『レヴィナス』九(閑人亭日録)

 熊野純彦レヴィナス 移ろいゆくものへの視線』岩波書店1999年初版、「第II部 移ろいゆくものへの視線 ─レヴィナスにおける〈時間〉をめぐって──」 「第三章 主体の綻び/反転する時間」を途中まで読んだ。理解し難くはあるが、愛撫(性愛)に関しては、自身の体験に即して生々しく考えさせられた。

《 身体であるとは、自己を所有することではない。老いゆく身体とは、「不断の自己喪失」であり、同一性の解消である。呼気と吸気とのあいだの「時 - 間 」が、 生を剥離させている。「息をすること」で身体は、「肺の粘膜」までたえず脱ぎ捨て、「ひび割れるのをやめることがない」。 》 219頁

《 〈語ること〉が問題になるとき、かたる主体である私は記号の意味作用と不可分であるばかりか、「記号」そのものとなっている。息切れるまで、息切れそのもの として私はかたり、他者にたいして意味する。にもかかわらず、記号が意味する、つまり他者がその意味を理解するとはかぎらない。 》 219頁

《 身体であることにおいて、主体は皮膚的な界面の内部に閉ざされているかに見える。だが、身体は外部からの不断の侵襲に曝されている以上、この内部は内部たりえて いない。あるいは内部であることがただちに外部に反転することを意味している。 》 220頁

《 目に見える私の身体は、私にとっては、だがほとんど可視的ではなく、身体は圧倒的に他者のまなざしにたいして曝されている。 》 221頁

《 ──凝視されることはときに不安であり、また恍惚でもありえよう。 》 222頁

《 ここでも、身体である主体はじぶんの存在から離脱することを余儀なくされ、不断にみずからと断裂している。 》 222頁

《 〈近さ〉は「物語りえない」ものであるといわれる。それはひとつには、近さを意識すること自体がむしろ隔たりをつくり出すからであった。 》 224頁

《 〈近さ〉とは、かえって「同時性」と「共時性」を「断絶」する差異をふくむ。 》 224頁

《 他者は〈私〉のうちに食いこみ、私は他者を身のうちに懐胎している。しかも他者は踏みこえられない隔たり、遥かな差異そのままに私のうちに食いこんでいる。 つまり共通の現在を欠いているほどに、私とへだたっている他者が、私の主体性のうちに孕まれている。絶対的な差異によってへだてられた他者と私のあいだに、なお 関係がなりたってしまっているのだ。 》 225頁

《 触れているさなかに意識が立ちあがってしまう愛撫は、愛撫ではない。それは触診である。つまり「探求」であり「知」と化すものである。(中略)意識が居合わせる、 それはむしろ一箇の詭計であろう。 》 226

《 祈るように、そっと、しかしもどかしく身ひとつの他者のおもてに触れる。失われてゆくもの、移ろうものに接触する。過ぎてゆく肌をいとおしむ。たぶんそれが、 愛撫する、ということなのである。 》 233頁

《 性愛においてとりわけて感受される世界の儚さ、関係の脆さ、他者の移ろいやすさは、特殊で奇妙なことがらではない。世界はつねに「老いて」いる。 》 234頁

 晴れた。オイルヒーターを収納。部屋が広くなる。 Maurice Médioni & Roberto Rodriguez のCD”Descarga Oriental”を聴く。うーん、いい感じ。
  https://tower.jp/item/1939187
 続いてハリス・アレクシーウ Haris Alexiou のCD ” I Agapi Tha Se Vri Opou Kai Na'sai”2009年を聴く。うーん、いい。
  http://www.alexiou.gr/discen.asp?lang=en&id=1&diskid=102
 東京の輸入レコード店で最初に買ったのは”HARIS ALEXIOU 2”1976年のLPレコード。ジャケット買い。ゾッコン。四十年余り追っかけている。
  http://www.alexiou.gr/discen.asp?lang=en&id=1&diskid=2

 ネット、うろうろ。

《 20年以上前だと思うのですが
  ネットでとても面白いブログを書いている人を見つけまして
  あまりにも文章が面白いのでよく覗きに行っていたのですが
  お医者さんになる所だった人だったらしく
  忙しくなって更新が無くなって

  でも何年経っても気になって
  時折、ペンネーム等の断片で検索をして> 》 羽海野 🍀チカ  https://twitter.com/CHICAUMINO/status/1251090192615698433

《 マスク二枚が届く。眺めてゐると涙がこぼれさうになる。これを決めた為政者は本当の愚者ではないのか。彼らを取巻く官僚、拍手するメディア、 応援する者たちの神経はどうなつてゐるのか怪しむばかりである。批判精神の欠如してゐるところに健全な民主主義などない。ともかくも情けない。 》 高遠弘美  https://twitter.com/Thouartmore/status/1251146842361876483

《 見える汚れがあるということは、見えない汚れもあるのではないでしょうか? とても怖くて使えません。回収、交換? また税金の無駄遣い?  これ以上の無駄遣いや健康被害が出る前に、いっそ廃棄するようおふれを出してはいかがでしょう? 》 Koichi Kawakami  https://twitter.com/koichi_kawakami/status/1251595282418028544

《 「どうやら首相は、ワクチンや治療薬を日本の科学や技術の力で早期に開発できると思い込んでいる節も見られる」
  やっぱ『日本スゴい』的な本しか読んでねえ奴は駄目だな。近年日本が科学予算をどれだけ減らしてきたかを直視しろよ。 》 Simon_Sin
  https://twitter.com/Simon_Sin/status/1251579643737456640

《  政府は黒川検事長の定年延長を閣議決定
  小渕優子、松島みどり、甘利明下村博文や森友問題で佐川元国税庁長官を始め役人38人が不起訴。
  黒川は安倍政権下で不起訴の連続の中枢にいた。
  自分達が逮捕を免れる為の人事。
  こんな最中、昨日この改正案が審議入り。
  マジで腐り切ってんなぁ、政府与党は 》 にゃん吉  https://twitter.com/nyankichi_uiy/status/1250978990170320901

《 ヤバい、今私から電話来た。コロナかかって東京の病院にいるんだって、ヤバい。夫が休業中だから治療費見込めない、子供に会えないって泣いてる、 私独身なのに夫と子供いるのヤバい。挙句の果てに私をお母さんって呼んでる、お前みたいな子供を持った覚えはない 》 蒼原ロックンロール
  https://twitter.com/aohara696/status/1250735753522368513

《 83歳館主の声「戦後は銭もない、ろくな食い物もない。電話も車もテレビもない。なんにもないの。
  ごはんにお汁かけて、映画見て。貧しいけど命にかかわらない。
  今はなんでもあって豊かな生活だけど、映画館に行けない。娯楽を生で見れない。命があぶない。人生で今が1番ひどい。」 》 本宮映画劇場  https://twitter.com/motomiyaeigeki/status/1251429500753113088

《 叶姉妹のコロナ対策がファビュラスすぎて自粛疲れが吹っ飛んだ。明日からみんなで真似しましょうそうしましょう 》 Sallie
  https://twitter.com/S58rd/status/1251168588297154560

《 誰だよ、こんなの作ったやつ!(笑) 》 片岡K
  https://twitter.com/kataoka_k/status/1251461176023592962