市川浩『現代芸術の地平』岩波書店1985年初版、「III ７ 可能態の充実──観世寿夫追悼──」を再読。
《 こうした表のの向き（肉眼）と内の向き（内なる眼）が二重化され、それに応じて演戯空間が二重化された場合には、観客の眼も二重化するという稀な体験が発生する。 》 204頁
「III ８ 未知への失踪──寺山修司追悼──」を再読。
「III ９ 他者による顕身──鈴木忠志の演劇的思考──」を再読。
《 サルトルの『出口なし』のガルサンは、「地獄とは他人のことだ」と叫ぶが、地獄が演劇的であるのに、天国が演劇になりえないのは、おそらく天国には、〈他者の不在 〉というかたちにおいてさえ、他者が存在しないからであろう。 》 232頁
《 たとえば寺山修司にとっての〈私〉は、「私は他者だ」ということばで代表することができよう。それにたいして鈴木忠志にとっての〈私〉は「私は他者に犯される」 という事態から始まる。 》 233頁
《 鈴木忠志がサルトルの対他存在論にもっとも近い地点を俳優論、演技論の起点としながら、サルトルよりむしろメルロ＝ポンティを引用するのは、おそらくサルトルの 対他存在が、あまりにも認識論的であって、十分情動論的でないという点にあるのだろう。 》 235頁
《 鈴木が俳優の演技衝動の発出点としてとらえるのは、こうした自己存在と自己意識とのずれであり、自分であることの不可能性である。 》 235頁
《 それにたいして演劇は、日常に比べればはるかにコントロールされた関係のなかに人間を置き、そこに浮き出すものを追いつめてゆく。この最後に浮き出すものとは 何か。鈴木忠志はそれは人間の普遍的な本質ではなく、他者との本質的なちがいだという。そのちがいの深さが、個的な本質をあらわにする。 》 238頁
《 極私的状況が拡大する現代のなかで個を追求する近代主義は、共感をもたらす劇的な場を設定することができない。逆に共同体的なものを主題として追及する伝統主義は 、現代の個的状況とつながることができないであろう。個的差異を追いつめることによって個的本質と同時に個が担う共同体的な闇を現出させる、という鈴木の演劇的思考の 独自性がここにある。 》 239頁
《 ところが鈴木の考える演劇は、個人の差異をもっともよく生きている身体を軸にして表現を成立させる人間の行為である。演劇とは、個々人の秘密を媒介としながら、 人間の闇における共存を開示するいとなみにほかならない。そのとき演劇が成立し、そこが劇場となる。 》 249頁
《 鈴木は、そのような条件をみたす俗かつ聖なる両義的空間として合掌家屋を発見する。合掌家屋は均質空間のまさに対極にあるからである。 》 249頁
《 この離れていながら直接にさわる力こそ演劇の根源的な力であろう。 》 250頁
すごいことが力説されている。演劇に縁のない身には、熱く語られる演劇論を読み替えて絵画論へと転換して興味深く読んだ。そう、絵画にも援用できる。しかし安易に 援用すると、大火傷をしかねない。
朝、源兵衛川最下流部のヒメツルソバを抜く。土のう袋一袋に収まる。一汗。やれやれ。
ネット、うろうろ。
《 参考図版として、20代の頃に作ったマスク写真も（撮影、石元泰博さん） 》 横尾忠則 https://twitter.com/tadanoriyokoo/status/1239448241009119233
《 NHKと新聞テレビの刷り込み宣伝で脳を侵食され、五輪五輪と浮かれて踊らされている国民は、自国の政府が「自分の命や健康」をどの程度大事に考えているか、 それが諸外国の政府の態度とどう違うのか、頭を冷やして考えるべき頃合いだろう。
五輪は単なる「数あるスポーツイベントの一つ」でしかない。 》 山崎 雅弘 https://twitter.com/mas__yamazaki/status/1239779087524089856
《 第二次安倍政権になってから、NHKニュースでは安倍首相を立派に見せる「演出」が常態化しました。昼の国会中継ではしどろもどろの醜態でも、 夜のニュースでは別人のように安倍首相が野党の言いがかりを颯爽と切り捨てる見事な編集。独裁国家の国営テレビでよくある手法です。 》 山崎 雅弘 https://twitter.com/mas__yamazaki/status/1239802917231579137
《 この職員が自殺した背景を当事者達は知っている。ここで1人の命を犠牲にすることを厭わなかった人達が、果たして大勢の命を守ることに本気で向き合えるのか？ 問題の構造は同じ→
｢すべて佐川局長の指示です」森友事件で自殺した財務省職員「遺書」入手 | 文春オンライン 》 ダースレイダー https://twitter.com/DARTHREIDER/status/1239813883042230272
