『現代美術逸脱史』再読 三(閑人亭日録)

 千葉成夫『現代美術逸脱史 1945~1985』晶文社一九八六年三月二十日初版 一九八九年五月三十日四刷、「第一章 「具体」─アンフォルメル─「反芸術」」の「II 「具体」と何か」を再読。

《 しかし本質的には、日本の国内に現実に起こっている美術をその固有性においてみるという基本的な態度が、成熟はおろか、生れてさえいなかったからだとおもう。 》  45頁上段

《 「具体」が問いかけているのは、たんにジャンルを逸脱してなにかあたらしい表現をしようということではなく、そもそも、本当にわたしたちは西欧的な絵画・彫刻概念を有し、それに規定され、それを消化し、それにのっとって制作しているのものなのかどうかという問題である。本来は西欧的な意味での絵画も彫刻もじつはもっていなかったのではないか、という疑いである。 》 56頁下段

 「第一章 「具体」─アンフォルメル─「反芸術」」の「III アンフォルメル」を再読。

《 西欧絵画史のひとつの臨界点だったアンフォルメルをとらえそこない、また、直前の「具体」によって提起されていた日本の固有の文脈の問題をとらえそこなったとき、日本アンフォルメルは前線から決定的に後退していった。 》 62頁上段

 「第一章 「具体」─アンフォルメル─「反芸術」」の「IV 「反芸術」のとらえなおし」を再読。

《 わたしたちの美術の歴史においては美術の不在こそ常態だったのではないか、という仮説である。日本にも明治以前から美術は存在していたが、美術という語そのものが翻訳語だったように、それは西欧の美術とは概念じたいを異にするものだったとかんがえたほうが事実にちかい。そして、西欧の美術の概念と作品と材料が入ってくるようになった明治以降になると、旧来の美術と西欧の美術との軋轢と葛藤が、日本の美術にとっての現実となる。 》 81頁~82頁

《 じじつ、近代日本美術史とは、ほとんど、この二極分解、模倣・亜流、敗北の歴史以外のものではなかった。 》 82頁上段

《 つまり西欧では、じっさいに存在しているのは絵画であり彫刻なのだ。ならば、この美術ということばから、それに従属している種概念(絵画・彫刻)をとりさって、いいかえれば種概念との対応関係をたちきって、さらに西欧的な文脈の枠の外へつれだしてみたらどうか。わたしのいう「類としての美術」がみえてくるのはそのときである。 》 83頁下段

《 わたしたちは美術が、美術ということばが、美術という概念そのものが、固有の文脈のなかでひとつけたあげされる位相を、すなわち「類としての美術」の位相をみてとるべきではないだろうか。そして、この「類としての美術」の位相が日本の美術の固有の文脈たりうることをかんがえてみるべきだ。これが、「反芸術」がはらんでいた最大の意味にほかならない。 》 84頁上段

 「第一章 「具体」─アンフォルメル─「反芸術」」読了。なかなか刺激的。いろいろな連想が湧く。ワクワク。

 ネット、うろうろ。

《 最後までじっくり読んだ。ガッツリ社会保障削って防衛費に回しとるがな。何が社会保障は削らないだよ。息するように嘘をつくな。 》 ガイチ
https://twitter.com/gaitifuji/status/1621280315498188801

《 政府は軍拡の財源に国立病院機構の積立金を転用しようとしている。
  他の公的病院より安い看護師の給与アップは「積立金が足りない」という理由で拒否されているのに。
  (2023.2.1衆院予算委/宮本徹議員)
  https://youtu.be/RhxEG9FwvEw #国会中継 》 𝐄𝐌𝐈𝐋
https://twitter.com/emil418/status/1620745086924623872

《 金融政策だけで成長を夢みるアベノミクスも、外交がなく防衛費増大だけに安全保障を賭けることも、凶悪犯罪への対応を死刑制度に集中させることも、結局、複雑な現実を斬り捨て、「これさえあれば」に単純化する点では同じ問題を抱えている。勿論、それでは解決しない。 》 平野啓一郎
https://twitter.com/hiranok/status/1621293710880415744

《 この30年の結果だけ見れば、自公政権が経済オンチの、非現実的政権であることは否定できない。無責任政党であり、保守というより新自由主義的な既得権益への固執政党であり、人々の生活を守るという視点も、未来のヴィジョンも何にもなく、政権維持と首相の名誉欲のために政策が歪められている。 》 平野啓一郎
https://twitter.com/hiranok/status/1621295630730825728

《 子供の頃、戦争世代の親から「昔は皆貧しかった。今を感謝しなければ」と言われた。戦後「豊かになった」を人々が実感できたのは60’~90'半ば位の4半世紀ほどで、その後今に至る4半世紀余りはずっと「貧しくなった」と言われてる。豊かだった頃の記憶が薄れたらこの貧しさがスタンダードになるのか。 》 大野左紀子
https://twitter.com/anatatachi_ohno/status/1621299104860246017

《 統一教会日本会議創価学会の全てが同性婚に否定的なので自公政権では絶対に認めないだろう。同性婚を認めることでは社会は変わらないが、カルト宗教の影響で社会は変わってしまった。もちろん悪い方へ。 》 kitaro891
https://twitter.com/irato015/status/1621278134183276544