『生ける物質』五(閑人亭日録)

 米田翼『生ける物質──アンリ・ベルクソンと生命個体化の思想』青土社2022年6月10日初版、「第二章から第六章までの総括」を読んだ。

《 とはいえ、何が基礎的かはある意味ではどうでもよい。この世界が創造に満ち溢れていること、そして、我々人類だけでなく、すべてが創造・発明の過程に参与している こと、このような世界観・存在論を提示するための足場を構築することが、ベルクソンの進化論の目的だからである(第六章)。 》 262頁

 「第七章 鳴り止まない生命と宇宙の交響曲──持続の一元論・現実主義・成長宇宙説」を読んだ。

《 こうした一連の議論を踏まえて、私はベルクソン存在論を、<あらゆる存在者を構成する素材(持続)の一元論>として特徴づけるよう提案したい。 》 268頁

《 ベルクソンによれば、秩序なるものは、我々とは無関係に客観的に実在するものではない。我々は自身の関心に応じて、一定の秩序を見出すのである。 》 270頁

《 かくして、「無秩序から秩序へ」という論理が退けられるのだが、これと同様に、「無(非存在)から存在へ」または「可能的なものから現実的なものへ」といった 論理も退けられる。<現実主義>にかかわるのは、こちらの議論である。 》 270-171頁

《 以上で見てきたように、ベルクソンは持続の緊張と弛緩に対応する二種類の秩序だけを認めるのであって、持続する宇宙よりも広大な「無秩序」「無(非存在)」、 「可能的なもの」といった存在の領域は決して容認しない。この意味でベルクソンは<現実主義>を採用していると言える。 》 273頁

《 ありえなそうなことが、本当にありえないかどうかは、それが生じるまで誰にもわからない。ベルクソンの進化論が描き出すのは、そうしたリアルな可能性・偶然性を 胚胎した者共が重層的に折り重なって進展する生命と宇宙の物語なのであり、誰にもその物語の結末など予見しえない。 》 280頁

 「補論1 時空、決定、創発──アレクサンダーの時空の形而上学について」読んだ。
 「補論2 個体化の哲学における生殖の問題──シモンドンの場合」を読んだ。
 米田翼『生ける物質──アンリ・ベルクソンと生命個体化の思想』青土社、読了。ふう。

 ネット、うろうろ。

《 東西線のここ、短歌になってるのいつ見ても好き。 》 ニャロメ
https://twitter.com/nyaromekusakabe/status/1541919195583356928

《 憲法とは何かを考えるのに格好のサイトだと思って紹介したのに、なぜ自民党支持者っぽい人々が叩きにくるのか解らない。こういう改憲、必要だよねと拡散すれば 良いじゃん。それとも「あの頃の自民党はヤンチャだった」「今は更生している」とでも仰有りたいんでしょうか? 》 津原泰水(やすみ)
https://twitter.com/tsuharayasumi/status/1541939938580910082

《 ちなみに国民投票過半数とは「有権者過半数」ではなく「投票総数の過半数」。もし有権者が1億人で投票率が50%くらいだとしたら、2千5百万票とちょっとで 「国民の承認」と見做されてしまう。

  「国民投票法」って何だろう? | 暮らしに役立つ情報 | 政府広報オンライン 》 津原泰水(やすみ)
https://twitter.com/tsuharayasumi/status/1541864056415715328

《 [問]
  増税や!福祉につかうで!と消費税を5%→8%にしたあと『実はその5分の4を借金返済につかいました…』と国会でこたえた政党が、つぎは少子化にもつかうからさ!と 8%→10%に引き上げました。結果、児童手当と年金は削減され、『いま減税したら年金3割カットやわ…』といってます

  なんで???? 》 てゆんた(疲労
https://twitter.com/teyunta1123/status/1541558908149370880

《 『教育と愛国』を観た。安倍、菅、維新とその尖兵たちの教育現場への介入と跳梁跋扈が凄じい。教科書、あいちトリエンナーレ日本学術会議従軍慰安婦、強制連行 --じっくりと描かれ『主戦場』とは違った怖さがある。高齢女性二人連れの「背筋が凍る」「まさかここまでとは」が共通した感想であろう。 》 立川談四楼
https://twitter.com/Dgoutokuji/status/1541628904988848128