『地に呪われたる者』二(閑人亭日録)

 フランツ・ファノン『地に呪われたる者』みすず書房1969年初版(原書は1961年刊)、「二 自然発生の偉大と弱点」を読んだ。透徹した分析と展望。驚嘆。

《 われわれは今、都市と地方ととの古典的対立の前に立たされているのではない。これは植民地主義の利益からしめ出された原住民と植民地搾取を利用すべく身を処する 原住民との対立だ。 》 65頁下段

《 農民大衆の断乎たるこの民族闘争への闖入に対して、民族主義政党はどのように反応するであろうか。大部分の民族主義政党が、そのプロパガンダのなかに武装闘争の 必要性を記していないことは、すでに見たところである。民族主義政党は叛乱の続くことに反対ではないが、農村の人びとの自然発生性に信頼するだけで満足する。 》  67-68頁

《 実りある説明も行われず、民族のさまざまな階層間の比較もない。だから、農村大衆の弾圧が加えられ、植民地主義民族主義政党のあいだに諒解が成立したのちに、 とつぜん訪れる独立のさいには、この無理解がいっそう強調されてあらわれるのだ。農村の人びとは、政府の提案する構造改革にも、また社会革新にも──たとえそれが 客観的に見て進歩的なものであっても──、態度を保留する。なぜなら、まさしく体制の現責任者たちは、植民地時代に全人民に向かって、党の目的、民族の向かう方角、 国際的問題……などを説明してはこなかったからだ。 》 69頁下段

《 蜂起が都市における槍の穂先を見つけ出すのは、この大衆、このスラム街の民衆、このルンペン・プロレタリアートの内部においてである。 ルンペン・プロレタリアート、部族を離れ、仲間を離れた、この飢えたる者の群れは、植民地原住民のなかの、最も自発的かつ最もラディカルな革命勢力を構成している。  》 74頁下段

《 ルンペン・プロレタリアートの形成は、本来の論理に従う現象であって、宣教師の厖大な仕事も、中央権力の発する法令も、その進行を阻止することはできない。 このルンペン・プロレタリアートは鼠の群れのように、足で蹴ろうが石を投げつけようがやはり木の根をかじりつづけるのである。 》 75頁上段

《 民族主義政党は、彼らの分裂を早めるこの新たな現象を理解することができない。都市への叛乱の侵入は、闘いの様相を変えてしまう。 》 75頁下段

《 だが人は理解した。植民地体制に対して、その運命を直ちに決しようとするこの主意主義的な激烈さは、その場主義の理論として、自らを否定すべく余儀なくされること を。 》 77頁上段

《 叛乱の指導者たちは、真に自分の国を解放しようとするならば他の方法を見つけねばならぬということを理解するのに、そう長い時を必要としなかった。 》 77頁下段

《 指導者は、農民蜂起という限りでの行動を否定せざるを得なくなり、かくてこれを革命的戦争へと変えてゆく。 》 78頁上段

《 再び言おう、説明をせねばならない、人間はどこに行くのか、どのようにして行くのかを知らねばならない。 》 81頁上段

《 原住民は、植民地主義が自分にいかなるものもただでくれぬことを、納得すべきである。 》 82頁上段

《 原始的な手段を用いて植民地主義の戦争機関と相対する闘士は、植民地の抑圧を破壊すると同時に、間接的にもうひとつの搾取機構の建設に寄与していることを理解する。  》 83頁上段

《 この政治は、民族的、革命的、社会的な政治だ。原住民が今ようやくにして知ろうとしているこの新たな現実は、行動によってしか存在しないものだ。 》 84頁下段

 「一 暴力」も鋭かったが、「二 自然発生の偉大と弱点」はさらに具体的に偉大と弱点を洞察,考究している。青年時代、複雑に絡んで理解できなかった問題が、 今になって回答を得た。物事は単線ではない。複線でもない。入り乱れ、流動、すなわち絡む。しかし、解明の糸口はここにある。強靭な思考が必要。

 晴れたので朝、源兵衛川中流、三石神社下流の石垣の上部に生えているヒメツルソバを、自宅から持って行った脚立を立てて抜く。やれやれ。土のう袋軽く一袋。軽く汗。 コーヒーが旨い。一休みして三島市南部、松毛川へ自転車で行く。買収した河畔林の看板設置のセレモニー。植林した苗木の成長が驚くほど早い。土壌がよいのか。
 http://www.gwmishima.jp/modules/information/index.php?lid=2106&cid=66

 ネット、うろうろ。

《 2枚ずつ小分けして袋詰めして封筒に入れて発送して仕分けして全国に輸送されて各拠点に集められてそこでまた仕分けされて配達されて……という労働力とコストが どれほどのものかと思うと。そこまでしてでも現金給付は避けたいのか。 》 大矢博子
  https://twitter.com/ohyeah1101/status/1245310392693227522

《 1世帯に2枚(!)
  だけじゃない。
  配布は、感染拡大中の東京都からで
  都内の配布が終わるのは
  「今月中(4月中)」(!)
  ほかの地域はいったい、いつ?!
  このおかしさを伝えない記事は
  報道にあらず。
  ただの垂れ流し広報だ。 》 東京新聞労働組合  https://twitter.com/danketsu_rentai/status/1245373296096366594

《 忘れてはいけない、国民はこういうときの為にこそ税金を払ってきた。そして、大胆に補償策に金を注ぐことは、国民が極力外出しなくて済む状況を作り出す 感染症対策でもある。それを未だにせず「布マスクを2枚配布!」と宣言する総理大臣…。冗談抜きに、この国は本当にもうダメなのではないだろうか。 》 ゆみ  https://twitter.com/yumidesu_4649/status/1245365317565427713

《 安倍やめろというと「今そんなことやってる場合か」と言われることがあるけど、この数ヶ月間スピード感を持って先手先手でありとあらゆる施策を大胆かつ 躊躇なくやってみた結果がマスク2枚なんだぞ。つまり精一杯やっても彼には無理なんだよ。やめてもらう以外なくないですか? 》 山猫
  https://twitter.com/il_gatt0/status/1245315247860146177

《 こうしてアベノミクスはアベノマスクへの超絶進化を遂げたのであった。

  物価を毎年2%上げるという目標は達成できなかったが、各家庭の布マスク保有量を2枚増やすことには成功しそうである。 》 明石順平
  https://twitter.com/junpeiakashi/status/1245307613673222144

《 小泉、麻生の悪行ですら安倍晋三にはかなわないな。 》