『唯識・華厳・空海・西田』十一(閑人亭日録)

 竹村牧男『唯識・華厳・空海・西田』青土社2021年初版、「第八章 鈴木大拙の華厳学 霊性的日本の建設」を読んだ。

《 事とは、もろもろの事象・事物、理はそれらの一切を貫く究極の普遍のことで、仏教では空性ということになる。その空性そのものを、別の言葉で法性とも真如とも いうが、変わるものではない。また、事は相対、理は絶対ともいえるであろう。仏教ではその法性とは、不一不二である。そこを『般若心経』は、「色即是空・空即是色、 愛想行識、亦復如是」というわけである。華厳ではここを理事無礙法界という。絶対と相対が融け合っているところと言えるであろう。ここまでは、西洋でも説かれないこと はない。ヘーゲルの哲学に、そうした趣旨を見出すこともできるようである。
  しかし華厳思想では、理は空性であるがゆえに消えて、さらに事事無礙法界に進んでいく。事と事とが無礙に融け合うというのである。たとえば、松は竹であり、竹は 松であって、しかも松は松、竹は竹だという。私は汝であり彼・彼女であり、汝や彼・彼女は私であって、しかも私は私、汝は汝、彼・彼女は彼・彼女だというのである。 このことが成立するのは、究極の普遍(絶対者・神)が、空性そのものであるからである。このような、事事無礙法界の思想は、もはや西洋には見られない。 》  328-329頁

《 阿弥陀仏誓願は、人の死後、その人を自分の仏国土、極楽浄土に引き取るのが主目的ではなく、その救いを自覚した者が、阿弥陀仏の大悲のままに生きることを通じて、 この世をも浄土化していくことにこそあるのだというのである。このような見解は、大拙ならではの浄土教の深い了解である。 》 343頁

《 その仏教には哲学的な思想も豊かに存在しており、それらは実体論批判、関係主義的世界観等の先進性のゆえに、実に現代哲学とも十分、対話できるものである。 》  「あとがき」 349-350頁

 竹村牧男『唯識・華厳・空海・西田』読了。じつに刺激的。世界が開かれた思い。再読するだろう。

 ネット、うろうろ。

《 よくあるご質問 》 国立国会図書館
https://www.ndl.go.jp/jp/help/preservation2.html

《 土木学会の会誌「CNCP通信」にGW三島の取組が掲載 》 CNCP通信
http://www.gwmishima.jp/modules/xelfinder/index.php/view/10123/8%20CNCP%E9%80%9A%E4%BF%A1.pdf

《 インターネット、最初それは「クリエイティブなリゾーム」のように思われていた。結果としては、「何かひとこと言ってやりたいの全面化」だった。 》 千葉雅也
https://twitter.com/masayachiba/status/1456196536786829312

《 異質な価値観を持つ人を共存させようとすると、統一的な管理ができなくなる。そこで、統一的管理をせずに「準・システム的なもの」を作るかが頭の使い所なのだが、 世の中には、統一したほうが簡単だという単純でガサツな方に流れる。

  千葉雅也『ツイッター哲学: 別のしかたで』 》 珠玉の一文
https://twitter.com/namahamubook2/status/1456407032097951746


《 #野党共闘は失敗ではない
  福島県では5選挙区すべてで野党共闘候補ができ、すべて一騎討ちの選挙に。結果は野党3、与党2と逆転しました。マスコミは野党共闘が功を奏したと注目。 自民が攻撃するのは、一番嫌なのが市民と野党共闘で、いかに焦っているかの証明です。(ふくしま市民連合・根本仁さん) 》 山下芳生
https://twitter.com/jcpyamashita/status/1456588663475687424


《 野党共闘はやっぱり効果があった。
  続けないと。
  「(次点候補との得票率の差が5ポイント未満だった)34人のうち33人は、5野党の統一候補との接戦に持ち込まれた上で勝利しており 、 自民幹部も野党の候補一本化について「一定の効果はあった」と認めざるを得なかった」 》 弁護士 太田啓子
https://twitter.com/katepanda2/status/1456147036701483013

《 やはり野党共闘の効果はてきめんですね。自民党が「共闘崩し」に必死になるのも分かる。次回、野党が問題点を修正してきて共闘のポテンシャルが更に発揮されれば 自民党はもっと厳しい戦いを強いられることになる。 》 布施祐仁 YujinFuse
https://twitter.com/yujinfuse/status/1456095058629857281

《 衆院選が終わって「野党共闘は失敗だった」というプロパガンダがメディアでさかんに流されている理由は、それが自公にとって大変な脅威だからだというのが よくわかります。中島岳志さんが今週の週刊金曜日で書かれているように、野党共闘が徹底されなかったことこそが今回の敗因です。 》 想田和弘
https://twitter.com/KazuhiroSoda/status/1456116177197940743

《 今回の衆院選、全国各地の投票所で過去に例を見ないほどの「長蛇の列」ができたのにも関わらず、投票率は「戦後3番目の低さ」となり、その投票率の低さによって 大方の予想とは正反対に自民党が勝ったという超常現象が起こりましたが、この点に触れているのは『きっこのメルマガ』だけだっぴ♪ 》 きっこ
https://twitter.com/kikko_no_blog/status/1456233037671268357