「悲しき自伝」(閑人亭日録)

 寺山修司散文詩「悲しき自伝」は、半世紀ほど何かの折にふっとこころに浮かぶ。以下、中井英夫 解説『寺山修司青春歌集』角川文庫1972年初版、152-153頁。

《 裏町にひとりの餓鬼あり、飢ゑ渇くことかぎりなければ、パンのみにては充たされがたし。胃の底にマンホールのごとき異形の穴ありて、ひたすら飢ゑくるしむ。 こころみに、綿、砂などもて底ふたがむとせしが、穴あくまでひろし。おに、穴充たさむため百冊の詩書、工学事典、その他あらゆる書物をくらひ、家具または「家」を のみこむも穴ますます深し。おに、電線をくらひ、土地をくらひ、街をくらひて影のごとく立ちあがるも空腹感、ますます限りなし。おに、みづからの胃の穴に首さしいれて 深さはからむとれば、はるか天に銀河見え、ただ縹渺とさびしき風吹けるばかり。もはや、くらふべきものなきはてしなき穴なり。 》

 たった一度、語り女・松田晴世さんに就いて、新宿紀伊国屋ホールの入り口で開場前の寺山修司に挨拶した。寺山修司は彼女を気に入って、バックバンドの名前をいくつか考えてくれた。その松田晴世さんもとうに亡くなり。手元にあるのは 一枚のLPレコードとチラシ、彼女からの私信。思い出すのは青山のビクタースタジオでの音楽ビデオの収録に立ち会ったとき。会社初のミュージック・ビデオの制作と 聞いた。往事茫々。
 https://sound.jp/haruyo/

 裏町といえば先日、『路地裏探訪 the movie 』なる催し(2月18日午後7時~ 無料、三島市民文化会館小ホール)のチラシが届けられた。覚えていないが、 主催者を三島の路地裏へ案内したようだ。それがこの40分の上映会につながった。行くしかない。
 http://www.mishima-youyouhall.com/event/2_s/

 用事を済ませた帰り、本屋でミシェル・フーコー『性の歴史 IV 肉の告白』新潮社2020年初版を受けとる。全四部作、いつ読めるか。

 ネット、うろうろ。

《 そういえば昨日、
  麒麟が来る?を初めて見て
  面白いなぁと思ってたら
  本能寺が燃えて、最終回だった。》有馬隼人
https://twitter.com/arima_hayato/status/1358654730524790784

《 個別体験がもたらす個別/特殊表象は、そのひと独自の修復プロセスとして表出するものなので、他人と共有することは困難である。芸術作品には、 この個別表象が豊かに表れるのだけれど、それらは「イミフ表象」として、異物感をもって表れる。だが、この異物感に向き合うことが、作品鑑賞なのである。 》 中島 智
https://twitter.com/nakashima001/status/1358640283471077376

《 現代思潮新社の寺本さんから、拙著の再増刷について打診をいただいた。現代思潮社最後の本だったけれど、新社に引き継がれ、永く守られていることに深謝。 》  中島 智
https://twitter.com/nakashima001/status/1358644688782172160

《 東京オリンピック金メダル第一号
  種目:性差別 》 静内科 ペンギン便り
https://twitter.com/shizukanaika/status/1358328999219367940

《 まあね。でも日本では80年代の昔から、アート(純粋芸術、現代美術)はデザイン広告業界より社会的に下の身分で(なぜなら大金を生まないから)、 前者は後者が自由に使っていいネタ帳ーーみたいな、世界的に見てイビツな関係性が続いているよね。 》 会田誠
https://twitter.com/makotoaida/status/1358613121468829700

《 禰豆子ぉぉぉぉぉぉぉぉ!! 》 長谷部
https://twitter.com/how_low3/status/1358555994440179713