『ブルーノ・ラトゥールの取説』二(閑人亭日録)

 久保明教(あきのり)『ブルーノ・ラトゥールの取説』月曜社2019年2刷、「第一章 テクノロジーとは何か」を読む。

《 ラトゥールにおけるANT〔Actor network theory〕 とは、言ってしまえば、私たちが生きるこの世界そのものが「原理的に還元不可能な諸要素の原理的に制限のない 結びつき」であるという仮定に基づいて可能になるあらゆる思考の旗印として活用されてきたものに他ならない。 》 58頁

《 ANTは、「技術」や「自然」や「社会」を確固たる実体として見なすことをやめ、原理的に還元不可能な諸要素の原理的に制限のない結びつき(アクターネットワーク) から出発することで、「まだ残されているあらゆるもの」に目を向けるための方法論である。「自然」や「技術」や「社会」を前提にしない発想が、いかにしてそれらの 相互作用を描けるというのか。ANTは非人間を一人前のアクターとして扱う。その理解は誤りではないが、人間も非人間も仲介役としてではなく、媒介項として扱われる ことがより重要である。 》 63頁

《 「生成」という観点から考えれば、人工知能のような先端技術と皮靴のようなありふれた技術のあいだには原理的な区別はできないことになる。私たちは、それと 結びつくことによって自らがどう変化するか全く予想できないまま自らと結びつきつつあるものを「先端技術」と呼び、すでに自らそれと密接に結びついてしまったために その他者性を忘却してしまったものを「技術」と呼んでいるにすぎない。両者には、生成のプロセスの進行具合に応じた連続的な違いしかなく、そのプロセスは私たちが 制御できるものではない。 》 71頁

《 社会構成主義と自律説の対立は、私たちにとってどちらも妥当だと思われる二つの語り口の矛盾として捉えることができる。一つは「私たち人間が認識できないものは この世界に存在せず、私たちが世界を認識する仕方は社会や文化に規定される」というものであり、もう一つは「私たち人間の認識とは無関係にこの世界に存在するものが あり、科学はそれを捉える最良の手段だ」というものである。 》 75頁

《 鋭く対立する二つの考え方は、だが、いずれも論理的・倫理的に説得的なものだと感じられるだろう。自然と社会、科学と文化、理系と文系の区別によって通常は 感受されにくい両者の矛盾が顕在化したのが二〇世紀末の科学技術社会学という場だったのであり、ラトゥールの議論は、この二つの考え方を同時に否定することで両者の 矛盾を乗り越え、新たな論理と倫理をつくりあげる道筋を探るものなのである。 》 80頁

 ぞくぞくする展開。

 ネット、うろうろ。

《 クラブが開かなさすぎて海外のDJ配信がエクストリームスポーツみたいになってるのすき 》 鴨居
https://twitter.com/Kamoi03/status/1345631981300666368

《 テレビでライブ会見やってるけど

  我が家の茶の間

  「..........」
  「..........」
  「あとで早回しでいいな」
  「うん」

  ブチッ(テレビ消す) 》 buu
https://twitter.com/buu34/status/1345914710693068800

《 つくづく。「今これが現状です、そこでこういう対策を打ちます、そうすることでこのような成果が期待できます」という程度の、 極シンプルな行動宣言すらできぬ総理であることよ。 》 Watching_Big_Bro
https://twitter.com/Watchin_Big_Bro/status/1345918222403440641

《 首相の余りにも乏しい記者会見の機会に、メディアは絶対に、緊急事態宣言と同時に、補償をどうするのか、検査・保護・隔離へと戦略転換するのか、 ワクチンのスケジュールがどうなっているのかを質問し、その場ですべて「具体的に」答えさせるべき。それをせずに逃げさせるなら報道機関の意味はない。 》  平野啓一郎
https://twitter.com/hiranok/status/1345910195726159878

《 どこかひとつぐらい、コロナ報道特番やるかと思ったが、朝から晩まで吉本等々のお笑いばかりだ。何人死のうがこれは変わらないだろう。 これからはみな"お笑い"の中で死んで行くんだろな。 》 ポンピィ
https://twitter.com/pom_pom_pee/status/1345689633884053506

《 〈研究者の海外流出の背景その1〉国立大学と国立研究機関の基盤的経費(運営費交付金)の連年削減。例えば国立感染症研究所の研究者一人あたりの研究費は 年間40万円で室長すら任期付に。アベノマスク予算は国立感染症研究所全体の基盤的研究費の23年分と同じ。日本政府の研究費負担は主要国で最低です 》  井上伸@雑誌KOKKO
https://twitter.com/inoueshin0/status/1345690893387403264

《 ・軍服のある廃校
  北海道の雪原まっただ中に残る廃校。戦後すぐに満州から引き揚げた人々が、原野を開拓して起こした分校が始まり。昭和中期に閉校になった後は開拓記念館として 農機具や満州時代の品を展示していたが、長い年月放置され、展示品も廊下も崩れ去りつつある。記憶はこうして消えていく。 》 道民の人
https://twitter.com/North_ern2/status/1345316948196823040