『性の歴史 I 知への意思』五(閑人亭日録)

 ミシェル・フーコー『性の歴史 I 知への意思』新潮社1986年初版、「第五章 死に対する権利と生に対する権力」を読んだ。昨日”圧巻。豊富過ぎる内容にクラクラする。 どう引用しても物足りない。”と書いたが、この最終章はさらに上を行く圧倒的な気圧に煽られっぱなし。結びへ向かって昂まってゆく筆圧が、すごい。後半から少し引用。

《 性は反対に、性的欲望の装置の中で最も思弁的かつ最も観念的ですらもある要素なのであり、そのような性的欲望を、権力が、身体や身体の物質的現実、身体の力や エネルギー、身体の感覚や快楽に対するその掌握・支配の中で組織していくのである。 》 196頁

《 我々の内部に、性的欲望の装置がその誘惑を書き込んだファウスト的契約とは、爾後は次のようなものである。生のことごとくを性そのものと引きかえに、 性の真実ならびに至上権と引きかえに渡してもよい、と。性は死を代償にしても手に入れるに値するのだ。今日、性が死の本能によって貫通されているのはこの意味において であり、すでに明らかなように厳密に歴史的であるこの意味においてなのだ。西洋世界が、すでに久しい以前に、愛というものを発見した時、死を受け入れ得るものにする のに充分な価値をそれに与えた。今日その等価物たろうとしているのは性であり、しかも至上の等価物たろうとしている。 》 197頁

《 性を現実の側に、性的欲望を混沌とした観念や幻想の側に置くのではない。性的欲望は極めて現実的な歴史的形象なのであって、それが、自己の機能に必要な思弁的要素 として、性という概念を生み出したのである。性を肯定すれば権力を拒否することになる、などとは考えないことだ。 》 198-199頁

《 我々が性をかくも長いこと見誤ってきたことについて我々に罪悪感を植えつけようという策略でもあるのだ。今日、人を驚かす価値のあるものがあるとすれば、まさに そのような策略である。 》 201-202頁

 渡辺守章「訳者あとがき」から。

《 このように意味を宙吊りにしつつ、《sexualite》の意味場そのものの成立が、『知への意思』では歴史的に分析されるわけだが、[中略]ほぼ同じ意味で用いられても きた《sexe》が、本書の最後の十ページにおいては、もはや万古不易の、言わば「自然」ではなく、〈性的欲望(セクシュアリテ)の装置〉の一つの部品にすぎず、しかも この装置を最も有効に機能させるために不可欠の一つの「虚構の点」に他ならないと説かれるに至って、フーコーの意味の宙吊り・批判的逆転の操作は見事に完成するので ある。 》 213頁

 ミシェル・フーコー『性の歴史 I 知への意思』新潮社1986年初版を読了。出版時ではなく今読んで正解。

 朝、源兵衛川中流部、下源兵橋下の茶碗のカケラ、ガラス片を拾う。重くなったので作業終了。帰宅。汗。コーヒーを嗜む。

 ネット、うろうろ。

《 埼玉県停電で死んでます 》 ㌣はらぺこーすけ
https://twitter.com/MTH_hkgry3/status/1360594698704887809

《 なるほど東京に電気を送る為に周りの県を停電にしたのかヤシマ作戦だな 》

《 地震で部屋がめちゃくちゃになったフォロワアがいるし、一方ではツイッターで人生がめちゃくちゃになった人もいますよね。 》 こふにゃん
https://twitter.com/kofumyon/status/1360610147026915336

《 確か【復興オリンピック】だったと思うのよ。 》

《 東京の姉ちゃんちのネコが、すごい教科書通りのリアクションしてた。#地震のせい 》 たもっちー
https://twitter.com/archie_jp/status/1360599922207195136

《 細野さん、選挙区の心配ばかりしてないで福島第一原発の心配しなさい。 》 烏賀陽 弘道
https://twitter.com/hirougaya/status/1360606695769006081

《 これさあ、日本の原発でテロやり放題ってことだよね?「出入り口でIDと本人確認の認証情報が「不一致」という警報が出たにもかかわらず、 警備担当社員が入室を許可していた」
  「ID「不一致」警報でも入室許可 東電社員が独断で認証情報変更 柏崎刈羽原発の心臓部に不正入室 》 森岡正博
https://twitter.com/Sukuitohananika/status/1360737053051215874

《 そう、それで美術は本来一部アッパークラスの嗜み程度のものだったのか?と言えば、残念ながらその通りだし今も大勢はそう。表現者や批評家がアングラ、 アヴァンギャルド、今はポリコレ、ソーシャルを気取り言葉で修飾したところで、実態はそのクラスの資金力の影響下でウジウジしてるだけ。虚しいよ。 》 宮永亮
https://twitter.com/AkiraMIYANAGA/status/1360635688484446209

《 美術が近代以降、上流と最下流の結びつきによるサンドイッチ方式の圧力での社会革新に邁進し、大多数である中〜下流への無視、軽視や圧迫をいかに慣習的に、 継続的に行い続けてきたか。そう言う構造的問題にこそ、美術が乗り越えるべきものがあるはずなのだけれどもね。皆なぜ気づかないのかな。 》 宮永亮
https://twitter.com/AkiraMIYANAGA/status/1360639912362430466

《 『文學界』編集部に贈る言葉/ 荒木優太 》 マガジン航
https://magazine-k.jp/2021/02/12/open-letter-to-bungakukai/

《 いい社名だ。 》 下井草秀
https://twitter.com/shimoigusashu/status/1360093207808282625

《 箱根から望む富士山がまるで水墨画のような景色だった日。 》 _deepsky
https://twitter.com/_deepskyy/status/1360538612933173248

《 まぁ、ご親切に…。 》 古書現世
https://twitter.com/wamezo/status/1360511882868649988