『パリの美術館で美を学ぶ』二(閑人亭日録)

 布施英利『パリの美術館で美を学ぶ』光文社新書2015年初版、「第2章 20世紀アートへ」を読んだ。

《 絵画において、色は「目でみる」もので、言葉でみるものではない。 》 78頁

《 美というのは、きれいとか、単に美しいということではない。たとえばこのように、セザンヌの絵の画面に奥行きを感じたとき、それが「世界を正しく描いている」と 感じたとき、そこに現れる心の動き、それを美という。私はそう考え、セザンヌの絵はそう教えてくれる、というわけだ。 》 81頁

《 そういう疑問を持った上で、あらためてウォーホルの作品をみてみれば、気づく。その構図、色彩、主題の提示の仕方、どれをとっても、一言でいえば「上手い」のだ。 あたりまえのことだが、優れた芸術というのは、すべて上手い。 》 99頁

 ウォーホルの作品には全く魅力を感じない。すなわち欲しくない。私の審美眼がその程度ということかな。ま、それでいい。どの作品もワカルわけではない。

《  バスキアは、自分の絵についてこう語っているのだ。
  「どの一本の線だって、考えないで引いている線はない」
   つまり、適当な落書きのようにみえる絵だが、隅々まで考え抜いて、考え続けて描いている、というのだ。それが一流の芸術、というものなのだろう。 》 99頁

 画家が考え抜いて引いたという線が、果たして常にいいかどうか。

 「第3章 パリには中世の美術もある」を読んだ。
 「第4章 やはり、フランス近代絵画」を読んだ。

《 そろそろ美術史は終わりにして、ちがった切り口から美術作品を語ってみようとおもう。キーワードは3つ。光、ヌード、そして彫刻だ。 》 121頁

《 ともあれ、オルセー美術館で、マイヨールの『地中海』をみてみよう。(引用者・略)
  それら体のパーツが作る、組み立てられた構築性は、さらに全体として、人体がそこにあるというかたまりの感覚や、重さを造形している。まさに、セザンヌを彫刻の母として生み出された、フランス彫刻の美の、一つの極みとも言える彫刻だ。 》 139頁

 ジュリアーノ・ヴァンジの人体彫刻を連想。
 https://www.clematis-no-oka.co.jp/vangi-museum/

 ネット、うろうろ。

《 白杖で音を出す理由知って。 知らない人には教えてあげて。 》 つち  やゆい
https://twitter.com/seladadoqari/status/1433260748822618117

《 一年前からPCR検査を充実させ、東京オリパラは止めていたら、どんなにワクチンが遅れたとしても、世界でも有数のコロナをコントロールできた国になっていたはずだ。 安倍さんのコロナ失政を十分にリカバリ出来たはずだ。けれどもたった一年で日本を修復困難に陥れた。菅義偉とはそういう首相であった。 》 青木正美
https://twitter.com/aokima33/status/1433796165628092417

《 テレビは朝から「さぁ次はどうなる!?」ばかりで、放り投げて逃げようとしているのは何か、誰なのかを問わない。
  問題山積の東京五輪総括、河井夫妻買収事件、大臣の恫喝・圧力問題、名古屋入管問題、赤木ファイル、日本学術会議任命拒否問題などなど……。 》 武田砂鉄
https://twitter.com/takedasatetsu/status/1433938637394042886