『〈現実〉とは何か』四(閑人亭日録)

 西郷甲矢人(はやと)/田口茂『〈現実〉とは何か  数学・哲学から始まる世界像の転換』筑摩選書2019年初版、「第四章 置き換え可能性から自由へ ──現実論の ポテンシャル」前半を読んだ。

《 第一章では、[中略]「不定元」というものが、われわれの「現実」そのもののあり方を照らし出していることを見た。現実は、「不定元」であるかぎり、問われる前に それが何であるかを言うことはできない。しかし、それに対して問いを投げかけるなら、何らかの答えを返してくれる。ここにまさに、われわれは現実のもつ数学的なあり方 を見たのであった。 》 139頁

《 第二章に関しても、同じことが言える。[中略]そこでは、「非規準的選択」が問題になった。これは、決して既存の法則のなかに吸収することのできない選択の はたらき、「いまここで選ぶ」という個体的で一回かぎりの出来事を示している。ここでもやはり、主体的に「選ぶ」この自由なはたらき、ある種の「行為」が問題に なっていたのである。 》 139-140頁

《 すでに確認したように、物理においても、数学においても、個々のものなしには何一つ始まらない。かといって、個々のもので話が終わりになるわけでもない。 このことを、第三章では「自然変換」として語った。つまり、真理は個々のものを解放しながら生かしていくような「変換」そのもののうちにあるのではないか、ということ である。「自然変換」は、「個々のものをおろそかにしない」ということも、「個々のものにこだわったら成り立たない」ということも、両方含んでいる。その上で、そこに 起こっていることをただ一つの事態として言い表そうとしている。 》 138頁

《 「私の視点からしか一切を見ることはできない」という置き換え不可能性(個体性)そのものが置き換え可能であるということを理解することが、「私」という語を 使えるようになるということであった。ここから、「私である」ということと「倫理」との本質的なつながりを読みとることもできるだろう。レヴィナスが言うように、 「私である」ということは「他人の身代わりである」ということである。[身代わり]とはsubstitutionのことであり、これは「置き換え」とも解釈できる。「私である」 ということは、かけがえがないのであるが、このかけがえのないあり方そのものが、「他人のための身代わり」として置かれているのである。みずからが置き換え不可能 であるということそれ自体の置き換え可能性を理解したとき、われわれは自己の存在の根本的な倫理性に気づくはずである。 》 157頁

《 第一章は、実体と考えるかぎり場というものを捉えそこなうということを論じた。本章でも、「私」というものを実体として考えるかぎり、その本性を捉えそこなうと いうことが示唆されている。なぜなら、実体とは「それ自身によってあるもの」と考えられているからである。「私」というものがそれだけで根本的にある、という考え方 から脱却しようとする考え方が、すでにこれまでの考察から示唆されているのである。 》 157-158頁

《 「実体」的な考え方にとらわれていると、「私」というものの本質をつかむことができなくなってしまうのである。これまで展開してきた考え方に従うなら、「私」 というものは「置き換え」や「変換」のなかにある。固定性も普遍性も絶対化せずに、「置き換え」という出来事のうちで、その両者が不可分に絡み合っているさまを見て とったとき、「私」というものの本質がつかめる。そして、それは実は特別なことではなく、「私」という言葉が使える人は誰でもが自然に行っていることなのである。 》  159頁

《 「個であること」をまさにそれとして成り立たせているのが、普遍的な変換であり、その普遍的な変換が変換として成り立つためには、何らかの「個」的事例が必要に なる。この意味では、「個であること」は、それなしには「リアルなもの」が決定的な核心であるが、同時にそれは、「それでなくてもよかった」という仕方で、固定化を 逃れる仕方においてある。こうした両すくみ的な媒介関係こそが、「私である」ということを形づくっている「現実」なのである。 》 162-163頁

 昼前、源兵衛川下流、一本松上流の石垣のヒメツルソバを抜く。深いところは次回に。遡り、水の苑緑地の茶碗のカケラ、ガラス片を拾う。重くなって終了。帰宅。汗。
 昼過ぎ、サンダルに履き替えて再び川へ。膝上までたくし上げ、長靴では入れなかった石垣のヒメツルソバを抜く。やれやれ。

 ネット、うろうろ。

《 今日ダイソーで絵本買ったけど、確実にタコ茹でてるでしょ…笑 》 めんザワ@年子育児中
https://twitter.com/ZAWA09601295/status/1371072836534562816

《 なかなかすさまじいな、これ。 》 tomoko isobeはわきまえない(脱被曝に一票)
https://twitter.com/sobtomk/status/1373407593050206211

《 エンゲル係数上昇の原因

  ・ここ30年間は年収ほぼ上がらず

  ・円安で輸入原料は値上がり

  ・国民負担率(税金と社会保険料)は上昇

  ・ことに消費税が直撃 》 tomoko isobeはわきまえない(脱被曝に一票)
https://twitter.com/sobtomk/status/1373407593050206211

《 本当の「失われた10年」は2011〜2020年だ。3.11の後、日本は脱原発し、再生可能エネルギーやCO2回収技術にかつてない規模で投資し、 世界に優しい国になりながら、全世界のモデル国になるチャンスがあった。政府も、大企業もその道を選ばなかったのは本当に残念だ。 》 Karyn NISHIMURA
https://twitter.com/karyn_nishi/status/1373494597666566153

《 御手に包まれていた 》 nori
https://twitter.com/nori22/status/1373771526781079554