『韻──本の故郷──』(閑人亭日録)

 先だって届いた古本、初谷行雄編『韻──本の故郷──』韻文社1984年10月15日第一刷刊行を手にする。定価4500円。凝った本のようで安かったので買ってみた。 送料込みで1210円。装丁も製本も凝っている。表紙:菊判紋柄織布装。本文紙:NKマットカラー。本文の頁はローマ数字、CXLIII(143頁)。重さ585グラム。
 本文の半分近くを占める宮坂逸郎「蒐集家の遺したもの」は、バレエ、音楽研究家藤原英了の遺した本などのコレクションが国立国会図書館に寄贈された経緯を語ったもの。 コレクター魂ここにあり、だ。14頁上段にはこんな記述。

《 昭和三年、氏は学部に進学、フランス文学を専攻します。予科の同級生、厨川文夫、瀧口修造 》

 昨日の瀧口修造だ。瀧口は英文科へ、藤原は仏文科へ。

《 寄贈本には著者の献辞が記されているものがります。中井英夫佐藤春夫岡鹿之助 》 41頁下段

 中井氏はシャンソンが好きだったが、何を贈ったのかな。歌手イヴ・モンタンに関する藤原英了の整理カードから。

《 書きたして相当な枚数になっていますから、おもしろそうなところだけ拾い読みしてみます。(中略)
   女性観
   ○女性の讃美すべき長所
    女性であること、あらゆる欠点をこめて
   ○男性の眼に女性がridicule(リディキュール)〔ばかな〕に見えるのはどんなことのためか
    女性であることを止める時   》 32-33頁

 西岡武良(個人出版社冥草舎主人)「限定本をつくる人の今」に一読者の投稿が紹介されている。その投稿の結び。

《 やっぱり質素にして清楚なほどいい。 》 78頁

 他の著者、小川国夫、三木卓佐々木正康を読み、『韻──本の故郷──』読了。

 ネット、うろうろ。

《 VRゴーグルの広告、可能性だらけの世界へ、とのコピー。哀しみが滲んでいる。ただの可能性しかない……。 》 千葉雅也
https://twitter.com/masayachiba/status/1395925348026486786

《 日本はIOCの植民地ではない。 》 津原やすみ(泰水)
https://twitter.com/tsuharayasumi/status/1395956558421319681

《 総理は沖縄県への緊急事態宣言の発令について、記者会見を行わず。代わりの首相のぶら下がりは5分強。

  沖縄県だけ、なぜこのような差をつけるのか?
  これでは、露骨な沖縄県軽視ではないか。

  菅首相、緊急事態宣言追加で会見せず 7回の発令・追加で初めて 》 尾辻かな子
https://twitter.com/otsujikanako/status/1395958120510214144

《 ワクチン接種予約システムのザルぶりを報道された防衛省は、朝日新聞出版と毎日新聞に抗議した。

  2社と同様、取材で予約したと明記している日経BP社には抗議したのか。

  報道室に尋ね、8時間後の今さっき返ってきた答えは「確認中」。

  予約システムどころか、文書を発送したかどうかも追えていない。 》 阿部岳 / ABE Takashi
https://twitter.com/ABETakashiOki/status/1395756698577489920

《 PCR検査、ワクチン接種、ともに世界最低水準。国産ワクチンは夢の彼方。アベノマスク、前倒しのGoTo。思い返すとトホホだが、3度に渡る補償なき緊急事態宣言に 怒りが込み上げる。ワクチン予約がザルで、そこを指摘されたら逆ギレという体たらく。この総仕上げが五輪強行なら言うべきは馬鹿野郎一択だ。 》 立川談四楼
https://twitter.com/Dgoutokuji/status/1395949776114311173

《 若者の翻訳ミステリ離れ
  ・携帯代以外のお金がない
  ・英米仏文化に憧れがない

  老人の翻訳ミステリ離れ
  ・人名や地名が覚えられない
  ・老後が不安で余裕がない

  マニアの翻訳ミステリ離れ
  ・北欧、華文に興味がない
  ・論創社と盛林堂と湘南探偵倶楽部の出版物を買うだけで、もう無理。 》 猟奇の鉄人
https://twitter.com/kashibaTIM/status/1395445341638389760