『世界は「関係」でできている』(閑人亭日録)

 カルロ・ロヴェッリ『世界は「関係」でできている 美しくも過激な量子論』NHK出版2022年2月15日第3刷発行、最初の「深淵をのぞき込む」を読んだ。
 https://www.nhk-book.co.jp/detail/000000818812021.html

《 だが、これぞまさに科学なのだ。科学とは、世界を概念化する新たな方法を探ること。時には、過激なまでに新しいやり方で。それは、自分の考えに絶えず疑問を投げかける力であり、反抗的で批判的な精神による独創的な力──自分自身の概念の基盤を変えることができ、この世界をまったくのゼロから設計し直せる力──なのだ。 》 11頁

 故北一明を連想。没後十年の去年の秋、出身の法政大学では偲ぶ会が開催されたが、故郷の飯田市では話題にもならず。
 https://www.hosei.ac.jp/tama/info/article-20221007100138/?auth=9abbb458a78210eb174f4bdd385bcf54
 http://web.thn.jp/kbi/kitaron.htm

 「第一部 第一章 奇妙に美しい内側を垣間見る」を読んだ。

《 じきに明らかになったのだが、ゲッチンゲンの行列力学についても、これと同じことがいえる。行列の数字はあくまで確率を予測するのであって、正確な数値を与えるわけではない。ハイゼンベルクの形にしろ、シュレーディンガーの形にしろ、量子論は確実に起きることではなく、確率を予測するのである。 》 39-40頁

《 それにしても、なぜ確率なのか。 》 40頁

《 これから見ていくように、ハイゼンベルクシュレーディンガーの論争から百年を経た今も、まだこの問いには決着がついていない。 》 41頁

《 量子論という名前自体が、まさに「量子」、すなわち「粒」に由来する。量子現象は、この世界が──きわめて小さな規模では──粒状であることの表れなのである。 》 47頁

《 粒状性は、「観測」、「確率」に続く、量子論の第三の着想である。ハイゼンベルクの行列の行と列は、エネルギーが取り得るばらばらな、つまり「離散的な」値に直接対応しているのである。 》 47頁

 「第二部 第二章 極端な思いつきを集めた奇妙な動物画集」を読んだ。

《 さて、量子的な現象のいったいどこがそんなに奇妙なのだろう。(引用者・略)
  「量子重ね合わせ」とは、たとえばある対象がここにありながらあそこにもある、というふうに、ある意味で互いに反する二つの性質が同時に示されることだ。(引用者・略)電子はある場所だけに、あるいは別のどこかだけにあるのではなく、ある意味で両方にある。 》 56頁

《 どうやら、観測するだけで、起ころうとしている出来事を変えられるらしい! そんなばかな。わたしが見ていないときには、光子は決まって下の検出器に向かう。ところがどちらの経路を通るのかを注視していると、光子が上の検出器に到達する可能性が出てくるなんて。 》 60頁

《 これが「量子重ね合わせ」であって、いわば一つの光子が「両方の経路に」存在する。ところがこちらが光子を探すと、片方の経路にしか存在しない。 》 61頁

《 この問い──ハイゼンベルクが提起した重要な問いの無数の再定式化の一つである、「観測と何か」、「観測者とは何なのか」という問いによって、わたしたちはついにこの本の主要な概念である、関係へと導かれる。 》 79頁

 「第二部 第三章 みなさんにとっては現実、でもわたしにとては現実ではない事柄とは?」を読んだ。

《 事物の属性は、相互作用を通してのみ存在する。量子論は、事物がどう影響し合うかについての理論である。そしてそれは、現在わたしたちの手元にある最良の自然の記述なのだ。 》 86頁

《 一言でいうと、対象物の属性は相互作用の瞬間にのみ存在するのであって、その属性がある対象物との関係では現実でも、ほかの対象物との関係では現実でない場合がある。 》 90頁

《 属性は対象物のうちにあるのではなく、対象物の間にかかる橋なのだ。対象物は、ほかの対象物との関係においてのみその属性を有し、橋と橋が出合う節(ノード)になっている。この世界はさまざまな視点のゲーム、互いが互いの反射としてしか存在しない鏡の戯れなのだ。 》 97頁

 「第二部 第四章 現実を織りなす関係の網」を読んだ。

《 事物がおおもとのところで依存し合っていることを具体的に表す、きわめて微妙で魅力的な量子現象がある。夢のように魅惑的なその現象の名は量子もつれエンタングルメント)。 》 98頁

《 二つの対象物の全体としての属性は、三つ目の対象物との関係においてのみ存在する。二つの対象物が相関しているという言いまわしは、三つ目も対象物に関する事柄を表しているのだ。相関は、相関する二つの対象物が、いずれも第三の対象物と相互作用するときに発現するのであって、第三の対象物はそれを確認することができる。
  エンタングル状態にある二つの対象物の間のコミュニケーションらしきものによって一見矛盾のようなものが生じるのは、相関が現実のものになるには両方の系と相互作用する第三の対象物が存在しなければならない、という事実を無視しているからなのだ。発現する事柄はすべて、何かとの関係において発現する。二つの対象物の相関はそれらの対象物の属性であって、およそ属性なるものの例に漏れず、さらなる第三の対象物との関係においてのみ存在する。
  エンタングルメントは、二人で踊るダンスではなく、三人で踊るダンスなのである。 》 105頁

《 早い話がエンタングルメントとは、現実を織りなしている関係そのものを外から見た姿、つまり相互作用の過程における一つの対象物の別の対象物に対する発現であって、対象物の属性は、その相互作用によって現実となるのだ。 》 107頁

《 未来は、過去によって決まらない。この世界は確率的なのだ。 》 114頁

《 量子論の核をとことん凝縮すると、たった一本の方程式で表すことができる。その方程式によると、この世界は連続的ではなく、粒状である。その粒はごく小さいが、それにも限度があって、事物は無限に小さくはなれない。もう一つ、未来は現在によって決まるわけではない。また、物理的なものは、別の物理的なものに対してのみ属性を持つ。つまりそれらの属性は、もの同士が相互作用したときに限って意味を持つ。さらにその式によると、さまざまな視点を矛盾なく並列することができない場合がある。 》 116頁

 難しいけれど、ワクワクする。『華厳経』を連想。
 三月になって温かい。日差しが強い。風も強い。洗濯物が飛ばされるか心配。ガッチリ留める。昼にはよーく乾く。やれやれ。

 ネット、うろうろ。

《 今月末で解体予定だった五反田TOCが1年ほど生き延びることになった。1970開業。ショッピングモールと称されるが、そもそもはビル化した問屋街。個人店舗と大手資本が入り乱れる魔窟。自由が丘デパートや昔の東京タワーの売店と同じ匂い。サンリオ本社はここにあった。わかりにくい本当の東京の残像。 》 初見健一
https://twitter.com/ken1hatsumi/status/1630628205601370113

《 追手門学院高校表現コミュニケーションコースの授業では、義足や手など、私の身体にとても興味を持ってくれる。私の右手は、人差し指が欠損している。だから握手をすると、ちょうど収まりが良いようで、「新しい感覚」と、感動してくれた。みんな「握手したい!」と言ってくれて、握手会状態に(笑) 》 森田かずよ Kazuyo Morita
https://twitter.com/katsuomaru/status/1630858359128854531

《 「ゼロ回答」を続けていると、やがてメディアが「野党は攻め手欠く」と書いてくれる(から「ゼロ回答」を続ける)。 》 武田砂鉄
https://twitter.com/takedasatetsu/status/1630793585737211904

《 竹田恒泰は「差別主義者」と言われ名誉毀損で訴えたものの、実際に相当の発言をしているし評論家として公的機関で講演までする立場だから批判されても正当な評価だとされ敗訴したのに、またそんな人を招く自衛隊だが、統一教会関係者も講演に呼んできたから差別や売国は組織体質。自衛隊は解体すべき。 》 井上靜 Joe Inoue
https://twitter.com/ruhiginoue/status/1630852799377571840

《 成田悠輔氏の“集団自決”発言や、最近Twitterで見かける安楽死肯定のツイートなどは、危険な兆候でしょう。”自民党の思惑”をも超えて、危険なものと思います。マスコミもおもしろがって使っていたら、とんでもないことになると思います。ナチスが歩んできた道そのもの。全力で阻止しよう。 》 Koichi Kawakami, 川上浩一
https://twitter.com/koichi_kawakami/status/1630831332585791489

《 歴史的に危険な兆候。直感的にも危ないと感じてる。白人優越主義集団KKKが少人数の悪ふざけから急拡大した歴史を思い出した。成田氏の優生思想(ナチス)的発言は今を生きる大人が徹底的に批判してここで止めないといけない。今だに切り抜き云々の方は彼の他の動画も見たほうがよろしい。断言してるから 》 L🐠反カルト法
https://twitter.com/signifyn0thing/status/1630854073049313280

《 辻元議員「グローバルホーク(無人偵察機)を9年前に契約。3機で613億円、維持費はその5倍の2951億円。9年たっても1機納入されていない。米空軍は2年前に日本が買う機種は旧式で中国の脅威に対応できないとし全て退役させるとしたのは事実か」
  防衛省「事実です」

  自ら進んでぼったくられる、売国政権。 》 umekichi
https://twitter.com/umekichkun/status/1630808611437043714

《 自国維公 》 カイトビオ
https://twitter.com/T7vpH4kBzEsW/status/1630856365714604033