『熊楠 生命と霊性』七(閑人亭日録)

 安藤礼二『熊楠 生命と霊性河出書房新社2020年初版、「生命と霊性」を少し読んだ。

《 南方熊楠は、このように語る法龍から、「法身(ほっしん)」という概念を学んだのだ。森羅万象あらゆるものは根源としての「一」なるものから生まれ、それゆえ、 根源としての「一」なるものを孕んでいる。最もミクロな存在(粘菌)のなかにこそ、最もマクロな存在(大宇宙としての大日如来の働き)が秘められている。そして そこから精神と物質が分化し流出してくるのだ。熊楠の理解は、その一点に尽きる。 》 146頁

《 「粘菌」とは、「如来蔵」の最も美しい表現であったのかもしれない。ここにおいて、鈴木大拙の「霊性」(如来蔵)と南方熊楠の「曼荼羅」(粘菌)が一つに重なり 合う。それはさらにベルクソンの『創造的進化』を介して折口信夫井筒俊彦の意味論にもつながっていく。「霊性」と「曼荼羅」が一つに総合されることで生命と意味との 関わり、両者が産出されてくる根源にあるものが明らかにされる。そこにこそ近代日本哲学がもつことのできた、いまだ尽きることのない無限の可能性が秘められている。  》 153頁

 続いて折口信夫井筒俊彦の思想の本質が論述される。それまで遠景にあった折口信夫井筒俊彦がぐっと近景になった。

《 折口信夫「産霊」と井筒俊彦の「存在」は、自らのなかから森羅万象あらゆるものを生み出すという点において等しい。同時に、折口も井筒も、そうした生命の発生と 言語の発生を一つに重ね合わせていた。生命の母胎は同時に意味の母胎でもある。それは折口と井筒の結論である。さらに井筒が生涯の最後にまとめた小著、 『意識の形而上学』には「『大乗起信論』の哲学」というサブタイトルが付けられていた。井筒は『大乗起信論』に説かれた如来蔵思想を、イランのスーフィズム (存在一元論)と中国のタオイズム(老荘思想)を両極とする自らの比較東洋哲学を成り立たせる中心に位置づける。大乗仏教の「如来蔵」(「法身」)によって イスラームの「存在」(「神」)と老荘思想の「無」(「道」にして「混沌」)が一つにむすび合わされるのだ。おそらくそれが大拙の「霊性」と熊楠の「曼荼羅」が 到達した、現在までのところ最後の場所である。
  われわれの未来の哲学、われわれの未来の表現がはじまるとしたなら、その最後の場所以外は考えられない。 》 159-160頁

《 その果てに折口が到達したのが森羅万象あらゆるものに生命(霊魂)を賦与する「産霊」の神である。その神は万物に超越するとともに万物に内在している。つまり 生命の源泉になるとともに意味の源泉ともなる非人格神、姿も形ももたない「葦牙(あしかび)」(黴)のような、「水母(くらげ)」のような神である。折口にとって 霊魂とは言葉であり、言葉とは霊魂であった。 》 163頁

《 折口信夫の営為を引き継ぎ、その言語論をより論理的に、より普遍的に磨き上げていった者こそ井筒俊彦である。(引用者・略)井筒にとって哲学、宗教、文学は「憑依」 によって可能になるものだった。その根底には「憑依」によって可能になった「呪術」としての言語が存在していた。 》 163-164頁

 和箪笥の防虫剤が「おわり」の表示。予備と取り替える。やれやれ。ついでに段ボール箱を開く。こちらはまだ。やれやれ。予備があってよかった。こんな暑い中、 お向かいの薬局までも買いに出る気力がない。新型コロナ患者は三島市でも日々増えているし。家こもり~。お昼寝~。しかし、腰から左足は、背骨の具合が悪くて突然、 痛~っ。寝返りもイテテテッ。右肩は五十肩で上がらない。お手上げ~。一杯のコーヒーを淹れる。湯を少し注ぎ一分ほど蒸らす。湯を二度注ぐ。少しして飲む。旨い。 午後、覚醒。

 ネット、うろうろ。

《 ま、僕はもう異端でよい。僕は王道だと思ってるけど。 》 千葉雅也
https://twitter.com/masayachiba/status/1422190921072791559

《 (続き)大勢の医療関係者が科学に基づいて関連を指摘し、医療体制を守るために東京五輪の中止を求めるのは、五輪に関係ない一般市民だけでなく、 五輪に参加する選手の命と健康も考えてのこと。それを「選手への攻撃」のようにすり替えて架空の被害を創り出す。批判除けの盾として選手を利用している。 》  山崎 雅弘
https://twitter.com/mas__yamazaki/status/1422189020130398209

《 大阪の医療崩壊は映像としてほとんど視覚化されなかった。起きつつある東京の医療崩壊も視覚化されないでしょう。

  我々が原発について正気でいられるのは爆発映像をほぼ全国民が共有しているから。あれが無ければ、と考えると空恐ろしい。コロナの惨禍は当事者と想像できる人しか 共有していません。 》 Koichi Kawakami, 川上浩一
https://twitter.com/koichi_kawakami/status/1422236497969750017

《 「電話で会話できるかどうか」は、正確に言うと”息切れで会話が途切れ途切れならSpO2≦93”という識別法だが、第4波の大阪、神戸のように、 入院させられるベッドがない。医療者が泣く泣く「入院できません」と言わされ心を壊すことになる。 》 vogelsang7
https://twitter.com/vogelsang7/status/1422303252394086410

《 入院用のベッドが無くなって、
  救急外来は診療だけとなった…。
  発熱して受診、検査して帰るだけなら
  【発熱外来】とたいして変わらない。

  緊急入院が必要な患者を受け入れる事ができず
  救急外来の本来の役割が全うできない… 》 マモリナ
https://twitter.com/mamohospital/status/1422355558913519620

《 フジテレビの深夜の短いニュースがこんな報道。 》 miho nobuki
https://twitter.com/nobukimiho/status/1422213868533682178

《 ここまで来る前に対策する時間はだいぶあったんだが、何もやらなかったからな。政治としてあまりに無茶苦茶、無責任。

  入院患者以外は原則自宅 政府、宿泊療養を限定 感染増加地域(毎日新聞)
  #Yahooニュース 》 ささきりょう
https://twitter.com/ssk_ryo/status/1422351578736992266

《 10~20人レベルではあっても、五輪関係者から毎日新規感染者が出て、隔離施設や入院施設を埋めている。
  その施設は本来、国民のためのものだ。海外からお越しの五輪関係者には一刻も早く荷物をまとめてご帰国願いたい。
  主催国が医療崩壊してるのにバブル内で五輪! そんなの許されるはずもない。 》 水無月
https://twitter.com/minadukiG/status/1422236143316180999

《 ああ、「安心安全な大会」って、
  五輪関係者にとって安全安心ってだけのことだったのね 》 buu
https://twitter.com/buu34/status/1422176754349658116

《 アンジェリーナ・ジョーダン15歳 》 ネットゲリラ
http://my.shadowcity.jp/2021/08/15-10.html