『カオス・領土・芸術』(閑人亭日録)

 昼寝から覚める。昨日購入したエリザベス・グロス『カオス・領土・芸術』法政大学出版局2020年初版を手にし、「第一章 カオス──コスモス・領土・建築」を読んだ。 にわかに覚醒。

《 私の目標は、芸術のための非美学的な哲学を、つまり芸術にのみふさわしい哲学を展開することである。この哲学は、美術史や美術批評にとって代わるものでも、 芸術の価値や質や意味を評価するものでもない。この哲学は、芸術に共通する力や力能を、そしてさまざまな芸術と哲学とのあいだの重なりあう領域に対処するものである。  》 4-5頁

《 芸術は表象ではなく変様態の技法であり、記号の体制のもとで機能する特有のイメージのシステムではなく、動態化された、衝撃を与える力のシステムなのである。 》  6頁

《 芸術を他の文化的生産の形式から区別するのは、芸術的生産が感覚と一体となり、感覚を強度化し、永遠化し、モニュメント化するその仕方である。 》 7-8頁

《 すなわち芸術は、質料が共振すること、質料が質料以上のものになることである。(中略)つまり芸術とは、これら素材が、それを通して感覚を産出し、強度化し、 それゆえ生ける身体、器官、神経系に直接衝撃を与えるような形態の創造なのである。 》 8頁

《 いいかえれば、本来の意味での芸術が創発するのは、感覚が、自分自身をその制作者や知覚者からひき離し、自律性を獲得することができるとき、つまり、感覚が そこからひきだされてくるところのカオスの何かが息づき、自分自身の生命をもつことができるときである。 》 14頁

《 つまり芸術は、芸術作品以外のところで、芸術作品の外部で、すでに経験されていたり利用可能であったりする感覚の反復ではなく、まさに芸術によってのみ産出され、 増殖させられるような感覚をつくりだし、抽出するのである。 》 32頁

《 芸術による感覚の解放と伝播については、次章でさらに考察していくが、それはつねに共振あるいは調和的な振動の一様態であり、揺れ動き自分自身を差異化する宇宙 そのものの構造から抽出されたひとつの変動である。 》 32-33頁

 「第一章 カオス──コスモス・領土・建築」、参った。私の美術作品への拙文の、大いなる論理的応援というか。身勝手だが、これほど元気づけられる文章は初めて。 うれしい。そして中村雄二郎の哲学に照応する。いい本だ(まだ一章だった)。

 ネット、うろうろ。

《 静岡県、リニア工事着手認めず JR東海に回答文書を送付 》 東京新聞
https://www.tokyo-np.co.jp/article/39618?rct=economics

《 〈容積ベースではポリ袋は海洋プラごみのわずか0.3%なのに、現在象徴的に非難されています。〉〈ナフサは石油精製時に必然的に生成され、 その誘導品であるポリエチレンは必然的に生成される、昔は廃棄していた資源を有効利用しています。〉 》 津原泰水
https://twitter.com/tsuharayasumi/status/1278857757110632448

《 小川淳也さん、
  10万人あたり感染者が2.5人を超えると対策を講じるとし既に超えている。
  何故、官房長官は緊急事態宣言を検討する状況にないと言うのか、小池都知事の言う感染拡大要警戒とは東京アラートとどう違うのか。 政治が言葉遊びしている状況ではない。
  (画像 報道1930) 》 あらかわ
https://twitter.com/kazu10233147/status/1278844788070965249

《 第1波はオリンピックのために、第2波は都知事選のために初動が遅れるという、三流映画のような笑えない展開になってきた。 》 kuma-cha
https://twitter.com/SfumatoAMR/status/1278537315455873025

《 小池百合子 with コロナ 》 コーイチロー
https://twitter.com/starbaby_kox/status/1278542111751565313

《 最近、何故かペイントの難易度が高くなっている気がする...。 》 ふぅ
https://twitter.com/Master_NEET/status/1278340210619637762