『常世論』二(閑人亭日録)

 谷川健一常世論 日本人の魂のゆくえ』平凡社選書1983年初版、「海彼の源郷──補陀落渡海」を読んだ。

《 このように、海洋に他界を想定することは朝鮮の古代にも見られる世界観であった。
  だがしかし、海彼の源郷に対する熱烈な思慕は今だかつて、日本以外の他のどの民族にも見ることのできないものであった。その点、常世の思想は日本独特のもだと いうことができるのである。 》 40頁

 「常世──日本人の認識の祖型」を読んだ。

《 一方をとればそれは南につながるはるかな空間である。他方をとればそれは無限に遡行する祖霊たちの時間である。この双方の合わさったものが常世にほかならぬ。 つまり日本で使用する「他界」には二つの意味がこめられている。それは日常的な生活空間からはなれた場所を指し、また日常的な生活時間と隔絶したとおい時間を指す。  》 55頁

《 日本人の死後の観念が、祖先の移動の記憶と交叉する地点が常世にほかならぬ。日本人の民族体験についての記憶の総和は、いつしか「集合的無意識」として日本人の なかに流れ、沈殿している。それを喚起するとなれば、自己をさかのぼって祖霊の観念にたどりつくほかない。したがって常世はたんに死者たちの霊のすむ海彼の国という だけでは十分ではない。また遠来の神がそこから訪れる南のゆたかな土地というだけでも不十分である。この二つが分かちがたく癒着したものが常世である。つまり 時間としての他界と空間としての他界がみごとにまざりあった世界、それが常世である。こうした他界観にもとづく世界観をもつ民族が日本人のほかに存在するか私は 知らない。 》 58-59頁

《 常世の国への思慕をぬきにして、日本の文化はついに語ることが不可能なのである。 》 62頁

 「 I 」読了。

 ネット、うろうろ。

《 日本の新型コロナ対策は国民と医療機関の努力で何とか持ちこたえています。
  コロナ疲れしているのに、非科学的な政府がGoToや入国条件緩和、高齢者施設の面会緩和等ハードルを上げてけて、外国なら暴動が起きるレベルだと思います。 》  ルリポン
https://twitter.com/nr6IQGSswVgxqqz/status/1316308991295680513

《 最初は福祉(国民の生命)に対する関心が低いのかと思いましたが、最近ではそれ以上の悪意すら感じます 》 nyamazaki
https://twitter.com/bluemarinesky/status/1316414857512538113

《 日本学術会議への人事介入の件だが、保阪正康氏は、これは学問や表現の自由に対するなんていうレベルではなく、安倍政権下で右傾化が進みそれを菅政権が継承し、 敗戦直後の「レッドパージ」に類する弾圧。ファシズムが日常化しつつあると警告している。同感。 》 山岡俊介
https://twitter.com/yama03024/status/1316328619757592576

《 40代以上の人たちが思う「日本」と今の日本は全く違うように思う。特に権力を持つ人々は真面目でも誠実でもなく、そのフリもしなくなった。 嘘が嘘だと分かっても罷り通ってしまう。マスコミも司法も機能しなくなると堕落の歯止めが利かなくなる。今はまだ実感していなくても、その影響は誰もが受ける。 》  中林 香
https://twitter.com/kaokou11/status/1316292394070028290

《 国民の知的レベルの向上はそのまま国力の向上。明治政府はそれがわかってた。実行して成果を挙げた。

  今は、国民をどんどんダメにして金だけ吸い上げようとしてる。私が亡国政府だと思ってる所以。 》 ロージナ茶会 / 旭霜
https://twitter.com/RodinaTP/status/1316539179904323584

《 気持ち悪い世の中に益々なってる
  政府が国立大学へ中曽根の合同葬の際に忌旗の掲揚や黙祷を求めてる そんなの個人の勝手だろ

  文科省、国立大に弔意表明求める 故中曽根康弘氏の合同葬(共同通信) 》 Ogichan
https://twitter.com/Ogichan14/status/1316412167529226241