突き抜ける色彩(閑人亭日録)

 なぜ味戸ケイコさんの絵と北一明氏の焼きものに惹かれ、拘るのか。味戸さんの鉛筆の黒の抜けるような色彩、北氏の一瞬の光芒を魅せる釉薬の色彩。味戸さんの黒には 椹木野衣の文章を。

《 実際、イラストレーターとして知られてきた味戸の原画は、印刷にかけてしまうのが惜しいくらい丁寧に描き込まれた鉛筆画が主をなす。何もここまで、というほど 緻密に手を入れられた画面は、いくら見続けても新たな発見が尽きないほどだ。そしてこの漆黒の闇。その底はいったいどこへ続いているのだろう。 》 『日本美術全集  第19巻 戦後~1995』小学館2015年刊、「150 雑誌『終末から』表紙絵 味戸ケイコ」解説より

 そのとおり。漆黒といえば「墨に五彩あり」という言葉を銅版画家長谷川潔が引いている。長谷川潔のメゾチントの深い黒にはとても惹かれる。しかし、味戸さんの 鉛筆の黒とは、当然だがどこか印象が異なる。私は味戸さんの絵により惹かれたのだが。ぶっちゃけて言えば、長谷川潔のメゾチントの銅版画は高価! なので見送った。 そして廉価な銅版画「コップに挿した枯れた野花」を購入。これがまた、私の好み。メゾチントの代替物ではなく、これに惚れた。
 http://web.thn.jp/kbi/kiyos1.htm
 そして長谷川潔のメゾチント技法の銅版画よりも惹かれたのが深沢幸雄氏の1980年代の銅版画。密室の秘教的な銅版画から外界へ拡がる色彩銅版画へ。ぶっちゃけて いえば、廉価、お値段以上の価値を見たから。
 http://web.thn.jp/kbi/fuka.htm
 高価な絵は他の人に任せて、だ。北一明の焼きものは高価だった。しかし、ここで買わねばと、乾坤一擲、北一明自薦の作品を購入。金は使うためにある、を実感。今は 生きるためにある。それはさておき。北一明の陶芸作品については多くの識者がすごいことを書いている。今さら私が末席を汚すこともあるまい。でも恥をかくのも一興。 北一明の小冊子(1992年3月刊)に依頼されて書いた拙文三篇が二ページにわたって掲載されている。その『3 北一明「耀変」──天極(てんごく)の構造』から。

《 この「僅かな時間の隔たりの君臨」の前後を体現してしまったのが北一明氏の耀変の共存美ではあるまいかと私は思う。これが華麗わびという相反する概念を接合して しまった北氏の意図の隠れたひとつではあるまいか。と、私は悩む。 》

《 それでは北一明作品の「わび」とは何だろう。それは天空のわび、宇宙のわびであると小生は呼んでみたい。二十世紀以前ならば、国宝のそれでよかろう。それで十分で ある。が、今は二十一世紀にも十年とない世紀末である。原爆を発明してしまった二十世紀にあっては、また月へ到達してしまった今世紀後半にあっては、「わび」の概念も また変容を余儀なくされるのは当然であろう。そうでなければ、わびがさびついてわさびになってしまう。土、地肌という焼きものの本源へ遡って地球の誕生、更には 宇宙の誕生の果てまでをも視野に入れて思考するのがニ十世紀末を生きる人間の前提ではあろう。 》

《 「わび」と云うものが、単なる枯れたものではなく、新たな世界認識を産み出すための静かなる契機である気がする。すなわちエネルギーの蓄積、沈潜である。 とここまで来ると、そう潜在美と云う北氏独自の美学概念が連想される。 》

《 北氏の耀変作品は、私にとって一種宇宙論の原型のような意味合いを持ってきている。 》

 気恥ずかしいことを臆面もなく大上段に構えて書いているわあ。でも、おもしれえ。

 ネット、うろうろ。

《 当時の常識は「サイパンが失陥したら戦争継続は無意味なので終りにする」だった。

  それが陥落が現実になると悔しさの余り様々な感情論が澎湃と起こって、いつのまにか非論理的な戦争継続が決まる。

  昭和天皇の「なんとか、どこかで一勝できないか」が決定的なひと言になって日本民族の運命を決定する 》 James F.
https://twitter.com/gamayauber01/status/1280982698341707776

《 「わが党所属だった現職の国会議員が起訴されたことは誠に残念だ」ここまではふむふむと読んだ。で「かつて法相に任命した者として責任を痛感し、 国民に改めてお詫び申し上げたい」ときて、いつの話かと思った。本当に姑息だね安倍さんは。「かつて」という言葉を使って、遠い昔の話のようにしたんだ。 》  立川談四楼
https://twitter.com/Dgoutokuji/status/1281072272619388928

《 「責任を通関しております」 》 buu
https://twitter.com/buu34/status/1281070154562985984

《 「医療従事者の処遇を改善するための寄附」を募っているところと、「医療現場の物資購入に充てるための寄附」を募っているところがあるのだ。 》 米澤穂信
https://twitter.com/honobu_yonezawa/status/1280612363045965824

《 藤子不二雄の「まんが道」で肝油をもらったらナメずに貯めてやり取りに使うって話があるじゃないですか。それを見て感動したある小学生は 家事手伝いの対価に肝油をもらうことにしたんだけど、一人で貯めても何にもならず、「経済の根本は交換にある」と学んだのだった。 》 階段巡りツイッター
https://twitter.com/kaidanmeguri/status/1280870248023904256

《 今日は売れないなぁ、と諦めていたら取材に来てくれたスタッフさんがたくさん買ってくれました。U・RE・SHI・I! 》 古書現世
https://twitter.com/wamezo/status/1280762433859014657

《 先ほどのツイートを見た友人から「売れたんだったらこの間の金返せ」とLINEが。KA・NA・SHI・I! 》 古書現世
https://twitter.com/wamezo/status/1280763145246535681

《 Ataaaaaaack! 》 Abdi Baktur
https://twitter.com/abdibaktur/status/1280846416408084482