里見龍樹『不穏な熱帯 人間〈以前〉と〈以後〉の人類学』河出書房新社二○二二年一一月三○日初版発行、「第一章 人類学/民族誌の現在」を読んだ。
《 これらの「人工島」こそ、これまでの民族誌的文献においても当のマライタ島においても、自然によってアシに特徴的な生活様式とみなされてきたものにほかならない。そして本書において、これらの島々は、たびたび謎めいた姿でアシの人々と私の前に立ち現れることになる。本書のタイトルに言う「不穏な熱帯」とは、何よりもまず、島々のそのようなあらわれを指すものにほかならない。 》 46頁
《 このため本書では、単に「島、島々」という中立的な呼称を用いる。 》 48頁
《 島々に住む人々は、男性の多くは活発な漁撈活動に従事していたが、同時に本島のフォウバイタ村周辺にサツマイモなどの自給用の畑をもち、本島と島の間を日常的にカヌーで行き来して生活している。またほとんどの島では、淡水を汲むために、毎日のようにポリタンクやボトルをもって本島に赴く必要がある。 》 49頁
《 この埠頭は、沖合の島々とまったく同じように、海底で掘り出された「岩」を無数に積み上げることで建設されたものである。 》 49頁
《 しかし二○一一年、フォウバイタ地域を再訪した私に対し、人々は、本書の「はじめに」でも述べたように、「あの埠頭はすっかり低くなってしまった。昔はもっとずっと高かったのに」と口々に語ったのである。 》 52頁
《 しかも、次章で述べるように、私がマライタ島で直面した事態は、単に「『エキゾチックな異文化』の研究はもう通用しない」というよりもさらに入り組んでおり、それは、アシの人々自身が「『アシの伝統文化』などというものはもはや存在しない」と断定してみせるような事態だったのである。 》 59頁
《 本書の「はじめに」でも述べたように、今日、存在論的て転回や「広義の自然」の主題化を踏まえて人類学と民族誌を実践する上で、「いかに書くか」をめぐる様式論的な問題は決して解消していないと私は考えている。本書で示そうとしているのは、マライタ島という「不穏な熱帯」でのフィールドワークを通して、私自身がそのような問題とどのように向き合ってきたかということにほかならない。 》 72頁
昼過ぎ、所要で久しぶりに市立図書館へ。入り口に新刊収蔵書棚。なんと『定本 夢野久作全集』第8巻国書刊行会、『サラゴサ手稿』中下巻岩波文庫など。参ったなあ。借りるよりも買って本棚に置きたい。
ネット、うろうろ。
《 フランスで「寅さん」上映が大盛況、その成功の理由とは?/林瑞絵 》 論座
https://webronza.asahi.com/culture/articles/2023020900005.html?page=1
《 「日中経済関係」
90年代(取引比率)
中国🇨🇳6.4%
米国🇺🇸27.4%
↓
2020年代
中国🇨🇳25%
米国🇺🇸14%
これだけ依存度の高い国と
有事を構えるというのはどれほど大変か。
福田元首相
「首相を辞めた後に
中国脅威論を唱える馬鹿はいない」
#日中経済関係
#中国脅威論 》 YOKO@DEMOCRACY
https://twitter.com/granamoryoko18/status/1626190468324397057