『ドガ ダンス デッサン』三(閑人亭日録)

 ポール・ヴァレリードガ ダンス デッサン』岩波文庫2021年11月12日初版を少し読んだ。

《 結局、人びとの心のなかで、〈裸体〉には二つの意義しか認められていなかった。それはある時は〈美〉の象徴であり、ある時は〈猥雑〉の象徴なのだ。
  しかし、人物画を絵描く画家にとって、それはもっとも重要な対象であった。かたち(フォルム)を描く画家にとって、〈裸体〉は、物語作者や詩人たちにとっての 愛のようなものだった。 》 「裸体画について」 100頁

《 ひとつの作品とは、ドガにとってかぎりない数の習作の結果、一連の操作の結果だった。作品とは、決して完成したと言うことができないものだ、とドガは考えていたと 思う。 》 同 105頁

《 ひとが自分について抱いている考え、自分のうちに感じるさまざまな力にもっぱら基づいている職業においてもっとも重要な役割を果たしている観念は、言葉として 展開することもできないし、明確な形で意識に表現されるわけでもない。 》 同 107頁

 じつに深い論述だ。

《 デッサンほど、知性に働くように深く誘いかける芸術を私は知らない。 》 「余談」 122頁

《 学校教育の伝統や決まりきった考え方のせいで、私たちはあるがままのものを見ることを妨げられ、精神のさまざまな型を、それらが表現しようとするものによって まとめようとはせず、ただ表現形式によって結びつけようとするのだが、もしそうしたことがなかったら、〈精神の事象のただひとつの歴史〉が、〈哲学史〉〈芸術史〉 〈文学史〉〈科学史〉に取って代わることだろう。 》 同 123頁

《 現代芸術のうえには、無知あるいは無力という疑わしい感じがただよっていて、しかもこのうえなく奇妙な探求のせいで、そうした疑わしさは一掃されるどころか、 ますます掻きたてられている。
  創意は消滅した。構成は、単なる配列に還元されてしまった。 》 「もうひとつの余談」 125頁

《 ほとんどすべてが習作なしに制作される。というよりむしろ、ほとんどすべてが習作でしかないのだ。それも役に立たない習作である! 》 同 125頁

《 現代芸術のすぐれた研究は、三、四十年前から、衝撃という課題に対して、五年ごとにどのような解決法が見出されたかということを、あきらかにするにちがいないと 想われる……。  》 同 128頁

《 障害は両義的な記号であり、それを前に絶望する者もいれば、そこに理解すべき何かがあると理解する者もいる。
  しかし、障害というものに気づくことさえない人たちもいる……。 》 「ドガソネット」 135頁

 午前7時-4.1℃。元日からこんなに寒いとは。

 ネット、うろうろ。

《 しかし、こんなに寒いお正月はひさしぶりのことですねー。 》 赤城毅/大木毅
https://twitter.com/akagitsuyoshi/status/1477099356730032131

《 雪国の人間は雪が降ってないことを「晴れてるねー」と表現する傾向がある。あけまして寒い。 》 階段巡りツイッター
https://twitter.com/kaidanmeguri/status/1477068477798416386

《 ドイツは電気代が高騰と心配して下さる方がそこここにいらっしゃるが、税金を調整したり、その他の費用を調整したりで貧乏人のBabaにも払える状態なのでご心配なく。 2023年以降は余剰電力を隣国に売ったり、不足分を買ったりということも一切ないと政府が宣言している。 》 Lady Baba (鍵なし)
https://twitter.com/BabaJaga33_2/status/1476979870102171650

《 「維新」と「れいわ」のこの違い。
  【吉村洋文知事、休日の筋トレ姿を公開!たくましい筋肉に黄色い声殺到「カッコ良すぎ」「キャー!」】
  【山本太郎氏、毎年恒例の炊き出し支援活動!「国政政党の代表になっても変わってない」「本当のカッコ良さ」】 》 m TAKANO
https://twitter.com/mt3678mt/status/1477045352436240384

《 世間は年が明けて「おめでたいムード」だが、国政においては「公文書改竄」「買収」「基幹統計改竄」といった極めて重大な問題が山積みであり、 全くめでたくありませんね。

  元日だろうが何だろうが、糾弾は止めんぞ 》 法學院狂魔
https://twitter.com/Adepteater029/status/1477100226536419332