『現代芸術の地平』再読八(閑人亭日録)

 市川浩『現代芸術の地平』岩波書店1985年初版、「III 10 あまりにも早きねむり──甲斐説宗追悼──」を再読。

《 全く新しいようでいながら、どこかで深い記憶の底に触れてくる不思議な魅力に私はしだいに巻き込まれていった。 》 265頁

 「III 11 コスモロジーを超えて──荒川修作の絵画的思考──」を再読。

《 合理的設計図も象徴的コスモロジーも、人間の自己投入の一種であり、人間中心主義にほかならない。荒川の作品が示すのは、世界の的確な写像であり、世界を 表徴するハメ絵の一片、ただし非決定論的な断片なのである。断片がみちびくのは、開かれた錯綜体へであって、全体へではない。 》 284頁

 「IV 1 放射する表面──ジャコメッティ展を見る(一)──」を再読。

《 しかし第三の方向がある。それは一見自明のことであるが、表面を奥行きにおいて、あるいは深さにおいてとらえることである。これは、単に絵画が二次元であるのに たいして、彫刻が三次元であるということを意味するのではない。(中略)形としては三次元であっても、本質的には表面にしかすぎない彫刻がある。(中略)ロダンが とりもどそうとしたのは、自明であるがゆえに忘れられてこの第三の次元であった。(中略)かれは身体が皮膚のうちにとざされていることをみとめず、〈表面〉という 観念を否定した。あるいは〈表面〉という観念を新しく定義しなおしたのである。ロダンの彫刻では、マッスは表面によって限定されているのではない。表面はマッスの 切っ先にほかならず、マッスはむしろ表面をのりこえて空間を生みだそうとする。 》 288頁

《 しかし注意しなければならないのは、ジャコメッティは、〈不安〉といった目に見えないものを造形する観念彫刻をめざしたわけではない、ということである。かれは 目に見える現実の人間存在を見えるがままに表現しようとして、目に見えないものを造形する結果を生んだにすぎない。 》 289-290頁

 「IV 2 見るものとみられるもの──ジャコメッティ展を見る(二)──」を再読。

《 輪郭線は定めがたく、表面はとらえがたい。しかし画像をじっとみつめていると、針金のような彫刻の原型が放射する深さとしての表面の発見がそこにはある。 そのさい、いくら見つめつづけても、縦の軸は縮小しない。〈縦〉は特権的な軸であり、身体─樹─梯子─井戸─渦潮……などへとつらなる神話空間の中心軸として、 象徴的価値をもつのである。全面的な像の縮小という危機を突破したとき、ジャコメッティは、現象的な見かけをこえて、深さこそが開示する真の現象としての現実に ふれたのである。かれはこれを、「私が求めるのは絶対的類似であって、みかけではない」という言葉によって言いあらわしている。 》 296頁

 午後、思い立って分解(→ゴミ)した掛け時計の木の四角い外枠を額にする。奥野淑子さんの小さ目な木口木版画をそのまま嵌め込む。左右の黒い板が黒一色の木版画を ぐっと締めて惹き立てる。調子に乗り、興味の失せた絵(頂きもの)二点を外し、明治の雑誌『国華』から切り離された多色摺り木版画を入れ込む。銅鏡と錫杖のような ものの複製木版画が新鮮な相貌を魅せる。三点を並べる。こっりゃいい。額装すればこその魅力倍増。

 ネッ、うろうろ。

《 安倍首相が「私や妻が関わっていたのであれば総理大臣をやめる」と答弁したため、昭恵夫人の「『いい土地ですから前に進めてください』とのお言葉をいただいた」 との記載がある決済文書を改竄し、それを苦に自死した近畿財務局職員の遺書。前理財局長佐川氏の指示が明らかに。 》 Koichi Kawakami  https://twitter.com/koichi_kawakami/status/1240015219562172416

《 まじか。。これは卒業年次の子どもやその親、先生たちからすると怒りしかないだろうな。

  首相「卒業式ぜひ実施して」 野党「もう終わっている」:朝日新聞デジタル 》 ささきりょう
   https://twitter.com/ssk_ryo/status/1239686220424179712

《 空気を読まない望月記者という「子ども」が現れて「王様は裸だ」と言った

  みんな権力を忖度し空気を読んで行動する中、沈黙を破るのは「子ども」

  重要なのは意志的な「子ども」になること

  おかしいことをおかしいと言う 》 ラナンキュラス(川上 真二)   https://twitter.com/Lanikaikailua/status/1239860276373184514

《 検察庁法に反する閣議決定及び国家公務員法等の一部を改正する法律案に反対し、検察制度の独立性維持を求める会長声明/東京弁護士会 会長 篠塚 力 》  東京弁護士会
  https://www.toben.or.jp/message/seimei/post-573.html

《 第2次安倍政権(2012〜2020)の現実。
  ⚫︎消費税 5%→10%
  ⚫︎実質賃金 マイナス
  ⚫︎国民負担率39.7%→44.6%
  ⚫︎厚生年金 月5500円減
  ⚫︎食品の物価 11.4%上昇
  ⚫︎GDP実質成長率 世界で136位から172位に後退

  これがアベノミクスの結果です 》 俵 才記
  https://twitter.com/nogutiya/status/1239779740245848064