『列島祝祭論』四(閑人亭日録)

 安藤礼二『列島祝祭論』作品社2019年初版を少し読んだ。

《 世阿弥は、自らの一族の神話的な祖である秦河勝(はたのかわかつ)について述べていく。 》 「翁の発生」57頁

《 秦河勝とは、神道の神憑りと仏教の「物まね」(もどき=反復)を一つに統合し、光に輝く生まれたばかりの胎児の身体と、荒れ狂う老いさらばえた「怪物」(荒神)の 身体を一つに統合する両義的な場を媒介として、いまここに立ち現れてくる未知なる身体にして、その未知なる身体を立ち現せる芸能=技術(アート)なのだ。 》   「翁の発生」59頁

《 「如来蔵」は異なったもの同士を一つにむすび合わせる原理である。(引用者・略)正反対ものの極端な例は、天と地である。世阿弥は、「如来蔵」を用いて、五臓と 五体の「相応」を論じた後、聖なる天人の舞と俗なる人の舞の「相応」を説く。純粋で抽象的、無形で無限のゼロ(「空」)と、不純で具体的、有形で有限の多(「色」)は 別のものではないのだ。有限の多(「色」)のなかに無限のゼロ(「空」)が孕まれており、だからこそ天人は地上に降り、聖なる舞を披露する。色は空であり、空は色で ある。「如来蔵」は、天と地を、多とゼロを、有限と無限を、具体と抽象を一つにむすび合わせる。 》 「翁の発生」62頁

《 空間的な複数の他者への自在な変身、時間的な複数の自己への自由な変身。そこに立ち現れてくるのが「幽玄」の身体なのだ。 》 「翁の発生」65頁

《 アナーキーな変身に満ち溢れた動的(ダイナミック)な舞台が解体され、純粋抽象表現の極北と称することも可能な静的(スタティック)な「無」の舞台、「空」の 舞台が出現する。そのような舞台に立つ身体は、一体どのようなものとなるのか。》 「翁の発生」67頁

《 「翁の発生」を理論的にも実践的にも突き詰めていった世阿弥は、逆説的にも「翁」そのもの、すなわち能楽の舞台そのものを消滅させるような地点にまで到達して しまった。 》 「翁の発生」68頁

 密度が濃い。少し読んでは本から離れて他のことをする。なので進まない。

 ネット、うろうろ。

《 この方、新しいワクチン大臣なのですね
  (自民党、どれだけ人材不足なんだか)
  ワクチン打てば終わりではないです。
  ワクチンの有効期限。ワクチンの効果の見極め。ブースター接種の有無。新しいタイプのワクチンへの対応。ワクチン副反応への対応・補償等々。
  これからワクチン行政大事なのですが。 》 Koichi Kawakami, 川上浩一
https://twitter.com/koichi_kawakami/status/1445854220695982084

《 検察審査会安倍氏本人の不起訴を
  「相当」とした…というニュース。
  これは政治資金規正法違反容疑のほうです。
  一心同体である元公設秘書と会計責任者については
  「不起訴不当」で再捜査へ。

  一方、公職選挙法違反容疑では
  安倍氏本人も「不起訴不当」で再捜査中。 》 東京新聞労働組合
https://twitter.com/danketsu_rentai/status/1445688385658445829

《 稲場紀久雄氏講義「三島駅南口周辺開発事業に思う!」(2021/10/3三島駅南口東街区再開発事業勉強会②より) 》 グラウンドワーク三島
https://www.youtube.com/watch?v=hyPpNKlHKtg&t=1s