『水墨画』二(閑人亭日録)

 矢代幸雄水墨画岩波新書1969年初版、「心境と表現」を読んだ。講演を要約してまとめたものなので平易な文。

《 それで私は大喜びでそれを買った次第であったが、偉い禅僧の墨蹟には、かえって、そんなこともあり得るのである。以上のようなわけで、偉い禅僧の書などには、 往々にしてその来歴が失われたりして、掘り出し物になるということもあり得るわけである。すなわち技巧の書は解りよいけれども、技巧を超越した真に気魄の籠った書と なると、深趣を包蔵しているだけに、かえって普通には解りにくいところがあったりする。 》 142-143頁

《 画中には、ただ小さな竹が二、三本、風に吹かれていて、そして雀が地上に一羽とまって、空を仰ぎ見ている。単にそれだけであるが、これを適当な床にかけて眺める ならば、雀が見ている大空の、実に高大に拡がっていることが、切実に感じられて、すこぶる大きな気持ちになる。つまり描いてない大きな空間の拡がりに対する想像力の 引き金とか、出発点をなす、とかのように感じられる、名画なのである。 》 147-148頁

《 こういうふうに、画に描いたところよりも描いてないところのほうが、もっと大切だ、というような考え方は、東洋芸術のいろいろな場合に出てくるようであるが、 そういう気持ちは、たしかに、東洋画の心境の要点に触れた、いろいろの場合に出てくるようである。 》 150-151頁

《 つまりあまりに純粋たらんとすれば、芸術はこわれてしまうか、あるいは芸術以外の世界に入ってしまうかということにもなるのである。 》 151頁

《 その心境にできるだけ忠実であろうとした表現形式が、いかに表現を惜しみ、またそれをきびしく監視し節約して行って、ついには芸術否定にまで近接せざるを 得なかった心理上の順序が、ここにおもしろく示されているのではなかろうか。 》 152頁

 「荊浩の『筆法記』を読む」を読んだ。

《 そこでいよいよ最も大切なる画の六要、すなわち気、韻、思、景、筆、墨、の説明にかかるのである。
  ここにいうところの画の六要とは、いうまでもなく、南斉の謝赫(しゃかく)が『古画品録』に掲げたところの有名なる画の六法、すなわち気韻生動、骨法用筆、 応物象形、随類賦彩、経営位置、伝模移写より出で、これを新時代の要求に合せて変更補充したものである。原則の立て方として謝赫の六法の千古の名言たるに比ぶべくも ないが、しかも六朝より唐までの間に未だ存在せず、五代よる宋にかけて勃興せんとする新画風の原則を新たに追加して、ここに大なる新鮮味をみせているのである。 》  170-171頁

《 なおその上に、気、韻に思を加え、全体の六要のうち精神的活動の原則を三となし、客観的認識に関する原則をわずかに景の一に止めているということは、謝赫の六法に 比べて、主観客観の重要さがすでに逆転したことを示している。 》 171頁

《 以上、気、韻、思、を綜合するに、形式や細部の描写技巧に拘泥することなく、真の形を思い浮かべ、その大体をとらえて一気に気品をもって画け、という意味であって、 言葉は後年の文人理論ほど明瞭ではないにしても、狙い所はすでに同じ主観的方向を示しているのである。
  次に第四の景。〔中略〕されば景は六要中に唯一に客観的研究を主張する要項であるけれども、しかも景とは単なる写実に非ずして、精神的選択を経たものであることは、 注意すべきである。
  六要の最後の筆と墨とは、以上の原則に応じた作画──自然描写をしながらそれが精神に通じて行く作画──をなすための霊妙なる材料技術であって、筆墨の適当なる 運用によってこそ、諸原則は画面に生かされる、というのである。 》 172-173頁

 その後水墨画家についての論述が続く。門外漢にとっては面白い、とは言えない。全部読んだけど。読了。この本、まだ流通しているとは。
 https://www.iwanami.co.jp/book/b267352.html

 昼、雨がさーっと降って少し暑さやわらぐ。しかし、蒸し暑い。

 午前10時 30.5℃
 午前11時 31.0℃
 午後0時 31.3℃
 午後0時28分 32.1℃
 午後1時 29.5℃
 午後2時 28.7℃
 午後3時 30.7℃
 午後4時 30.9℃
 午後5時 29.3℃

 ネット、うろうろ。

《 9月4日、三島市。二景。
  (左)7~8月はほとんど姿を見せなかった富士山が見えるようになって来ました。日中はまだまだ暑いです!
  (右)いつもは富士山側の写真が多いですが。遺伝研前から見る伊豆の山並みも美しい。伊豆半島、けっこう山深いです。 》 Koichi Kawakami
https://twitter.com/koichi_kawakami/status/1302097581938409473

《 2018年台風21号
  最大瞬間風速
   58.1 m/s(209.2 km/h): 関空島大阪府、13時38分) 》 kamo
https://twitter.com/kamo15461191/status/1301749648067944448

《 風速80mはやばい。命を守ろうね。 》 雨雲(台風に負けない!)
https://twitter.com/xAegvg0JipIY0hD/status/1301683091983876096

《 辞任を表明した安倍首相が、敵基地攻撃能力を念頭に新たな「安全保障戦略」談話を発表へ。立つ鳥後を濁し、火事場泥棒的な動きか。
  一定の方向性を示すというが、ならば国会にも出てくるべきだ。だいたいイージス・アショアの配備撤回についても、安倍氏は国会で語っていない。 》 山添 拓
https://twitter.com/pioneertaku84/status/1302245263407341569

《 発言者:安倍晋三
  検索語:印象操作
  で掘ると酷い発言がザクザク出てくる
  (主に加計学園関係) 》 がるがる
https://twitter.com/GALGAL999/status/1302115422850830336

《 第二次安倍政権が真っ先に手をつけたのが「生活保護基準引き下げ」だった。保護費は3年かけて670億円削減。もっとも引き下げ幅が大きかったのは子供がいる世帯だ。 引き下げ後、生活保護利用者から耳にするようになったのは「一日一食にした」「どんなに暑くてもエアコンをつけられない」という悲鳴だ。 》 デミアン
https://twitter.com/boku_demian/status/1302173779519365120

《 「これだけ公文書が問題にされた首相はいない。安倍首相には最後に文書をきちんと残す姿勢を示す責任がある」。 首相に関する記録の保全を求める声が識者から上がっています。 》 毎日新聞
https://twitter.com/mainichi/status/1301691448337735680

《 #菅義偉 #官房長官 の権力の源泉は官房機密費にあり。一体何にどれだけ使ったのか。

  官房機密費 78億円の闇/安倍政権7年 返納たった37万円

  第2次安倍内閣が発足してからの7年間で官房機密費86億円のうち領収書不要の“つかみ金”である政策推進費に78億円も使われていた 》 望月衣塑子
https://twitter.com/ISOKO_MOCHIZUKI/status/1302178892967419904

《 「パブロフの犬
  と言いたかったのに
  「モロゾフの犬」
  と言ってしまい
  「首をかしげてるやつ?」
  と聞き返され
  「それはビクターの犬」
  とか言ってるうちに、何を話したかったのか忘れており。 》 やまもと@探偵堂
https://twitter.com/Chizu_Yamamoto/status/1302202170243047426