『Woodblock Kuchi-e Prints』(閑人亭日録)

 Helen Merritt, Nanako Yamada『Woodblock Kuchi-e Prints: Reflections of Meiji Culture』ホノルル大学出版局2000年刊を久しぶりに開く。
 https://books.google.co.jp/books/about/Woodblock_Kuchi_e_Prints.html?id=bsfunOb2HOIC&redir_esc=y
 ヘレン・メリット、山田奈々子の共著『木版口絵:明治文化の反映』を二十年ほど前に入手し、小原古邨の次に明治後半の木版口絵に興味をもった。この本の「第1章  設定の舞台」、「第2章 版画としての口絵」そして「第7章 明治絵画界の口絵画家たち」を翻訳し、興味のある人たちにコピーを配った。その中の一人がえらく熱中し、 数千点の絵を蒐集し、美術館でコレクションを披露するまでになった。「第2章 版画としての口絵」から拙訳。

《 原画とはまるっきり違ったものが一般向けに配布されるのは、錦絵を作るうえでは当たり前だった。けれども、口絵の人気がでるようになった頃、出版社は、原画に殆ど 近い版画を制作し始めた。この渡辺省亭と尾方月耕は、水彩画の色合いを版画で出すようにする摺りの工程の開発を推進するうえで、指導的な役割を担った。》

 渡辺省亭が編集した高級美術雑誌『美術世界』を二十冊ほど持っているが、淡色の木版画を見て、今にして、そういうこかあと気づく。

《 寺島かんやは、『新小説』に1898年(明治31年)に書いているが、『文藝倶楽部』の口絵は、綿密な細部は仕上がっていないし、何の傾向もないと、あら探しをしている。 彼は続けて、『文藝倶楽部』は、摺りにはもっと注意を払うべきだ、そして、摺師はしばしば安い費用で締め切りに間に合うよう、また大量に摺ることを強いられてると、 言った。 》

 私は、鏑木清方らを少し集めて2002年、K美術館で企画展を催した。
 http://web.thn.jp/kbi/kutie.htm
 http://web.thn.jp/kbi/kutiee.htm
 今世紀初めまでは『美術世界』と『國華』が二大高級美術雑誌と流布していて、審美書院の豪華美術本は話題にもならなかった。2004年の京都・山崎書店の 「審美書院の本展 2004 2.11~2.15」でやっと日の目を見た。
 http://web.kyoto-inet.or.jp/people/kusanone/sinbi.htm
 しかし、行く機会がなく。それから十年、実物を入手することができた。驚嘆。

 東京新聞今朝の第一面下の出版広告欄に清水俊史『上座部仏教における聖典論の研究』大蔵出版の2月中旬刊行予定の広告。28日、大蔵出版のネットに挙がった声明が 話題になった。昭和じゃあるまいし、今どきこんなことが・・・。
 『上座部仏教における聖典論の研究』に関する声明/大蔵出版
 https://www.daizoshuppan.jp/news/n39180.html

 朝、源兵衛川中流部、三石神社下流眼鏡橋周囲の茶碗のカケラ、ガラス片を拾う。重くなり終了。帰宅。汗~。コーヒーが旨い。

 ネット、うろうろ。

《 芸術の、ことに制作プロセスにおいては「ルールからの逸脱」はごく自然/必然に見られる。こうした逸脱は、ルールを相対化したことがなく、 空気のごとく纏っている人たちからは「愚行」とみなされるだろう。しかし、現行ルールだけがルールではないことを看取できている人たちなら「創造性」とみなす。 》  中島 智
https://twitter.com/nakashima001/status/1355432359756095491

《 錬金術(Alchemy:原義は Al kimiya)は現代、「非科学的かつ蒙昧なる、未開思想の類い」と見なされがちだけれど、科学が物質と精神を切りわけることで発展した のに対し、錬金術は物質と精神のアレゴリーを思惟していく思想だった。そこでは物質的メタファーが精神に作用し、精神階梯が物質化された。 》 中島 智
https://twitter.com/nakashima001/status/1355585597625122819

《 『感性は感動しない 』はじめに/椹木野衣 》 せかいしそう
https://web.sekaishisosha.jp/posts/4352

《 身近にコロナ感染が迫ってきたら自民党もさすがに本腰入れて対策するかなと思ってはいたが、まさか恥も外聞もなく自分たちだけ守ろうとするとは思わなかったよね。  》 ロードランナー様(山川賢一)
https://twitter.com/shinkai35/status/1355371966446768128

《 特に与党の「しっかりこうやっている、こんなにお金を出しているよ」みたいな話はもう何回も聴いたが、視聴者として知りたいのはなぜ野党や他の参加者が提案した 政策に反対するのか、聴きたいのはその理由と根拠の説明だと思う。 》 Karyn NISHIMURA / カリン 西村
https://twitter.com/karyn_nishi/status/1355681895560822786

《 官房機密費こと内閣官房報償費、恥ずかしくない遣い方なら「何に」って云えるだろ? 守秘義務は無い。逆に最高裁が一部開示を認めたから「政策推進費」 ってのが出てきた。マスコミも野党も連日連夜、菅義偉に内訳を訊き続けりゃ良いんだよ。云えないなら不正に遣ったってことさ。ほかに可能性、ある? 》 津原泰水
https://twitter.com/tsuharayasumi/status/1355207369286774784