『想像の共同体』再読・三(閑人亭日録)

 ベネディクト・アンダーソン『想像の共同体  ナショナリズムの起源と流行』リブロポート1987年初版、「V 古い言語、新しいモデル」を読んだ。

《 南北アメリカにおける国民解放運動成功の時代の終わりはまたヨーロッパにおけるナショナリズムの時代の始まりでもあった。いま、一八二〇年から一九二〇年にかけて 旧世界の相貌を変えてしまったこれら新しいナショナリズムの性格について考えると、そこにはアメリカのクレオールナショナリズムからこれらの新しいナショナリズムを 峻別する二つの特徴が認められる。そのひとつは、アメリカの革命においてスペイン語、英語が争点とならなかったのに対し、ここではほとんどすての場合にナショナル・ 「国民出版語(プリント・オブ・ラングウィッチ)」がイデオロギ的、政治的に、中心的な重要性をもったことである。そしてもうひとつは、これら新しいナショナリズムが すべて、遠くのそしてフランス革命の激動以後は、徐々にはっきりしていく視野の枠(フレーム)というより、はじめから意識的に達成すべき対象となった。実際、以下に 見ていく通り、「国民」は特許権を設定できない発明だった。それは、きわめて多様な、そしてときにはまったく思いがけない人々が海賊版を作りうるものとなった。  本章の分析は、したがって、そうした出版語と海賊行為に焦点を合わせることになる。 》 120-121頁

《 同様に一八世紀末には、ルーマニア語の文法、辞書、歴史が出版されたが、それはハプスブルク王国に始まり、のちにはオスマン帝国の領域によって推進された、 キリル文字からローマ字への転換の動きと同時に進行した。 》 127頁

《 さらに他の地域では、一九世紀後半、ボーア人の牧師、文学者が、〔南〕アフリカ・ナショナリズムの先駆者となった。かれらは一八七〇年代に地方訛りのオランダ語を 独自の文学語へと転化することに成功し、これを非ヨーロッパ的なアフリカーン語と称した。》 130頁

《 そしてトルコ・ナショナリズムの萌芽は、一八七〇年代のイスタンブールにおけるいきいきとした俗語新聞の登場のなかに容易に見出すことができる。 》  130頁

 午後、明海大学の教授、学生たち十人ほどを源兵衛川へ案内。午後五時過ぎ帰宅。くたくた。読書無理。

 某古本屋のウェブサイトの某古書の説明。

《 77名のイラストレーターによるさまざまなタッチの「女」「女」「女」 秋山育/味戸ケイコ/宇野亜喜良/大橋歩/黒田征太郎/ペーター佐藤/長沢節/林静一/峰岸達 他  2版1刷 帯 ビニールカバー 》

 仏文学者の著者にこんな本があるとは、とわくわくして注文したら、届いた本は美術ではあってもまるで違う内容。おいおい。問い合わせのメールを送る。
 降ったり晴れたりころころ変わる天気。秋の空?
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 午後5時 30.9℃

  ネット、うろうろ。

《 世界最年少フィンランド女性首相。富をもっと公正に分配するため、労働時間を短縮し、1日6時間労働・週休3日制を目指す。  「労働時間の短縮は生産性の改善をもたらし、その効果によって、企業側は6時間の労働に対して8時間分の報酬を提供できることが明らか。」 》 Martin Fackler
https://twitter.com/martfack/status/1298755900010717186

《 政府がコロナを指定感染症の「2種相当」から格下げすることを検討しはじめた。危険度の設定を下げれば感染防止のために国が払う責任が大幅に減少する。 ついに日本政府そのものが「コロナはただの風邪」にする、ということだ。日本政府は過ちばかり繰り返してきたが、どんなしっぺ返しが来るだろうか。 》 fkngtkma 政治の話を普通にしよう
https://twitter.com/tkmafkng/status/1298700198370144256

《 日本のマスメディアは、権力を見張る番犬どころか、統治機構の一部と認識したほうが実態に近いし、また実際そう自認している人たちがメディア・エリートにも多い。 ま、経歴も日常の付き合いも統治側との距離のほうが一般市民よりはるかに近いですから。日本の民主化への道は実に険しいですね。 》 中野晃一
https://twitter.com/knakano1970/status/1298739917053235200

《 どんどん活気を失ってる 》 ユキチ
https://twitter.com/Sayonarachan123/status/1298591021903773696