『現代の美術 別巻 現代美術の思想』(閑人亭日録)

 『art now 現代の美術別巻 現代美術の思想 』講談社1972年5月20日第1刷発行を開く。高階秀爾中原佑介/編。それまでの12册は左開き横書きだったが、この別巻は 右開き縦書き。内外の批評家の文章を収録。少し読む。最初の批評、ケネス・クラーク「しみと図形」から。

《 私は美術品が好きで収集もやっている。だがこれらを壁に吊しているのは、その前を通るたびに電気ショックを受けようとするためばかりではない。作品を手につかみ、 ぐるぐるまわし、また吊りかえてみたい──つまり暇にまかせてイメージを楽しみたいのである。そして個人的な好みにとどまる問題を抜きにして、人間の情動に及ぼす 最初の衝撃だけを生命とする芸術が永遠に有効かどうか、私は疑わしいと思っている。 》 18頁上段

 作品を手につかみ、ぐるぐるまわし・・・北一明の茶碗を毎日手にとって楽しんでいる。
 『art now 現代の美術』全12巻の出版から半世紀。収録作品にはすでに古臭いものが散見される。私だけがそう感じているだけかもしれないが。
 ジョルジュ・デュテュイ「イメージをなくすことはできるか」から。

《 マティスにいたるまで、ボナールやヴェイヤールにいたるまで、さらに今日でも何人かの画家の場合には、芸術はいつも、かの彼岸への道は此岸を経てゆくということ を当然のきまったこととみなしてきたのではなかったろうか。この条件においてのみ、絵画について言語ということを語るのも許されるのである。
  いま問題にしている画家たちはこの迂回を容認しないのである。われわれの求めるところは本質的なものだから……と彼らはわれわれに言う……陳腐なことは放って おこう。イメージはヴェールなのか。それなら、それを引き裂いてしまえ。もっとはっきり物が見えるようになるだろう。詩がお望みか。一切の散文的要素を追放して しまいさえすればよい。……この試みにはたしかに単純強引な論理が欠けてはいない。いつもなら画面の背後に、その深処に埋もれていたものが、いまや前面にもちだされて いる。「絶対」、「世界の霊」、「大いなる全」が打ちこわされた主題をこえてあらわれて、カンヴァスの布地そのものや、作品の閃光や裂け目といっしょになってしまって いる。画中には、外観と現実との間にパースペクティヴを開きうるようなものは何一つ残っていない。したがって、絵はまったくのオブジェと化してしまう。──たしかに、 恍惚を与えるオブジェであり、ショックを与えるオブジェである。具象画は手段であった。ノン・フィギュラティフはそれ自体が目的である。したがって、アクション・ ペインティングの衝撃は鑑賞者にほとんど不可避的に受動の態度を強いる。普通に解釈可能な記号の放棄、言語の拒否は、言語をこえた体験にわれわれを近づけるよりは、 むしろわれわれをより高いものへの詩的変質の可能性の外におき、頼るものもない無力状態に陥しいれるのである。 》 25頁下段

 朝、源兵衛川最下流部で茶碗のカケラ、ガラス片を拾う。川岸のヒメツルソバを抜く。重くなって終了。帰宅。汗まみれ。風呂へドボ~ン。ふう。
 午前は冷たいコーヒーを、午後は熱いコーヒーを飲む。うーん、旨い。旨いを味わえる幸せ。

 ネット、うろうろ。

《 日曜日朝のウナギパン。近所のスーパー内にあるパン屋で、昨日の土用の丑の日に合わせて作ったであろうパンが、今朝半額で大量に叩き売られてた。 この商品に関わった人みんなかわいいな。半額で60円、チョコパン。 》 ひうち棚
https://twitter.com/hiuchitana/status/1550994784864862208

《 ちょっとしたホラーだな。テキサス州の風車に雷が直撃。そのまま回り続け、最後には羽が燃え尽きたところで止まる。 》 Kazuto Suzuki
https://twitter.com/KS_1013/status/1550894645663891461

《 有史以前からの狩猟民も、国境が布かれて農耕民が法令をさだめたら密猟者よばわりされる。有史以前からの技芸民も、農耕民が生産主義にもとづいた文化政策でもって “保護” したら、一部の “効能” ばかりが尊ばれ、象徴的価値に堕ちてしまう。でも、古代的なものは死なないので、絶えず生えてきている。 》 中島 智
https://twitter.com/nakashima001/status/1550884061186367488

《 現在の文部科学省は、大臣・副大臣が揃って統一教会関連団体と関係があるという酷い状態です。
  特に副大臣池田氏統一教会総裁の韓鶴子を賞賛するなど、明らかに一線を超えているレベルの親密ぶりです。
  教育機関がカルトと戦う中で、トップは教団と親密。これはどう考えても不適任でしょう。 》 HOM55
https://twitter.com/HON5437/status/1550832622988771328

《 大規模な有権者に対する買収が行われた「桜を見る会」前夜祭については、安倍元首相は「不起訴不当」判断が出ても二度も不起訴。安倍元首相射殺の被疑者に対しては、 動機とされる「統一協会」への怨恨について矛盾点は見い出せないにも拘わらず鑑定留置。検察の恣意性も、ここまで来ると寒気がする。 》 異邦人
https://twitter.com/Narodovlastiye/status/1550968033929154560

《 官邸からの報復を恐れ、自民党議員は脳死。安倍首相と側近は党内を恐怖で支配してるんだ。まるで旧東欧。その反面、安倍首相自身もチャウシェスクの如き終焉を 恐れているのでは。 》 カノッチ🐳
https://twitter.com/webkanoshi/status/1286692438036250624

 上は2020年7月25日のツイート。