『十二支考 1』二(閑人亭日録)

 南方熊楠『十二支考 1』平凡社東洋文庫1972年初版、「兎に関する民俗と伝説」を読んだ。

《 囲中また徒士立ちて大いなる棒また犬また銃を用いて兎の逃げるを防いだ、とあって、兎狩も大分面白いものらしいが、熊楠はかような人騒がせな殺生よりは、やはり 些少(いささか)ながら四、五升飲む方がずっと安楽だ。 》 102頁

《 しかし、母が妊娠中どうしたら南方先生ほどの大酒家を生むかは分からぬと見えて書いてない。 》 103頁

《 鰯の頭も信心と言うが、護符や呪術はずいぶん信ぜぬ人にも効く。これは人々の不自覚識(サブリミナル・セルフ)に自然感受してから身体の患部に応通するのだ、と マヤースの『ヒューマン・パーソナリチー篇』に詳論がある。私なんかも生来の大酒だったが、近年ある人から、妻が諌めて泣く時その涙を三滴布片に落としてもらい、 それを袂に入れ置くと必ずどんな酒呑みも止まるものと承りまして、その通りいたし当分めっきり止みました。 》 104-105頁

《 予はそんなことよりやっぱり寝転んで盃一(ぱいいち)がよいと言うと、読者はさっき妻の涙で全然酒が止んだと言ったじゃないかと叱るだろう。 》 105頁

《 前和歌山県知事川村竹治が何の理由もなく、国会や県会議員に誓うた約束をたちまち渝(はぐ)して、予の祖先来数百年奉祀し来たった官知社を潰し、偏(ひとえ)に 熊楠を憤らせて恰(よろこ)ぶなどこの類で、いずれも仏眼もて観れば、仏国のジル・ド・レエが多数の小児を犯姦して他の至苦をもって自分の最楽と做(な)したに 異ならぬ。 》 106頁

《 予が報国の微衷もて永々紀州のこの田舎で不便を忍び身命を賭して生物調査をなし、十四年一日のごとく私財を蕩尽して遣っておるに、上に述べた川村前知事のごとき 渝誓してまで侮辱を加え来る者がすこぶる少なからぬから、と言っておく。 》 113-114頁

《 何してでも儲くりゃ褒められる世の中には見上げた心底じゃ。 》 117頁

 静岡県知事選挙期日前投票を済ませる。

 ネット、うろうろ。

《 あの分科会さえ、日本学術会議のような扱いになってきた政権のヤバさ。

  尾身会長、独自提言へ 政府関係者は不快感(日本テレビ系(NNN)) 》 中野晃一 Koichi Nakano
https://twitter.com/knakano1970/status/1400763528139534336

《 情報戦の様相を呈してきましたね。

  専門家が五輪に苦言を呈して、閣僚がそれに反発。スポンサーが延期を提言。政権にとっては総選挙が一番の焦点でしょうから何でもアリと思います。 菅首相が電撃延期を発表しても驚きません。

  ”スポンサーが五輪延期を提案か 9~10月に” 》 Koichi Kawakami, 川上浩一
https://twitter.com/koichi_kawakami/status/1400936818955100163

《 菅総理はこの緊急時に、国会の会期延長せず、補正予算編成も見送りました

  自民は「緊急時に国会を開いて審議する暇がない時のため、改憲して政府に強権を与えるべきだ」と言っていますが、国会審議する暇があっても国会をやらない政権に そんなことをいう資格はありません 》 Shin Hori
https://twitter.com/ShinHori1/status/1400637320278122496