『日本文化の核心』二(閑人亭日録)

 松岡正剛『日本文化の核心 「ジャパン・スタイル」を読み解く』講談社現代新書2020年5刷、「第四講 神と仏の習合」を読んだ。

《 神と仏を分離しようとしたのは、明治政府が神仏分離令を発布して行われた廃仏毀釈のときだけです。 》 86頁

《 私がつかっている用語でいえば、リミックスは「エディティング」です。さまざまなものを編集する。神仏習合もかなり大胆な日本特有の編集力によっておこったのです。  》 89頁

《 それでは日本人はいつから神さまのことを「カミ」と呼んだかというと、これははっきりしないばかりか、かなり多様な見方で呼ばれていました。〔中略〕 これらの見方を総じてみると、日本人は神さまの正体をあえて明示的にしたくはなかったのだろうと推理できます。明示的ではないということは、あえて暗示的にしておくと いうことです。 》 93頁

《 一方、仏(ほとけ)については、日本人はどんな感覚をもってきたのでしょうか。 》 94頁

《 一般庶民のあいだに「仏頂面(ぶっちょうづら)」とか「おシャカになる」といって俗語が流行するのも、死んだ者のことを「ホトケさま」と言うようになったのも、 徳川社会の特徴です。 》 97頁

《 日本が多神多仏の国であるとはいえ、もちろん「神」と「仏」にはかなり大きなちがいがありました。〔中略〕
  仏教にはまた礼拝の対象としてのイコン、つまり仏像があります。 》 98頁

《 これに対して、日本の神には神像をつくることがほとんどありません。〔中略〕神は一本の依代があれば、そこに気配のようにやってくるものなのです。これをしばしば 「影向(ようごう)」といいました。この「仏の見せ方」と「神の感じ方」には、多神多仏の国の日本の謎を解く鍵と鍵穴が隠れていると思います。 》 99頁

 「第五講 和する/荒ぶる」を読んだ。

《 つまり日本という国は、出雲が基礎をつくった国を高天原側が譲り受けて、それをもとに「大和」をつくったというふうになっているのです。〔中略〕日本は 神武天皇が各地域を統一して国をつくったわけではないのです。 》 115頁

《 この解釈はスサノオ高天原から逸れて出雲で国づくりに夢中になっていったことにつながります。そしてそれは高天原やアマテラスの系譜から見れば「荒ぶること」 だったのです。これで少し見えてきたかもしれませんが、日本の精神文化の根底はこの「和する系譜」に「荒ぶる系譜」が並立することで成立できたともいうべきなのです。  》 116頁

《 サビは「寂び」と綴ります。今日の言葉でいえば「寂しい」のサビでもありますが、この「寂び」はもともとスサビの状態をあらわしている言葉で、何か別のことに 夢中になっていることで、きっとそこには夢中になるほどの趣きがあるのだろうなと思わせる風情を示す言葉です。 》 117頁

《 サビの色とはスサビの風情がほのかに醸し出されているということです。 》 117頁

《 以上のように、文芸や遊芸や芸能の場面でスサビに徹していくことを、またそのスサビの表現や気分を鑑賞して互いに遊べる感覚のことを、総称して「数寄(すき)」 とか「数寄の心」といいます。 》120頁

《 侘(わび)しい暮らしのなかで、あたかも不如意を詫びるかのように、心ばかりのもてなしをする。これが「侘び」の出現です。「侘び」は「詫び」にも通じるのです。  》 124頁

 「第六講 漂泊と辺境」を読んだ。

《 日本の社会文化をセンター志向や大都市主義で語るのは片寄った見方です。日本のおもしろさはオフセンターにあると知るべきです。 》 127頁

《 やがてここに港のルート、河川によるルート、塩の道、さらには神社や寺院の参詣ルートが加わり、日本各地はしだいに網目のようになっていく。のちに民俗学者宮本常一が名著『忘れられた日本人』(岩波文庫)で書いたように、かつてはこの網の目にいた生活者こそが日本人だったのです。 》 132頁

 本棚から宮本常一『忘れられた日本人』未來社1960年初版を取りだす。昨日の谷川健一常世論──日本人の魂のゆくえ』平凡社選書1983年初版と同じく新刊で購入。 どちらも未読。待たせたねえ。

 《 この講で私が言いたかったことは明白です。地方創成は辺境に着目したほうがいいということです。 》 144頁

 「第七講 型・間・拍子」を読んだ。

《 日本文化はあえて合理的なものをつくろうとはしてこなかったのです。もちろん不便なものをつくってきたわけではないけれど、むしろ「その場」で出会い、「その場」 に創発するようなものをできるだけ重視してきたのだろうと思います。そのため楽器にもわざわざ困難を付与してきたのです。 》 150頁

《 私はそこで何度か講演をしました。武満徹の『ノヴェンバー・ステップス』で世界的に有名になった横山勝也さんが尺八を吹いてくれた。 》 157頁

 横山勝也は沼津市生まれ。沼津市は何も顕彰していない。

 来客を迎える準備でこまごました片づけ仕事でふう~。けっこう疲れる。昨日の疲れがあるのかも。

 ネット、うろうろ。

《 #絶望本棚 》 猟奇の鉄人
https://twitter.com/kashibaTIM/status/1308299052971253760

《 世界宗教としての仏教が入ってくる以前には、日本にはもともとさまざまな信仰があり、それらが地域的にばらばらに存在していた。 床があって色々な奇妙な柱が立ったような状態に、仏教という世界宗教の屋根を葺いたことでそれらも「日本のカミ信仰」としての統一的形態を採った。 》 清水高志
https://twitter.com/omnivalence/status/1308241630034448384

《 世界宗教にそうした逆説的な触媒としての意味があった。思想としての細部までは理解されないにしても、そのようなブリコラージュ的な営為におけるそれは 「思想」であった。さらに日本の場合特異なのは、世界宗教とも結びついた「王権」がやはりそうした触媒としての意味を持っていたことだ。 》 清水高志
https://twitter.com/omnivalence/status/1308241631007498242

《 その意味で日本における「王権」、天皇も「思想」として機能したし、機能し続けている。 》 清水高志
https://twitter.com/omnivalence/status/1308241631980650496

《 司会者の田原総一朗が以前、深夜の番組で「なぜ戦後の日本は戦前の「天皇」以上の強い思想を生み出し得なかったんだよ!」と叫んでいたが、それもむべなるかなで、 さまざまな民族信仰の上にブリコラージュ的に屋根として葺かれた世界宗教の、さらにブリコラージュ的な代替物であるがゆえに 》 清水高志
https://twitter.com/omnivalence/status/1308255086162792448

《 それは融通無碍な「思想」なのだ。 》 清水高志
https://twitter.com/omnivalence/status/1308255087068737536

《 神仏習合というとき、神と仏が一対一で習合するわけではない。カミは沢山いる。その媒体、調停の効果について考えること。漢来漢現、胡来胡現の「古鏡」について 語ったとき、道元が感じていたのもそれではないか。日本の「王権」が特異なのは、カミの側からもう一回それを調停者として包摂しようとした 》 清水高志
https://twitter.com/omnivalence/status/1308259918823043072

《 形跡が見られることだ。 》 清水高志
https://twitter.com/omnivalence/status/1308259920110743553

《 路面はボロボロ、対向車が来たら終わり…総延長348キロの「酷すぎる国道」を全線走破してみた /鹿取 茂雄 》 文春オンライン
https://bunshun.jp/articles/-/40266?utm_source=twitter.com&utm_medium=social&utm_campaign=socialLink

《 このたび安倍晋三潰瘍性大腸炎にいきなり効いた「新薬」、何なんでしょう。新薬ってことは、当たり前だけど新しい薬ですよね?  同じ難病に苦しむ人々の誰しもが知りたい情報では。 》 津原泰水
https://twitter.com/tsuharayasumi/status/1307910178897977344

 《 「法人税減税しないと、大企業が日本から逃げて行く」
  というキャッチフレーズより、
  「消費税減税しないと中小企業が潰れ国民が死んで行く」
  の方が説得力あると思う方は、
  「いいね」か「RT」をどうぞ。 》 けん
https://twitter.com/KSN1HybmjjiCMoQ/status/1308003833470017537

《 女性’活躍’問題については、政策として女性を支援するのではなく、男性の働き方を変えなければダメと(閣僚も企業も、 まずは爺さんたちがそのポストを去ることですよね) 》 buu
https://twitter.com/buu34/status/1307946731904987138

《 電気の無い時代をすごした日本人は、太陽や月の光にありがたみを感じ、暗闇に映える自然の風景を大切にしていたんだろうなぁなんて思う事があります。 自然と人間の距離がもっと近かった時代。 》 ベイスタイル
https://twitter.com/baystylenet/status/1307510955396325376

《 こんなに楽しそうに散歩してるんだから可哀想って言わないで!!
  二本足でもこんなに上手に走ってるんだから「可哀想」じゃなくて「上手だね」って言って欲しい。
  コメッツは楽しく散歩してるのに可哀想って言われるのほんと嫌。 》 保護っこ3わんず
https://twitter.com/3wans_mama/status/1307266969201074177