『意味がない無意味』六(閑人亭日録)

 千葉雅也『意味がない無意味』河出書房新社2018年初版、「V 分身 独身者のソォダ水──長野まゆみについて」を再読。

《 長野作品は、少年たちの底なしにインチキな燦めきが実のところ不気味さでもある、という真面目な気づきへと直行せずに、底なしへの途上で、能動でも受動でもない 中動態の少年性を結晶化させることに長けている。 》 226

 2010年に出た本に「中動態」が出てくるとは。長野まゆみは読んだことがない。
 「V 分身 タナトスのラーメン──きじょっぱいということ」を再読。
 「V 分身 別名で保存する『海辺のカフカ』をめぐって供される作品外(オルドーヴル)」を再読
 「VI 性 マラブーによるヘーゲルの整形手術──デリダ以後の問題圏へ」を再読。これには興奮。またしても難解だけれど、サーカスの綱渡りを仰ぎ見るようなドキドキ、 ワクワクする思考の現場に立ち会う。時を置いてまた読むだろう。

《 言い換えるなら、未来への視線を持つと同時に、盲目でもあるということです。こうした矛盾を引き受けることが、そこで未来が開かれていく時間の突端、歴史の波頭に 立つということに他なりません。あらゆる出来事がつねに受け入れの準備をされていながらも、しかし決定的なアクシデントとして到来するというのです。 》 249頁

 「VI 性 エチカですらなく──中島隆博荘子』──鶏となって時を告げよ」を再読。
 「VI 性 単純素朴な暴力について」を再読。
 「VI 性 力の放課後──プロレス試論」を再読。

《 プロレスは、これからも最短距離で勝つのではない贅沢なものでなければならない。プロレスは世知辛さとの闘いなのであり、そこに倫理的な使命がある。 》 284頁

《 ぎりぎりの自己破壊を生き延びること。その恐怖と魅惑とが、日常のどこかでつねにノイズを発し続けている。 》 287頁

《 根本的にあるのは、非人称的な力の溢れに占領されてしまうという受動性だ。 》 288頁

《 超越的なジャンプではない。いまここから「別のいまここ」へのジャンプだ。 》 289頁

 絵を描く行為を連想させる。
 千葉雅也『意味がない無意味』再読終了。何篇かはまた読み返すことになるだろう。

 ネット、うろうろ。

《 今日の日記 》 書きちらし
https://twitter.com/kakichirashi/status/1304740911553769474

《 ド・キホーテの前身は「泥棒市場」というなんとも過激な名称の店舗。

  いわゆるバッタ屋で、メーカーの倉庫に眠っているゴミ同然の商品を安く仕入れ、今ではドンキの代名詞となっている「圧縮陳列」「手書きPOP洪水」「深夜営業」を 駆使して売りまくり大成功した。

  これがドンキ成功の源流となる。 》 企業分析ハック -新しいビジネスの教科書を作る-
https://twitter.com/company_hack/status/1305188961384423425

《 スガ氏が総理になったら「デジタル庁」の創設を検討しているらしいが、竹中平蔵氏の最新著書が「デジタル資本主義で強者となるビジョン」、偶然とは思えない。 》  毛ば部とる子
https://twitter.com/kaori_sakai/status/1304746811878518784

《 子供を食い物にして大人たちが延命しようと足掻く。

  破綻することがわかっているから、取れるだけ取って食えるだけ喰おうとしているんだろう。我らはもう敗戦後なんだろう。政府でたくさんの記録を消したのは、 敗戦後に公文書を焼却したのと同じだろう。

  戦後が始まってる。戦時体制のまま。 》 ロージナ茶会 / 旭霜
https://twitter.com/RodinaTP/status/1305281053217619968

《 後世、原発メルトダウンパンデミックに晒された「菅政権」と記憶されるのでしょう。 》 猟奇の鉄人
https://twitter.com/kashibaTIM/status/1304546859663450112

《 古代人が考えた巧妙な仕掛け。 》 大阪七絃琴館
https://twitter.com/windson0707/status/1305144130696224768