『超科学紙芝居 虚構の神々』(閑人亭日録)

 明日届くと思っていた古本、赤瀬川原平『超科学紙芝居 虚構の神々』青林堂1978年10月30日初版が、小雨の中、届く。この本、先だって百円で入手した月刊『ガロ』 1980年7月号の青林堂の出版広告で知った。一読驚嘆。赤瀬川原平の本で、死ぬまで手元に置きたい本は、『睡眠博物誌 夢泥棒』新風舎文庫2004年2月5日初版だが、それに 『超科学紙芝居 虚構の神々』が加わった。『睡眠博物誌 夢泥棒』は、文章もさることながら、超現実的に世界の果てへ沈むこむ黒一色の絵がなんともスゴイ。 「あとがき」から。

《 私たちは睡眠のたびに死に接近し、主体は仮死的な被視体となり、そのマイナスの目玉に見つめられることによって、宇宙の瞳孔=夢の天体へと飛行している。 》  319頁

 『超科学紙芝居 虚構の神々』は、『睡眠博物誌 夢泥棒』から反転し拡張してゆく。紙芝居とは言い得て妙だ。散文詩と絵の合体、立体図。すごい発明だ。
 https://nostos.jp/archives/53832
「フィクション・ホール」から。

《 【フィクション・ホール】 事実の進化の過程で、超高密度になつた事実の内部の現実性が不安定になり、現実構造が崩壊しゼロ体質にまで凝縮したもの。その表面上の 強いフィクションのために、近くの事実を吸い込んでしまう虚構の物体。いつたん惹き込まれた事実は全部フィクションとなつて現実には出られなくなるので穴(ホール)と いわれ、現実的にはどこにも実在していない。 》 105頁

《 消えていく/消えていく/見えないものまで/消えていく/ゼロのものまで紛失していく 》 117頁

 スゴイ本に出合ってしまった(また言う)。
 1975年5月15日に學藝書林から出た『睡眠博物誌 夢泥棒』は、『ガロ』1972年8月号から74年1月号に掲載された『悪夢十七番』や書き下ろしをまとめたもの。 1975年9月から『サンジャック』に六篇連載の後、それを母体に『ガロ』に1977年4月から『超科学紙芝居 虚構の神々』連載。
 『櫻画報永久保存版』青林堂1971年8月1日初版で激動の幕が降り、その後『睡眠博物誌 夢泥棒』、『超科学紙芝居 虚構の神々』の内省(?)時代という印象。
 本棚の赤瀬川原平『少年とオブジェ』北宋社1978年9月20日初版はサイン入り。東京市ヶ谷の北宋社で赤瀬川氏が書いてくれた。1981年2月20日には尾辻克彦名義で 角川文庫から出た。その「もう一度、あとがき」では。

《 ところが後で聞くと、最初の単行本では六百部しか売れなかったという。われながら驚いた。 》 223頁

 ネット、うろうろ。

《 「ヘイ!コロナ」ステージで浴びた罵声、どう切り返した? コメディアンSaku Yanagawaさんが直面するアメリカの「分断」 》 好書好日
https://book.asahi.com/article/14343232

《 精神には波があって、イケイケで躁状態のときは、根拠なき自信でもって根拠をこえた先まで進めるけれど、自己評価の低い、鬱々した状態のときは、謙虚に、 躁状態でツマラナイと過小評価した諸事や、さして評価を感じなかった他者に、リスペクトをもって向き合うことができる。そう〈波〉を捉えてきた。 》 中島 智
https://twitter.com/nakashima001/status/1393481729155887107

《 自己の泥沼。その底が抜けて晴れの日になる。 》 千葉雅也
https://twitter.com/masayachiba/status/1393518086003650562

《 高村光太郎なんてまんまロダンのパクリだし(完成度低いけど)明治〜大正〜昭和初期の日本人が描いた油彩なんてほぼほぼパクリだぞ。 》 マキエマキ@自撮り熟女
https://twitter.com/makiemaki50/status/1393563847580024837

《 IBJ渾身の成婚ビッグデータで年収400万円未満の男性が婚活をしても結婚出来ないことが証明されてしまった。 》 ひかりん@婚活パラダイス福岡
https://twitter.com/hikarin22/status/1393485157294755843

《 「この国には何でもある。だが、希望だけがない。」と村上龍が小説に書いたのはもう20年以上も前.当時はまだピンとこなかったけど, 今はそれが痛いほど理解できる.
  この非常時においても危機感を持てない政治の振る舞いを見ていると,この国そのものが緩やかに自殺に向かっているのではとさえ思う. 》  横田 明宏 ウィズ ザ・ジュヌコネパ 公式
https://twitter.com/ayokota/status/1393385960977563651

《 1942年のミッドウェイ海戦の敗北時点で負けを認めて講和していれば、310万人の死者のほとんどは死なずに済みました。南方での餓死戦病死も 東京大阪大空襲も原爆投下もなかった。北方領土も残り、沖縄の米軍駐留もなかった。「負けを認める」ことを拒んだせいでどれだけのものを失ったか。 》 内田樹
https://twitter.com/levinassien/status/1393729445253443584

《 #東京五輪開催反対 の理由:
  ①医療リソース、コロナ対策リソースを割かねばならない。(今でも不十分なのに)
  ②ワクチン未接種のボランティアの動員。観客も未接種。(毎日PCR検査するのか?)
  ③検疫への不信。(変異株が多数入国!)
  ④心情的に、治療が必要な人が看護もされず亡くなっている現状で無理。 》 Koichi Kawakami, 川上浩一
https://twitter.com/koichi_kawakami/status/1393522322263330822

《 努力が常に成功を約束してくれるなら、宗教は発生しなかったはず。祈りなど何の必要も無かった。つまり人間の文明は不条理な世界が故に生まれたのかなと。 》  m-take
https://twitter.com/takeonomado/status/1393367927655739397