『レヴィナス』五(閑人亭日録)

 熊野純彦レヴィナス 移ろいゆくものへの視線』岩波書店1999年初版、「第一部 所有することのかなたへ」「第4章 裸形の他者」を読んだ。

《 他者たちが存在する世界においてのみ、〈ことば〉が芽ばえ、世界が現にそうであるような意味をもつ。 》 82頁

《 ことばはまず〈顔〉なのである。 》 83頁

《 逆にいえば、ほんとうに裸のもの、世界の裸形は、それ自体としてはいかなる意味ももっていないのではないか。 》 84頁

《 意識とはいわば、そのつど裸形の世界のなかで意味を探求せざるをえない〈反省的判断力〉なのである。 》 85頁

《 これにたいして、顔はその裸形にあって、たしかになにかをかたっている。しかも、つねにかたっている。 》 85頁

《 意味とは、存在の余剰、あるいはずれであった。〈もの〉にはそれ自体としては剰余がない。あるいはそれ自身として余計なものは存在しない。裸形の世界には 意味が宿っていない。(中略)ただ、〈顔〉だけがそれ自体として、それ自身の剰余であり、そのものとして意味している。 》 86頁

《 顔が、かくして、言葉の始原であり、それ自体ことばであることになる。 》 87頁

《 性愛というエロス的な経験がしめしているのは、他者とはけっして所有されえないもののことであり、どのようにしても所有されえないものこそが〈他者〉であるという ことにほかならない。 》 98頁

《 レヴィナスはそして、たんにナチズムのもたらした悲惨を知っていたばかりでなく、「生き延びた者たち」がもたらしたもの、シオニズムの名のもとでの殺人、さらには イスラエル占領地区におけるパレスチナ人の大量虐殺の事実も知ってしまったユダヤ人思想家なのである。 》 102頁

《 私がなにものも所有しえず、なにごとも支配しえないとしても、さらにまた、傷つきやすさと脆さとが〈私〉の主体性ならざる主体性のありかであるとしても、所有と 暴力とのかなたにひらかれる他者との関係のうちに、私の主体性はやはりなお「擁護」されるのである。 》 117頁

 引用の合間に暴力と殺人に関する論考があるが、それは省いた。やはり短い引用では思考の深度を見通せない。まあ、一読したくらいでは(再読しても)、思索の深みへ 充分に届くことは・・・私には無理。再度読み返すことになりそう。まだ前半を読んだだけ、か。

 朝、寝床でふっと思い立ち、今世紀初の朝風呂。昨日力仕事で疲れたせいだろう。身体がほぐれる。お掃除をして音楽を聴く。井上陽水はいいなあ。友だちの好きな ”Make-up Shadow”。分厚く華麗なバック演奏だ。
  https://www.youtube.com/watch?v=YM3UPWJAmw8
 分厚い演奏といえば、 RUBEN BLADES & WILLIE COLON ”COMO UN HURACAN”が浮かぶ。さっそくかける。
  https://www.youtube.com/watch?v=CAwXkcIdH78
 パソコンの小型スピーカーでは音が薄いわ。
 ご近所の割烹、鰻屋は夜は休業。近所の焼き鳥店は5月6日まで休業。近くのビール・バーは12日で閉店。お向かいは来週開店のイタリアン。通りは閑散。
 東京新聞ブレイディみかこ社会時評 新型コロナと英キー・ワーカー」の結び。

《 新型ウイルス危機はやがて去る。しかし、それは人々の経済や財政に対する考え方を大きく変えるだろう。私たちは気づいたからだ。平時のゆとりこそが緊急時の 対応力だということだ。そしてどんな仕事が社会の真の屋台骨であり、不当に過小評価されてきたかということに。 》

 キー・ワーカー=地域に必要不可欠なサービス従事者。医療従事者、警官、教員、保育士、介護士、公共交通機関職員、スーパーマーケット従業員など。

 ネット、うろうろ。

《 本日の本紙一面です
  どうでしょう? 》 日刊ゲンダイ ニュース記者  https://twitter.com/gendai_news/status/1250007808298237952

《 けさの日刊スポーツの1面が見事だ。「これがアベノマスクだ」という大見出しとともに、介護施設に届いた布製マスクと使い捨てマスクを比較した写真を掲載している。 職員はこう語っている。「小さくて鼻が出てしまう。今使っているマスクがなくなったら自分で作ります」。経費は466億円。もったいない。 》 新聞うずみ火  https://twitter.com/shinbunuzumibi/status/1250210821117865985

《 今朝4/15(水)の東京新聞斎藤美奈子さんの「本音のコラム」。
  皮肉たっぷりで見事だわー。 》 passcal
  https://twitter.com/passcal11/status/1250220161866412032

《 批判封じの常套句

  ・問題が起こりそうな時は
  「仮定の話には答えられない」

  ・問題の渦中では
  「今は批判などしている場合ではない」

  ・問題が過ぎ去った後は
  「いつまでも済んだことを蒸し返すな」

  結論:常に、答える気はない

  教訓︰批判は、思い付いた時にいつでもしよう 》 KAMEI Nobutaka
  https://twitter.com/jinrui_nikki/status/1250085436241760261

《 🖊️安倍首相は、ホテルチェーンの社長に
  軽症者を受け入れるよう
  自ら依頼したと胸を張った。
  「首相がやることと
  都道府県がやることの
  区別がついていない。
  ホテルを借り上げる契約は都の仕事…」
  📎片山善博さん ~毎日新聞
  「安倍首相の差配、ピントはずれ」 》 東京新聞労働組合  https://twitter.com/danketsu_rentai/status/1250004554885656577

《 一律で10万円の給付→二階から目薬 》 デーブ・スペクター  https://twitter.com/dave_spector/status/1250301991378538496