時間十二分頃~)が興味深い。

《 酒井順子週刊文春の読書日記をまとめた「本が多すぎる」383頁の今尾恵介「鉄道ひとり旅入門」評、繰り返し繰り返し読んでしまう巧さ。 》 urbansea
  https://twitter.com/urbansea/status/1236281719436627968

 酒井順子の結び。

《  現場に行って、見て、聞いて、においを嗅ぐことによってしかわからないものは、確実にある。
   鉄道は、切符さえあれば、どんな人でもどこかへ連れていってくれる懐の深い乗り物である。しかし、どんな目を持っているかで、見えるものは違ってくる。
   「『何もない町だな』という感想を抱いたとすれば、それは何も見ていないからだ」
   という一文に、著者が抱く細部への優しさを見た。 》

《 当時の民主党菅直人政権を批判するためのプロパガンダ映画として作られたのなら、その目的は達成されるだろう。/中川 右介「映画『Fukushima 50』は なぜこんな「事実の加工」をしたのか? 》 現代ビジネス
  https://gendai.ismedia.jp/articles/-/70707

《 延期や中止を考えなければそんなことは起こらないという想いがすべての大日本。

  東京五輪 首相「予定通りの開催へ準備」(産経新聞) - Yahoo!ニュース 》 T-T
  https://twitter.com/tcy79/status/1236273317671133190

《 「原発は安全なので事故を想定した訓練は行っていない」と同じ考え方だね。 》 Hiroshi Yamaguchi
  https://twitter.com/HYamaguchi/status/1236328733474054144

《 ・海外に70兆円
  ・プーチンに3000億円
  ・加計学園に170億円
  ・吉本に100億円
  ・イバンカに57億円
  ・河井案里に1億5千万円
  ・2020年コロナ対策予算0円
  ・国民に10万円(貸付)←new 》 Dr.ナイフ
  https://twitter.com/knife9000/status/1236135879095095296

《 国会が消費者金融になりにけり櫻は咲いて国は散る春 》 玉井亀鶴
  https://twitter.com/TamaiKikaku/status/1236494321651605504

《 錯乱を見る会 》 檀 雄二(Yuji Dan)
  https://twitter.com/YujinDan/status/1236262693935304704