富士川英郎譯詩集『北方の竪琴』小沢書店1988年刊を読み進める。長歌に対する返歌のようなことを試して勝手に愉しむ。
ライナー・マリア・リルケ「豹」全編。
通りすぎる格子のために
疲れた豹の眼には もうなにも見えない
彼には無数の格子があるやうで
その背後に世界はないかと思はれる
このうへなく小さい輪をゑがいてまはる
豹のしなやかな 剛(かた)い足なみの 忍びゆく歩みは
そこに痺れて大きな意思が立つていゐる
一つの中心を取り巻く力の舞踊のやうだ
ただ 時をり瞳の帳(とばり)が 音もなく
あがると──そのとき彫像は入つて
四肢のはりつめた静けさを通り
心の中で消えてゆく
加藤郁乎(いくや)の俳句。
天の川ねむりの四肢の獅子となり
ライナー・マリア・リルケ「秋」全編。
木の葉が落ちる 落ちる 遠くからのやうに
大空の遠い園生(そのふ)が枯れたやうに
木の葉は否定の身ぶりで落ちる
そして夜々には 重たい地球が
あらゆる星の群から 寂寥のなかへ落ちる
われわれはみんな落ちる この手も落ちる
ほかをごらん 落下はすべてにあるのだ
けれども ただひとり この落下を
限りなくやさしく その両手に支(ささ)へてゐる者がある
三好達治「甃〔いし〕のうへ」全編。
あはれ花びらながれ
をみなごに花びらながれ
をみなごしめやかに語らひあゆみ
うららかの跫音〔あしおと〕空にながれ
をりふしに瞳をあげて
翳〔かげ〕りなきみ寺の春をすぎゆくなり
み寺の甍〔いらか〕みどりにうるほひ
廂〔ひさし〕々に
風鐸〔ふうたく〕のすがたしづかなれば
ひとりなる
わが身の影をあゆまする甃〔いし〕のうへ
ライナー・マリア・リルケ「ほとんどあらゆるものが……」第四連。
あらゆる存在をつらぬいて一つの空間がひろがつてゐる
「世界・内部・空間」が。私たちのなかを通りぬけて
鳥たちが静かに飛んでゐる ああ 私が伸びようとして
窓のそとをのぞくと すでに私のなかに一本の樹がのびてゐる
渋沢孝輔「水晶狂い」前半。
ついに水晶狂いだ
死と愛とをともにつらぬいて
どんな透明な狂気が
来りつつある水晶を生きようとしているのか
痛いきらめき
ひとつの叫びがいま滑りおち無に入つてゆく
無はかれの怯懦が構えた檻
巌に花 しずかな狂い
朝、源兵衛川中流、三石神社脇の茶碗のカケラ、ガラス片を拾う。やっぱり重い。この場所の作業は今回は十回。まずは一段落。帰宅。やれやれ。汗ばむ。
ネット、うろうろ。
《 ジャパンカップ 売上
今年 272億7433万4600円
昨年 184億8670万7600円
前年から +87億8762万7000円
前年比 147.53% 》 6艇でも当たらないbot
https://twitter.com/keeeeeeba/status/1332943313863753730
《 全米図書賞受賞の柳美里『JR上野駅公園口』はこうして書かれた。/柳美里 》 Web河出
http://web.kawade.co.jp/bunko/3906/
《 柳美里『JR上野駅公園口』(河出書房新社)/原 武史 》ALL REVIEWS
https://allreviews.jp/review/1170
《 トリチウムを含む水ってなんやねん(NHK)。トリチウムも含まれた汚染水やろ。 》 秋田放射能測定室「べぐれでねが」
https://twitter.com/metabokenopapa/status/1332087460671614977
《 しかしこういうのって嫌だね。実際に汚染されている汚染水を汚染水と呼べない風潮というか。トリチウムを含む水とか忖度し過ぎで気持ち悪いレベル。 これが汚染されていないことになったらいつ放出されてもおかしくないし、実際は汚染されていることで結果困るのは主に福島の人たちなのにな・・・ 》 秋田放射能測定室「べぐれでねが」
https://twitter.com/metabokenopapa/status/1332554049070059521
《 中落ち定食すごいわ! 》 ノノリン
https://twitter.com/nonorin99/status/1332155983091490819