『レンマ学』三(閑人亭日録)

 中沢新一『レンマ学』講談社二○一九年八月六日 第一刷発行、「第三章 レンマ学としての『華厳経』」を読んだ。

《 これから『華厳経』の世界に分け入っていこう。(引用者・略)この法界はその全域が、極微から大域にわたるまでことごとく、縁起の理法に貫かれながら、運動変化を続けている。そのために『華厳経』の描く世界は「法界縁起」の世界であると言われる。 》 60頁

《 しかしレンマ的知性は線形性によらない思考をおこなう。 》 63頁

《 レンマ的知性はロゴス的知性を否定しない。 》 69頁

《 このような法界のスパティウム(原空間 spatium)が、心の基層部にセットされているために、人間の心は人工知能とは異なる作動を示すのである。 》 72頁

《 『華厳経』に美しい「楼閣」として描き出された法界スパティウムの本質を一言で言い表すとすれば、それは「マトリックス(matrix)である。 》 73頁

《 『華厳経』はそれを暗い無意識としてではなく、光の波動に満ちた宮殿楼閣として描く。大乗仏教はわたしたちの抱く心の深層についてのイメージを根底から覆す。無意識は意識がないのではなく、逆に未知のマトリックス算法で動く法界スパティウムであるがゆえに、ロゴス的知性であるところの意識には、それが不可知の厚い雲に覆われた暗い世界のようにみえるのである。ロゴス的知性は縁起の理法によって運動する法界の一部分でこそあれ、法界=レンマ的知性を制圧できるような立場にない。それを人間の心(脳)から消滅させることもできない。むしろレンマ的知性があることによって、はじめてロゴス的知性も存在し活動することができるようになっているからである。 》 76頁

 根底から覆す。連想するのは、19日(月)に読了した國分功一郎スピノザ──読む人の肖像』岩波新書2022年10月20日第1刷発行の帯の惹句。

《 意志、自由、国家……この思考は、人間のすべてを根底から覆す 》

 昼前、源兵衛川中流部、眼鏡橋下の茶碗のカケラ、ガラス片を拾う。石垣のヒメツルソバを抜く。水深が浅くなったので入れた。帰宅。一汗。ふう~。

 ネット、うろうろ。

《 もう若者とはいえなくなったが、小さい頃から大好きな歌「若者たち」歌碑にやってきた。歌碑見えないけど。今日はここで寝る。

  君の寝る宿は 果てしなく寒い
  だのに なぜ 歯を食いしばり 君は寝るのか そんなにしてまで 》 階段巡りツイッター
https://twitter.com/kaidanmeguri/status/1606950250937450496

《 自民党は、なんでこんなに必死に「マイナンバーカード普及」に血道を上げるのか。どう考えても不自然。

  しかも、本当に国民のためになる制度だったら「義務化」すればいい話なのに、なぜか徹頭徹尾「本人の意思で申請した」形式にこだわる。

  何か問題が発生しても自己責任。 》 山崎 雅弘
https://twitter.com/mas__yamazaki/status/1607016375876481025

《 ご指摘の通りです。日本国民が理解しないといけないのは、アメリカ政府と日本政府および日本国民では「勝利条件が違う」という事実です。

  アメリカ政府は、中国や北朝鮮と局地戦を行っても、自国が無傷で相手側に与えた損害が甚大なら、日本人がいくら死のうが「勝ち」です。 》 山崎 雅弘
https://twitter.com/mas__yamazaki/status/1607014098411352065