カルロ・ロヴェッリ『世界は「関係」でできている 美しくも過激な量子論』NHK出版2022年2月15日3刷を少し再読。
《 思うに、わたしたちは量子論を通して、あらゆる存在の性質、すなわち属性が、じつはその存在の別の何かへの影響の及ぼし方にほかならない、ということを発見した。事物の属性は、相互作用を通してのみ存在する。量子論は、事物がどう影響し合うかについての理論である。そしてそれは、現在わたしたちの手元にある最良の自然の記述なのだ。 》 86頁
《 Ψ(プサイ)という波は、ある出来事がわたしたちとの関係においてどこでどのように起きるかを、確率を使って計算するためのものである。 》 91頁
《 量子の世界は、古い物理学者が思い描いていた世界よりもはるかに薄く淡く、一時(いっとき)の偶発的で不連続な出来事からできている。(引用者・略)すべての相互作用は出来事であって、現実を織り上げているのはそれらの軽くはかない出来事なのだ。断じて、わたしたちの哲学がそれらの出来事の裏付けとして措定した、絶対的な属性を持つ重い事物などではなく。 》 93-94頁
《 電子の一生は、空間内の一本の線ではなく、一つはここ、もう一つはあそこ、というふうに出来事として出現する点線である。出来事はとびとびで連続しておらず、確率的で相対的だ。 》 94頁
《 わたしたちは普段の生活で、この世界は堅牢で連続したものだという感じにすっかり慣れ切っているが、じつはそこには現実が粒状であるという事実は反映されていない。 》 95頁
《 こうして世界は粉々になり、さまざまな視点の戯れとなって、大局的な唯一の視点の存在は、許されなくなる。それはさまざまな視点の世界、さまざまな属性を持った実体や、一意的な事実の世界ではない。属性は対象物のうちにあるのではなく、対象物にかかる橋なのだ。対象物は、ほかの対象物との関係においてのみその属性を有し、橋と橋が出合う節(ノード)になっている。この世界はさまざまな視点のゲーム、互いが互いの反射としてしか存在しない鏡の戯れなのだ。 》 96-97頁
午後、友だちとモンミュゼ庄司美術館の坂部隆芳展を再訪。なんと坂部さんは今朝、トルコへ旅立ったと言う。イスタンブールのアトリエへ行ったのだろう。絵画を拝見。 ひと月ほど前に見て打たれた老樹の絵『東ひもろぎ』(縦80cm横40cm)の右の屏風仕立ての絵には、同じ下絵から起こされただろう老樹では、幹の表面がリアルに描かれている。私の打たれた老樹の絵には、来歴(画家の生きてきた人生)が滲み出て、実に深い観照を感じる。やはり深みが違う。あらためて実感。依頼されて坂部さんに送った拙文を再掲載する。
《 坂部隆芳『神の国』庄司美術館を観て
越沼正
どの絵も静謐でさり気なく、深遠と深淵を見せている。
坂部さん独自の表現世界だ。一通り拝見して備え付けの椅子に座り、
ふっと見わたすと、左に襖絵を模した二枚の大作。右に一曲の屏風を
模した大作。どちらも日本絵画の伝統を刷新する気が生動し、
流石(さすが)と納得。そしてその間に小さな(といっても、たて80センチ
よこ40センチほど)絵。歳月を重ねた樹の幹だけが描かれた絵。この小さな
(?)絵に感嘆。これは桁違いに素晴らしい。両翼の大作を従えている。
いや、扇の要のような位置を占めている。左右の大作は見事だ。が、
その間の小さな樹幹の絵は、坂部さんの画業の転換点であり、
さらなる高みを予感させる。また、絵画の歴史の隘路を抜け出した絵、
絵画の未来をも予感させる絵、と直観した。
かすかなひねりを感じさせる樹幹からは、遠く『ミロのヴィーナス』像の
こだまを感じる。
なによりも、完成一歩手前で絵筆を置いた手際に感服する。
その消え入りそうな余白に、私たち見る者は、ふっと肩の力を抜いて
惹き込まれる。長い絵画制作で培われた無意識の美意識が
作者の意図を超えて降臨し、そして絵筆を置いた・・・
ように思われる。さり気なく深い表現世界。傑作だろう。
久しぶりに物欲が湧いた。が、私には手にすることさえ憚(はばか)れる。
私のような一般人が所有するようなものでは決してない。 》
ネット、うろうろ。
《 自分も貧しいのに富裕層の発想で社会を考える「名誉富裕層」みたいな人がいるラジよね。 》 PsycheRadio
https://twitter.com/marxindo/status/1641627745309593601
《 自民党の政治が酷いと批判すると「選んだ国民が悪い国民の責任」などと良く言うがカルトとの癒着を伝え無いまま投票させられるのなら、そうとは言えない。知らなかったのだから、どう考えても悪くて責任があるのは伝えなかったメディアだ。 》 フランコーネ
https://twitter.com/tatsujpn/status/1641969933952368641
《 「知ってる?日本って公文書改竄しても捕まらないし、政治家が報道に介入しても問題にならないんだって」
「そんな無法地帯じゃあ一体日本では何をしたら処分されるわけ??」
「サル山って言うと処分されちゃう。」 》 (ΦωΦ)リュック🌟
https://twitter.com/nasitaro/status/1641695678618570753
《 無理筋のスラップ訴訟ですので勝利は信じていましたが、最高裁でも原告の上告が棄却され、ミキ・デザキ監督と東風の完全勝利が確定しました。デザキ監督 @MikiDezakiと東風の皆さん、多大な犠牲を払ってまで言論の自由、表現の自由を守ってくださって、本当に感謝です。ありがとうございました。 》 想田和弘
https://twitter.com/KazuhiroSoda/status/1641730092241133569