『夜のパリ』翻訳の難しさ(閑人亭日録)

 雨の一日。昨夕知人女性から電話で依頼されたお話(大岡信について講演)を少し考える。周囲では大岡信を称賛する声ばかりだが、著作をあまり読んでいない人が多い。かといって私自身、熱心な読者とは言えないが、ある程度読んではいる。そして思う。大岡信は秀才タイプの人だ。彼の詩にはさほど魅力を感じないが、批評は、若いときから評価してきた。しかし、ここからが難しいところで、時代の制約、枠組みからどこまで突き抜けているか。
 11日の「ネットうろうろ」を再掲。

《 富岡多恵子逝去、87歳。学生時代に2年ほど隣家にいたのでよく飲み、歌い、話もした。7歳年長の、初めて知りあった大阪弁の姉御だったが、最初の詩集『返禮』には普遍的なコトバへの愛を感じ、小笠原豊樹岩田宏)訳のプレヴェールやガートルード・スタインへの傾倒ぶりに共感した。冥福を祈る。★ 》 巖谷國士
https://twitter.com/papi188920/status/1645398345593290752

 ジャック・プレヴェールの詩『夜のパリ』を小笠原豊樹・訳と大岡信・訳、サンリオ出版部・訳で読む。

   闇の中でひとつずつ擦(す)る三本のマッチ
   はじめのはあなたの顔をいちどに見るため
   次のはあなたの眼を見るため
   最後のはあなたの唇を見るために
   そしてあとの暗闇はそれらを想い出すため
   あなたをじっと抱きしめながら。     (大岡信・訳)

   三本のマッチ 一本ずつ擦(す)る 夜のなか
   はじめのはきみの顔をいちどきに見るため
   つぎのはきみの目を見るため
   最後のはきみのくちびるを見るため
   残りのくらやみは今のすべてを想い出すため
   きみを抱きしめながら。         (小笠原豊樹・訳)

   夜 三本のマッチに
   つぎつぎと火をつける
   はじめの一本は
   きみの顔をはっきりみるために
   二本めは きみの目をみるため
   さいごの一本は
   きみのくちびるをみるために
   そして つぎのくらやみは
   きみのすべてを想いだすため
   ぼくの腕のなかで            (サンリオ出版部・訳)

 ネット、うろうろ。

《 いままでいろんな人を見てきて思うのは、トップレベルになるためには早熟な才能はあまり関係なく、それよりも熱意と適性と粘り強さがキーだということだね。早熟はカッコいいしみんなから天才とか言われるけど、早熟なだけだと長い時間のうちに追いつかれちゃうんだよ。それはかなり残酷。 》 森岡正博
https://twitter.com/Sukuitohananika/status/1647066262332395521

《 おかしいなぁ
  「首相夫人は私人」って
  安倍晋三の時の閣議決定でしょ
  つまり
  税金使っての訪米対象ぢゃ無いはずよ
  私人だから外交なんてやっちゃダメでしょ

  首相夫人、16日から単独訪米 ファーストレディー外交(共同通信) - Yahoo!ニュース 》 ケロ爺
https://twitter.com/kero_jiji/status/1646809547707920385

《 詩歌、小説、漫画、評論、音楽、演劇、映画、美術など、ほぼ全文化ジャンルで同人的な活動がある。今では少し違う面があるかもだけど、基本的にはノンプロ非営利グループ活動と言っていいのかな。そういう意味での活動で、今一番退潮しているのは政治活動か。 》 大野左紀子
https://twitter.com/anatatachi_ohno/status/1647021216774131712

《 統一教会問題、避けて通れない「性・カネ・恨」 宗教社会学者が30年研究で明かす実像 》 弁護士ドットコムニュース
https://www.bengo4.com/c_18/n_15886/