『縄文論』八(閑人亭日録)

 安藤礼二『縄文論』作品社二○二二年一一月一○日第一刷発行、「まれびと論」、「まれびとと祝祭──呪術の論理」を読んだ。

《 まれびとは海の彼方にある異界にして他界、「妣(はは)が国」(母たちの国)から、時を定めてやってくる神にして人である。 》 236頁

《 そうしたまれびとへの信仰は、人類の古層にまでさかのぼるのではないかと考えられている。 》 237頁

《 まれびとはあらゆる統制に抗う、自由の原理にして創造の原理である。来るべき芸術表現の理念になるとともに、来るべき芸術家の、その在り方の理想ともなる。まれびとは、宗教、芸術、哲学など現代では分断されてしまったさまざまな分野を一つに統合させ、人類の遠い過去と人類の遠い未来をいまここで一つにむすび合わせる。 》 237-238頁

《 まれびとの芸術は、表現する人類の起源にまで到達しているのである。 》 244頁

《 人類とは、なによりも表現する動物であった。 》 246頁

《 つまり、列島の北や列島の中央と同様、列島の南でもまた、旧石器と縄文は、新石器の革命に抗いながら、連続しつつ発展していったと考えられるのだ。旧石器の文化がそのまま成熟し、突出して発展したものが「縄文」の文化であった。この列島に人類がはじめて到達してから、その生活スタイルの根本は変わらなかったのである。人々は国家を作る代わりに、芸術作品を作り、それを洗練させていったのだ。 》 249頁

《 人類とは言語をもち、芸術作品を造形し、遊動性を保ちながら共同生活を送り、世界のすべてを呪術──「もの」に宿る霊的な力──のもとで考え、呪術のもとで生きる動物であった。それらは別々のことではなく、ただ一つのこと、人類が人類であることを意味していたのである。 》 250頁

 ネット、うろうろ。

《 支持率が下がりまくっている岸田首相が急に防衛費のGDP比2%を叫び出した。党内で「岸田おろし」が加速するのを恐れ、最大派閥安倍派などタカ派の主張を代弁することで党内支持を得ようという狙いだろう。これだけ国民が疲弊してても救済する気はない。頭の中にあるのは保身だけ。罪深い政治家だ。 》 さよなら昨日の私
https://twitter.com/SaYoNaRaKiNo/status/1597478533932015617

《 日本は周囲を広い海に囲まれているという大きな利点もあり、外敵から攻められにくい環境を踏まえた「防衛力」を保持してきた。他国攻撃能力を持たないなら、主体的に戦争を始められないので「軍隊ではない」と主張できる。だが外国攻撃能力を持った瞬間、自衛隊は「日本軍」になる。改憲せず軍隊保有。 》 山崎 雅弘
https://twitter.com/mas__yamazaki/status/1597513459809124352