『ミシェル・セール』四(閑人亭日録)

 清水高志ミシェル・セール  普遍学からアクター・ネットワークまで』白水社2013年初版、「第1部 人文学・美学 第2章 『自然契約』」を再読。

《 流動的で目に見えない自然は、私たちを呑み込むほど大きな存在だが、じつは私たちによって踏みにじられるもの、その存在を脅かされるものでもある。私たちを 包摂するものでもあり、なおかつないがしろにされた弱い弱い存在でもある。 》 98頁

《 私たちが自然を忘却すればするほど、また闘争──産業の競争といっても同じことだ──にのめり込み、その原動機(モーター)を駆動させることに熱中すればするほど、 自然は致命的な一撃をわれわれに加えてくる。近年の日本でもまた、東日本大震災津波が首都圏のエネルギー供給の中枢に甚大なダメージを与え、放射性物質による汚染の 恐怖で、人びとを脅かしたようにだ。 》 100頁

《 知の対象としての自然と人間集団との関係が、流動的なものとなり、人間集団が物(自然)を介しつつ、お互いの距離を巧みに取りながら、自然と対話する── ここにこそ、知の本来の躍動する姿があり、私たちが棲み分けつつ生きる新しい大地があるだろう。 》 122頁

《 ここで求められる対処はというと、人間社会で起こった問題を倫理的に処理するというかたちに、どうやら微妙にすり替えられているようなのだ──ちょうど福島の 原発事故のあと、電力供給の不足に対して「節電」することが、復興に向けた日本国民の倫理的態度であると強調され、自然からの脅威や電力会社の技術上の致命的な過失が、いつの間にか私たちの社会生活の問題へと「内面化」されてしまったように、である。 》 124-125頁

《 物質(物体)としての媒体とそれが産み出す循環構造を、持続的な運動としてすべてを辿ることはできないにせよ、そうした循環構造が、いくつも共─可能 (Con-possible)なかたちで散在しているものとしてしか、世界が理解できないことがセールにとっては重要であり、彼の世界観はそれで充分な安定を得る。 》 128頁

《 結びつき、ほぐれ、組み替えられる紐帯の総体としての自然、巨大なネットワークとしての生動する自然は、人類自身の知のあり方と、倫理のあり方が変わるのと 並行して、その姿を現わす。自然も人類も、生まれたばかりであるが、へその緒のような無数の紐帯で互いに結ばれてもいる。 》 137頁

 ネット、うろうろ。

《 2021年がやってこないのはTOKYO2020の呪い 》 TKO
https://twitter.com/taitaism/status/1390161760116568065

《 IT業界に限らず。オリンピックとか、五輪とか、東京2020とか… 》 Shoko Egawa
https://twitter.com/amneris84/status/1390103314025439234

《 「オリンピックの求人情報がポエム」という意味の分からないツイートが流れて来たのだが、読むと本当にポエムだった。五輪組織委はもう開催・運営する 気ないんじゃないかな。いかに予算を使い切るか、が目的になっているように見える。 》 毛ば部とる子
https://twitter.com/kaori_sakai/status/1390025378408845314

《 ボランティアとは、英語では、自主的な意思で参加する人たちのことです。「ドクターを200人集めろ!」は徴用であり、ボランティアではありません。 自主的な医師のみにしてください。 》 デーブ・スペクター
https://twitter.com/dave_spector/status/1390074334148845568

《 日本と世界のこれからを知るための10冊の教養書 》 内田樹の研究室
http://blog.tatsuru.com/2021/05/06_0907.html

《 「人流については間違いなく減少している」。正気だろうか。自分の間違いや失敗を絶対に認めず醜い言い訳をするだけでなく、もはや現実さえ見ようとしない。 どこもこれまでないような人出。必要なのは「竹槍」ではなく、科学的な対策。現実から逃げず、まともに仕事をすべき。 》 小沢一郎(事務所)
https://twitter.com/ozawa_jimusho/status/1390111666432401410

《コロナ対策で「減便」した山手線池袋駅で目の前に広がっている光景がこれ。 》  T A I C H I
https://twitter.com/Trb_Terios/status/1390079790749601794