里見龍樹『不穏な熱帯』四(閑人亭日録)

 里見龍樹『不穏な熱帯  人間〈以前〉と〈以後〉の人類学』河出書房新社二○二二年一一月三○日初版発行、「第二章 浮上する「自然」」を読んだ。

《 後から振り返ると、人々の生業活動と環境との関わりに密着しようと試みるこうした調査を通して、私は結果的に、単に「生業活動についてもデータを集めるようになった」というよりもはるかに根本的な水準での変化を経験しつつあった。 》 122頁

《 すでに述べたように、かつての私は、アシの人々が「もう海には住めない」と語る状況を、自身のフィールドワークを困難にするものとして受け取り、困惑していた。しかし、次節で述べるような同時代における人類学理論の展開をも踏まえて振り返るならば、実際にはまったく逆に、そのように「文化」や「社会」と呼ばれてきたものが根本的に不確かになっていたことこそが、私のフィールドワークと民族誌、すなわちアシの人々の現状を、以下で述べる「広義の自然」との関わりにおいて記述しようとするような民族誌を可能にしていたのである。本書が「はじめに」でも述べた「民族誌の自然」という概念によって言い表わそうとするのは、フィールドワークや民族誌の実践と「広義の自然」とのそのような関係にほかならない。またそこにおいて、マライタ島という「不穏な熱帯」での私の取り組みは、「他者表象の政治学」や「立場性」をめぐるかつての人類学/民族誌批判からも決定的に脱却しつつあったと言える。 》 126頁

《 先にも述べたように、本書は決して存在論的転回の立場に立つものではないが、他方で、この「転回」を含む一連の動きが、現代の人類学において「自然」を新たなかたちで主題化させてきたという事実を「真剣に受け取る」ものである。 》 128頁

 ネット、うろうろ。

《 「公共の言葉」で思い出したけど、00年代のインターネットはまだ「いかがわしさ」があって、2ちゃんねるも「アンダーグラウンド」なものだったからネットスラングは知ってはいてもリアルでの使用は控えていた人が多かった印象。
  ネットをリアルに持ち込むのは「恥ずかしい」といった感覚があった。 》 チナスキー
https://twitter.com/chinasky/status/1626757558060060673

《 それは普通はミサイル基地と呼びます 》 石野 雅之
https://twitter.com/nocchi99_2nd/status/1626539985632632832

《 よりによって壺議員とは。なめとんか! つまり、この人を任命すること自体が、「実質的にはなにもしないからね。安心してね」という統一教会へのメッセージなんだよね。もう、岸田首相はダメだわ。 》 冬樹蛉 Ray FUYUKI
https://twitter.com/ray_fyk/status/1626512923014352898

《 官僚は、ある意味、究極の、試験勉強を勝ち抜いた勝者ですよね。

  学問への洞察が深い人もいるかもしれませんが、全員がそうとは限らないし、高等教育への敬意をもっているとは限らないですね。 》 Koichi Kawakami, 川上浩一
https://twitter.com/koichi_kawakami/status/1626754330153058304