25日(水)『芸術人類学』十(閑人亭日録)

 中沢新一『芸術人類学』みすず書房2006年4月15日第2刷、「IV 歴史との再会」の「壺に描かれた蛙──考古学と民俗学を結ぶもの」後半を読んだ。壮大な構想が展開される。たいしたものだ。脱帽。

《 双体道祖神縄文土器の文様を追ってきた私たちにとって興味深いのは、これらの神話がいずれもなんらかのかたちで「距離」の問題に関わっているからだ。近親相姦や月の顔面にへばりつく蛙は、「距離」を無化しようとしている。 》 321頁

《 縄文中期の勝坂式土器にあらわれた、多くの謎をはらむ蛙のイメージには、調理の用具としての土器に強い執着をしめして、煮炊きを料理の中心に据えてきた縄文文化の精神性が、もののみごとに写し出されている。これこそが、神話的思考であることを本質とする「物語性文様」の真骨頂だ。 》 324頁

《 こうして私たちは、土器という物質文化と、天体の存在である月と、両義性の動物である蛙が、縄文中期文化において、ひとつの思考の体系(システム)を形成しているありさまを、はっきりとつかみ出すことができる。土器と月と蛙は、生と死をめぐる新石器的な弁証法によって、たがいに矛盾をはらみながら、結び合っている。 》 328頁

 これだけの引用では何が語られているのか皆目わからぬだろうな。ま、すごい構想が語られている。それはまことに説得力がある。それはさておき。縄文深鉢の上縁に形どられた立体の火焔文様については何も語られていなかった。土器の側面に描かれた蛙(私は実物を見ていない)が、詳述されていた。

 ネット、うろうろ。

《 安保3文書の検討過程を情報公開請求したらほぼ「黒塗り」 敵基地攻撃能力の保有、防衛費倍増の背景は闇に 》 東京新聞
https://www.tokyo-np.co.jp/article/227176

《 中国の危機を煽り、増税してもミサイルが必要と主張する国の首相が、国会の施政方針でコンサートのチケットが手に入るとマイナンバーカードの喧伝。この異常事態に早く気づいた方がいい。 》 清水 潔
https://twitter.com/NOSUKE0607/status/1617809960372699137
 中沢新一『芸術人類学』みすず書房2006年4月15日第2刷、「IV 歴史との再会」の「壺に描かれた蛙──考古学と民俗学を結ぶもの」後半を読んだ。壮大な構想が展開される。たいしたものだ。脱帽。

《 双体道祖神縄文土器の文様を追ってきた私たちにとって興味深いのは、これらの神話がいずれもなんらかのかたちで「距離」の問題に関わっているからだ。近親相姦や月の顔面にへばりつく蛙は、「距離」を無化しようとしている。 》 321頁

《 縄文中期の勝坂式土器にあらわれた、多くの謎をはらむ蛙のイメージには、調理の用具としての土器に強い執着をしめして、煮炊きを料理の中心に据えてきた縄文文化の精神性が、もののみごとに写し出されている。これこそが、神話的思考であることを本質とする「物語性文様」の真骨頂だ。 》 324頁

《 こうして私たちは、土器という物質文化と、天体の存在である月と、両義性の動物である蛙が、縄文中期文化において、ひとつの思考の体系(システム)を形成しているありさまを、はっきりとつかみ出すことができる。土器と月と蛙は、生と死をめぐる新石器的な弁証法によって、たがいに矛盾をはらみながら、結び合っている。 》 328頁

 これだけの引用では何が語られているのか皆目わからぬだろうな。ま、すごい構想が語られている。それはまことに説得力がある。それはさておき。縄文深鉢の上縁に形どられた立体の火焔文様については何も語られていなかった。土器の側面に描かれた蛙(私は実物を見ていない)が、詳述されていた。

 ネット、うろうろ。

《 安保3文書の検討過程を情報公開請求したらほぼ「黒塗り」 敵基地攻撃能力の保有、防衛費倍増の背景は闇に 》 東京新聞
https://www.tokyo-np.co.jp/article/227176

《 中国の危機を煽り、増税してもミサイルが必要と主張する国の首相が、国会の施政方針でコンサートのチケットが手に入るとマイナンバーカードの喧伝。この異常事態に早く気づいた方がいい。 》 清水 潔
https://twitter.com/NOSUKE0607/status/1617809960372699137