「餘生の文學」(閑人亭日録)

 吉田健一「餘生の文學」を『昭和批評大系 5 昭和40年代』番町書房1978年初版収録で読んだ。

《 悲しみに堪へなくて書いた文章でも餘生の安らいだ息遣ひを感じさせ、それで始めてその悲しみもその文章を讀むものに傳はり、又その爲にその文章を讀むものがそれに 堪へてそこに喜びを見出すことさへ出來るといふことが文學といふものに就ての一切を語つてゐるやうに思はれる。(中略)これは既に技術の問題ではなくて心構へであり、 餘生に入つたもの、文學の仕事をするものの心は亂されても亂れたこころの働きをしない。もし孔子が七十になつて矩を踰えなくなつたと言つたといふのが本當ならば彼は 七十になつて餘生に入つたのであり、その矩を踰えたものは文學ではない。ふと本棚を見廻すと、そこに人の餘生が我々を取り巻いてゐる。 》 122頁上段

 昼前、知人の車に友だちと同乗。熱海のMOA美術館へ。企画展「粋と艶 -江戸のトップスターたち-」を鑑賞。これは欲しいと思った絵は葛飾北斎『二美人図』だった。
 http://www.moaart.or.jp/events/tennrannkai1/
 庭園にある蕎麦屋で昼食。それから館内の展望カフェでソフトクリームを賞味。これを食べたくて行ったようなもの。

 ネット、うろうろ。

《 「安全安心が最優先」なら開催しないでしょー 》 buu
https://twitter.com/buu34/status/1392396791627206668

《 そういえば、GoToなんちゃらなんていう旅行補助金だけは迅速にやって、感染拡大させましたね。この政府は。 》 大島堅一
https://twitter.com/kenichioshima/status/1392127263148105739

《 新型コロナ感染症患者の治療にあたる医師が、4カ月で1180時間の時間外労働(残業)をしていました。過労死の労災が認められる目安を大きく超え、 「キャパシティーを超えた状態」で仕事をしている現状が浮かび上がりました。 》 毎日新聞
https://twitter.com/mainichi/status/1392077021946200064

《 新国立競技場を訪ねた建築士の方のブログ。写真とともに解説があるけど想像以上にチープでびっくりした。まさにハリボテ。そして最後の一節に暗澹たる気持ちになる。

  「新国立競技場には日本がダメになった理由がすべて凝縮されてる」 》 高橋ミレイ(Mirei Takahashi)
https://twitter.com/mikeneko301/status/1391287771973636098

《 理性的に判断すれば当然こうなる。「絆」「国民一丸」「一億総何々」等の情緒的スローガンでだまされるのは、もう卒業しないといけない。

  人の命が最優先。当たり前のこと。東京五輪も中止が当然。

  米陸上チーム、千葉での五輪事前キャンプ中止「選手の安全面懸念」(毎日) 》 山崎 雅弘
https://twitter.com/mas__yamazaki/status/1392382785168437253

《 近年最も薄汚れた日本語の単語は「絆」でしょうね。同率一位に「桜」もいますけど。 》 会田誠
https://twitter.com/makotoaida/status/1391972874118778882

《 議会制民主主義は権力者に「答える側」というハンディを与えた上で、問う者と問われる者の緊張関係、両者の立場の入れ替えの戦いを通じて成熟するシステムです。 それを放棄したら民主制に先はありません。 》 内田樹
https://twitter.com/levinassien/status/1392344862574346249