『科学技術社会学(STS)』八(閑人亭日録)

 日比野愛子ほか・編『科学技術社会学(STS)』新曜社2021年初版、「七章 参加」を読んだ。現在性のあるテーマ。

《 彼女によれば、デューイの意義は民主政治が問題形成という実践にかかわるものであり、問題への関与によって市民が作られることを強調している点にある。また、 このような市民はコンセンサス会議などの手法を導入することで包括できるものではないという。 》 159頁

《 つまり、公共圏概念のように市民があらじめ広範に存在していると考えるのではなく、個々の具体的な問題を解決しようとする中で、「市民」が 後から個別に生まれてくると考えるのである。 》 160頁

《 これら科学の実験現場の研究でも、先ほどの一般的な技術普及の研究でも、ユーザーとテクノロジーが共生するという視点は、イノベーション偶発的 (contingent)な側面を強調する。イノベーションの過程は、現在見えている帰結が他の帰結でもありえたという可能性に満ちている。しかし、テクノロジーとユーザーが お互いに影響を与え実体化していく中で一つの現実が構成される。 》 171頁

《 STSのユーザー論は、看過されがちな存在に目を向け、テクノロジー発展の蛇行的な性質を明らかにするところから始まった。その多くは安易なユーザー中心主義には 警鐘をならすものである。ユーザーの正体を私たちはよく注視する必要がある。 》 173頁

 「コラム10 科学とアート?」福島真人を読んだ。

《 つまりそれを評価し、後世に残して行くのは実は、観客であり、アーティストそのものが果たす役割は実は限定されているという主張である。実際、テクノロジーの 新奇性に依存するアート作品は、その陳腐化によるしっぺ返しを食らう。新奇なテクノ・アート作品の何が残り、何が消えるのかというのは実は非常に魅力的なSTS的 テーマでもある。 》 174頁

 『科学技術社会学(STS)』読了。じつに面白かった。平明な文章だが、視界がやったら広い。再読するだろう。

 ネット、うろうろ。

《 飛び降りる先を決めた柴犬 》 ❄︎赤柴いち❄︎
https://twitter.com/ichimaru425/status/1468435296333496320

《 宮城県上下水道の運営権を売却したと聞いて暗澹たる気持ちにさせられる。既に水道民営化の弊害が噴出して世界各国で再公営化が行われているにも係わらず、 ライフラインを売却するなど常軌を逸している。岸田政権も水メジャーの人間を政府会議に招き入れているが、水道民営化の進行は断固阻止一択。 》 異邦人
https://twitter.com/Narodovlastiye/status/1468540476790050818

《 言うまでもないが、経営者でないのに経営者目線、与党でないのに与党目線、為政者でないのに為政者目線、といったふるまいが利するのはその目線の立場に 実際に立っており権力や財力を手にしている者であり、そうでない立場の者にとって弊害以外の何も生まれない 》 本田由紀
https://twitter.com/hahaguma/status/1468741426293121025

《 公明党がこだわるクーポン券の事務費960億円で、アベノマスクが2回も配布できる‥‥って、どっちもいらんわ!! 》 きっこ
https://twitter.com/kikko_no_blog/status/1468554833116680197

《 正直、あたしはクーポン券でも現金でもどうでもいい。あたしはコロナで死ぬほど生活が厳しいけど、独身で子どもがいないから1円も貰えない。 夫婦で年収1800万円でも子どもがいればカネが貰えるのに、子どもがいないと年収150万円でも1円も貰えない。今まで真面目に税金を納めて来たのに、ふざけんな! 》  きっこ
https://twitter.com/kikko_no_blog/status/1468531810691072011