『縄文論』四(閑人亭日録)

 安藤礼二『縄文論』作品社二○二二年一一月一○日第一刷発行、「場所論」後半を読んだ。あまりに深い洞察にただ瞠目。息を呑む。理解が・・・追いつかぬ。

《 ラフカディオ・ハーン西田幾多郎鈴木大拙、エマヌエル・スウェーデンボルグ。これらの出会いは、まったくの偶然である。しかし、一つの必然に導かれての出会いであった。 》 100頁

《 詩人は、もし、彼方の世界──この世界の外──から持ち帰ったものが形態(フォルム)をもっているのであれば、それに形態を、無形態(アンフォルム)のものであるならば、それに無形態をあたえなければならない。 》 104頁

《 生命は、外的環境と内的環境の交点に、その身体を形成するとともに精神をも形成する。引き合い反発する力、外に展開しようとする力と内に縮約しようとする力の拮抗が、原初の生命を形づくる。 》 106頁

《 しかし、それは観念の上に観念を重ね、一つの観念をさらなる別の観念の連鎖によって置き換えて説明し続けていくという、まさに無限の悪循環に陥っていくことでもあった。おそらく、そこに出口はなくなる。 》 110頁

《 西田の歩まなければならなかったそうした行程は、ボードレールの「類似と照応の詩法」を「無の詩法」にまで推し進めたマラルメの軌跡と完全に並行し、重なり合っている。 》 115頁

《 純粋な「象徴」によって創り上げられた純粋な作品においては、もはや「作者」は消滅する、「無」となるしかない。 》 118頁

《 マラルメは、このような光り輝く宝石が無数に連ねられた首飾り、「象徴」という詩語で綴り上げられた「作品」が可能になるためには、「作者」は「無」のなかに消滅しなければならない、と説いていた。 》 119頁

《 「賽の一振り」は、おそらくはイジチュールが成長したのであろう船長の航海であると同時に、難破の記録を、白いページの上にさまざまな大きさと種類の黒い活字を配した、絵画のような、あるいは楽譜のような、作品である。マラルメが「詩の危機」に記したような、他の意味にひらかれた「象徴」が、無時間的かつ無空間的に空中に漂うイメージとしてではなく、時間的かつ空間的な物質性をもった「語」として、白いページ、すなわち「無限」の海の上に刻み込まれている。 》 133-134頁

《 生命は偶然性にひらかれている。そのことによってまず、一群の個体が変化し、次いで「種」全体をも変化させる。
  マラルメは、ただ同じこの偶然性のみを文学の主題として、生涯をかけて追求していったのだ。「賽の一振り」は、その最後の成果として形になった。 》 136頁br>
《 表現の未来は、思想の未来は、そういった西洋と東洋の分割を、過去においても未来においても、偶然性を梃子として乗り越えていってしまった新たな次元でしか可能にならない。マラルメは文学としてそうした未来を示そうとし、西田幾多郎は哲学としてそうした未来を示そうとした。 》 137頁

 ステファヌ・マラルメ『賽の一振り』柏倉康夫・訳 月曜社を明日、読み直さなければ。私は何を読んでいたのだろう。
 https://getsuyosha.jp/product/978-4-86503-130-0/

 ネット、うろうろ。

《 ブラックフライデーって、いらんもんとか売れ残りっぽいもんしか安くなってないですか? 》 マキエマキ
https://twitter.com/makiemaki50/status/1596118966573072384

《 涙が止まらない 》 ツイチューブ TwiTube
https://twitter.com/Twitube_123/status/1596121482949951492

《 左派からも右派からもそれぞれ別の理由でダメ出しされてる。 》 森岡正博
https://twitter.com/Sukuitohananika/status/1596120216265986050

《 自民の質疑で、「補正予算」を「不正予算」と空耳😄 》 buu
https://twitter.com/buu34/status/1595973668274065409

《 11月25日の衆議院予算委員会で酷い話が・・。
  立憲民主党の長妻議員が統一教会被害救済について、専門家である弁護士の参考人招致を求めたところ、自民党公明党が賛成せず出席が認められなかったとのこと。
  被害者救済!と言いながら、弁護士の出席を認めないとかもうやる気ないでしょ。終わってる。 》 HOM55
https://twitter.com/HON5437/status/1596172507446677505

《 この10年のインド都市部の発展は驚異的。日本が戦後30年かけて作り上げた中産階級向け文化を7-8年で作り上げたのでは?ただしそれは上位3-4億人の世界。未だに貧しい10億人がいるのも皮膚感覚で感じるが。 》 m-take
https://twitter.com/takeonomado/status/1595883748796821504

《 あと1世代、25年でインドはアメリカになり、アメリカはインドになるような気がする。 》 m-take
https://twitter.com/takeonomado/status/1595884925752074240