『地球的思考』六(閑人亭日録)

 昨日(26日)上げるのを忘れていた。
 國分功一郎清水光明 編『地球的思考  グローバル・スタディーズの課題』水声社2022年3月20日第一版第一刷を少し読んだ。
 「11 「グローバルな俯瞰力」と「ローカルな視点」をつなぐ/和田毅」を読んだ。
 「12 「宗教的なもの」から広がるもうひとつの……/伊達聖伸」を読んだ。

《 同じ社会のなかには、いろいろな思想が対立を孕みながら、どちらかが優勢になったり伏流化したりしながらせめぎ合っているものです。そのパターンを、歴史の さまざまな段階で独自の図柄を作りながら展開していくものとして読むことができないでしょうか。そうすると、多くの社会で現在生じている問題は、過去に起きた類似の 問題を参照項にしながら考えることができます。発生理由も解決の道筋も、その社会に即して考えるのが最善と思われます。 》 300頁

《 世俗の新展開については、人間という概念がまたここに来て変容を遂げているようなところに注目しています。(引用者・略)またジェンダーの問題もあります。 男性中心主義的な人間観で行われてきた学問をもう一度振り返るという営みが、新たな段階に差しかかっているようです。 》 306頁

 マンガ家故つりたくにこさんのフランス語版の作品集の続編が企画されている。ジェンダーの観点から注目されている。

 北一明『炎の造形  焼きもの新入門』山海堂1985年4月8日発行を開く。
 https://booklog.jp/item/1/4381070208

《 つまり視覚が硬直化し動脈硬化現象をきたしていますと、美の多様性の中のすぐれた代表的美意識の一つとしての「侘び」「寂び」という発想がなくなり、「侘び」 「寂び」以外は美ではないという短絡的視点が生じます。今日の目で客観的に焼きものの美しさというものを考えた場合に、侘び寂びの系譜からくる美しさは、閉ざされた 美意識といってよいのではないでしょうか。その道に深い造詣が生まれれば生まれるほど、視界が狭くなり、結果として浅薄になり、深化し純化するといこととはやや異質の ぬきさしならない悪しき面すらもつようになります。 》 21頁

《 とにかく、今日のこの異状現象はまさしく過渡期であるといえるのではないでしょうか。茶道と焼きもの発達史と表裏一体という事実は、同時に、焼きものの価値観の 二重構造を生んでいる原因ともなっています。つまり、焼きものの美的価値という純粋な焼きものの評価の側面と、茶道の道具としての、いわば侘び茶としての道具の 使用価値の側面という二重構造をもっているのが現実です。こういう意味で、旧来の古い伝統的な窯のみが、侘び茶の道具(焼きもの)を造りだせるのだという発想は、 必ずしも正しいとはいえません。むしろ、おもいあがりにひとしいと考えてよいのではないでしょうか。今日の焼きものの創生発展状況は、もっと多角的で、伝統の中で 単なる継承した伝世品よりも、遥かに侘びの本質に相応しい風格をただよわせる作品が生まれる可能性を有しているといえましょう。 》 20-21頁

 北一明の本の中でこれが作品の印刷も一番よく、作品と思想を知るには最適の本。それに安い。

 ネット、うろうろ。

《 作品において、美は終わっている。造形作品であれ、詩作品であれ、それは皺だらけの湿ったシーツのようなものだ。作品とは、事後の痕跡にすぎない。 美は、はじめに目配せしてくる。美は、予感であり、欲情であって、いまだ〈類的なもの〉にすぎない。これが〈比類なきもの〉に変貌するのが制作である。 》 中島 智
https://twitter.com/nakashima001/status/1529608685336535040

《 こういう事実が次々と出てきても、朝日や毎日は後追い追及しないだろうし、検察も起訴しないだろう。

  もう批判するのも空しくなってきた。この国は既に、権力者のサークル内にいる者とそうでない者では、別の基準が適用される三流腐敗国になっている。 先進国から脱落した。 》 山崎 雅弘
https://twitter.com/mas__yamazaki/status/1529439610417614848

《 政治家が政治屋で家業になっている。2世・3世のなんと多い事か。利権の相続が行われ政治の新陳代謝が行われていない。 ガラスの天井を打ち破る若い政治家が早く出てきて欲しい。北欧・ニュージーランド等の若き才能ある女性政治家も出現して欲しい。ただ「権力が腐敗」しないことを望む。  》 日々遊歩
https://twitter.com/hibiyuho/status/1529457578500952065