『述語的世界と制度』十一 (閑人亭日録)

 中村雄二郎『述語的世界と制度』 岩波書店1998年初版、「第5章 自己・言語・生命」後半を読んだ。多岐にわたる論述が結びで収斂してゆく様は、圧巻。

《 こうしてレヴィナスは、超越的な他へと向かう経験、故郷を捨てる〈アブラハム〉的な経験に出掛けるように人びとに促す。彼はこの自己への回帰なき他者への運動を、 無償の公共への奉仕、〈レイトゥールギア〉というギリシア語で表現している。これは、善意と忍耐にもとづく〈絶対的な奉仕〉である。そしてここから、レヴィナス独特の 魅力的な考え方も展開される。他者の、そして顔〈エピファニー(公現)〉や〈責任への呼びかけ〉の思想である。それらの持つ大きな意味についても、前章で書いたとおり である。
  だが、このようなレヴィナスの〈他者の定立〉は、あまりにも超越的すぎるところがある。他者の内容がではなく、その定立の仕方が超越的すぎるのである。あまりにも 〈神学的〉すぎる、と言ってもいい。レヴィナスとは別の仕方で〈他者〉あるいは〈自他関係〉の回復はできないものだろうか。自我を異化するという過程を経ることに よって、絶対的ではないにしても、相対的には他者の回復が可能になるからである。それに、レヴィナスのように、《絶対的な他者の定立か、それとも自己への回帰か》 という問いの立て方は、いかにも飛躍がありすぎ、そのような選択によって誰でもが責任がとれるものではない。 》 292頁

《 現代において、自然破壊が人間の内面的自然にまで及び、そこで失われた生命的なものの回復がつよく求められてきている。そうしたなかで、生命的なものは、 なによりもよく〈物語〉のうちで回復される、と私は考えるからである。したがって、ここでは、なぜ物語が生命的なものを体現するか、ということが解明すべき中心的な 問題になる。 》 310頁

《 〈演劇的知〉と大きく重なる〈パトスの知〉とは、受動、受苦、痛み、病など、言わば人間の弱さにかかわるものを指し、したがって人間の強さを前提とする近代科学の 知が蔑視してきたものである。パトスの知は、環境や世界がわれわれに示すものをいわば読み取り、意味づける方向で、シンボリズム(象徴体系)とコスモロジーに即して 成り立っている。いいかえればそれは、すべての物事の徴候、徴し、表現についてそれらにひそむ重層的な意味を問い、私たちの身に襲いかかるさまざまな危険に対処しつつ、 濃密な意味を持った空間をつくり出す知──〈受動的綜合〉を行う知──である。典型的な形態ではそれは、神話や魔術の知とばかり考えられてきたが、フィクションに おける〈筋立て〉の働きにも、さらにはわれわれの日常的な〈経験〉にも、パトスの知がまぎれもなく働いている。 》 315-316頁

《 私は、空海のいう五大(地・水・火・風・空)にさらに彼自身が重視した識を加えて六大としたものにまで拡張し、《六大にみな響きあり》と言い換えた。 》 320頁

《 ここに五大や六大がリズムをもって振動するものとして見なされるとき、それらは単なる物質的元素や概念であることを超えて、すぐれて生命的なものとして顕現する からである。 》 320頁

《 第三は、実在のリアリティは〈場所〉にあり、それはリズム運動の生起する場であることが、永年にわたる私のかたちや場所の考察から確信されるようになってきたこと である。 》 320頁

《 だが、この大宇宙はどうして音とリズムによって充たされているのだろうか。その問題について永い間私は考えあぐんできたが、いろいろな領域での研究成果から学び、 考えていくうちにようやく、宇宙のもっと基本的な形態あるいは運動が〈フィードバックの働く非線形の系〉に特有な現象であるといことが核心(ママ)できるようになった。 その要点は、こうである。初めは、いくつかの単純で孤立した非線形のリズム運動が自然の循環運動によって生じ、それらが次第に自律性を獲得していく。次いで、それらの リズム振動同士が引き込み(entrainment)の作用によって共振するようになる。そしてさらに、共振するリズム同士が次第に重なり合い、いっそう複雑化することで、やがて 多声的な〈天球のハーモニー〉が形づくられるに至るのである。
  生命体の発生や有機体としての複雑化も、そのようなリズム振動の経過のなかで行われるのである。 》 320-321頁

 ネット、うろうろ。

《 数日前までTVでガンガン流してたマイナンバーカードCM。「あなどれないよマイナンバーカード」「あなどってただろ?」🤣🤣いやー、あなどってたよ、 まさかパンクして自治体が「普通に郵送のほうが早く支給できます」と泣きいれることになるとは。で、このCM制作&オンエアに、税金どんだけ使ったの?🙄 》 加藤郁美
 https://twitter.com/katoikumi/status/1260562781885149185

《 #100日で崩壊する政権 48日目 その1
  崩壊まであと52日
  検察庁法改正の強行採決に反対します 》 なすこ
 https://twitter.com/nasukoB/status/1260833677665161216

《 ‏凄い。
  民間レベルで、21団体の連名とは。
  海洋放出に反対または懸念を表明している国は、ロシア・韓国・中国・チリの4ヶ国。
  そして今回、台湾の民間団体が連名で意見を表明。
  国際世論がジワジワと高まり続けてある。 》 春橋哲史(福島第一原発事故は継続中)
 https://twitter.com/haruhasiSF/status/1260523728770760706

《 この金があればなあ

  六ケ所再処理工場、新基準適合を了承 原子力規制委:朝日新聞デジタル

  完成時期はトラブルなどでこれまでに24回延期され、建設費は当初の4倍の約2.9兆円に膨らんでいる 》 T-T
 https://twitter.com/tcy79/status/1260510549940375552

《 専門家会議や政府を擁護する人は、
  過去の話ばかり。
  「先生は数々の功績がある」
  「自公政権民主党政権よりまし」

  今やってることと、
  これからのやること考えると、
  許容できません。 》 kwgt60j
 https://twitter.com/kwgt60j1/status/1260730870408679424

《 これのことね↓。元新潟知事、自民党所属の泉田議員、「強行採決は自殺行為」と言ったら、#検察庁法改正案 を審議中の内閣委員会の委員から外された、と。 委員から外すのは所属党(=#自民党)。コロナ危機の最中、内部での異論すら封じ込める、恐ろしい政党になったね…。#検察庁法改正に抗議します 》  舩田クラーセンさやか
 https://twitter.com/sayakafc/status/1260495022652297218

《 手のひらがアルコール依存症 》 鯨統一郎
 https://twitter.com/kujira1016/status/1260522592827514880

《 BTR-80 》 Giant Military Cats
 https://twitter.com/giantcat9/status/1260250462588145670