『〈問い〉から始めるアート思考』三(閑人亭日録)

 吉井仁実『〈問い〉から始めるアート思考』光文社新書2021年12月30日初版、「第五章 芸術祭とは何か」を読んだ。

《 芸術祭は、アート作品をローカルコミュニティにうまくフィットさせることで、新たなアートの鑑賞の仕方を提案しました。それが多くの鑑賞者の心をとらえ、そして地方の活性化にもつながったのです。 》 139頁

《 批判するつもりはありませんが、都市のアートフェスティバルにはローカルの方たちを笑顔にする要素があまりありません。そこに私はどうしても違和感を覚えてしまうのです。もっと地域あるいは社会に密接に関わって、その良さを生かしていくというのが本来の芸術祭のあり方だと私は思います。 》 141頁

《 私が、何も残さない芸術祭を開こうと思った一つの理由は、「アート側が押し付けるものはすべて正しいのか?」という「問い」を芸術祭を開く人たちに投げかけたかったからです。言葉を換えれば「パブリックアートとは何か?」という「問い」でもあります。 》 143-144頁

《 今後、社会のデジタル化にともなって、アート作品からも物質性が少しずつ失われていくように思います。この変化は、アート史における大転換点となるでしょう。 》  155頁

 「第六章 〈観る〉から始める」を読んだ。

《 アート鑑賞に「この作品はこうやって見る」というルールや作法はありません。ただただ、作品に向き合えばいいのです。 》 170頁

《 「私はアーティストだ」と思えば、その時点で「アーティスト」です。 》 184頁

 「終章 アート思考とは「問い」である」を読んだ。

《 今、社会のデジタル化で多くの人は息苦しくなっているように思います。その変化の中で、私はアートの必要性がとても高まっているとも感じています。それは、 社会を支える多くの人々が人間性のバランスを取ろうとしているのではないかと私は思うのです。 》 198頁

 「おわりに」を読んだ。

《 いろいろなやり方があるのでしょうが、私はまず日本で暮らす人たちがもっと日本の文化を愛することが必要だと思っています。日本の文化を知り、再評価することは世界へアプローチするためにとても重要であり、一番の早道だと思っています。 》 207頁

 田島志一の審美書院の多色摺り木版画が浮かぶ。アートシーンの現在を生きている人ならではの簡明な文章による明快な論調。刺激的な本だ。

 朝、-2.9℃。寒いはずだわ。
 午後、源兵衛川中流、三石神社脇の茶碗のカケラ、ガラス片を深い所を避けて拾う。短時間でぐっと重くなる。よろめきそうなので引き上げる。温かい牛乳。

 ネット、うろうろ。

《 広島県安芸高田市・横田神楽団さんの「紅葉狩」
  クリスマスといえば神楽と言わんばかりに、大雪なのに超満員の場内。観てるだけでトランス状態になりそうな舞いぶりとお囃子に、 誰よりも盛り上がる地元の子どもたち。
  そらこんな凄いもんあったら集まるわな。中国山地、ディープ過ぎる。 》 副主席
https://twitter.com/SEI__jou/status/1474719944701267974

《 無事、打ち上げに成功したNASAの次期大型宇宙望遠鏡ジェイムズ・ウェッブ・スペーステレスコープ。30年・1兆円にもおよぶ開発の末に。

  この望遠鏡で人類は新しい眼を手に入れると言っても過言ではない。

  これから全く新しい宇宙を見せてくれることだろう。 》 Takuro Daimaru|大丸拓郎
https://twitter.com/takurodaimaru/status/1474987520664342529

《 ▼10時から参議院法務委員会の理事、オブザーバー、委員会所属で希望する議員でウィシュマ・サンダマリさんの死に至る映像を見ます。 そのあと入管関係者と質疑。すでに質問項目は準備しましたが、映像を見ながら補足していきます。とても気が重いですが、人間の尊厳が損なわれた事実を凝視します。 》  有田芳生
https://twitter.com/aritayoshifu/status/1475238734258126850

《 【今日の新四字熟語】
  「維新伝心」日本維新の会自民党は「国民から巻き上げた血税で自分たちだけが潤う」という点で一致している「税金泥棒政党」なので、 事前の打ち合わせなどしなくても、国会の質疑などは「阿吽の呼吸」でお互いに良いパスを出しあって噴飯物の茶番劇を繰り広げる、という意味。 》 きっこ
https://twitter.com/kikko_no_blog/status/1475099439513899015