『アートの力/美的実在論』六(閑人亭日録)

 マルクス・ガブリエル『アートの力/美的実在論』堀之内出版2023年4月28日 第一刷発行を少し読む。「補論 懐疑のアート、アートの懐疑」を読んだ。

《 私が思うに、懐疑論はいわばコンセプチュアル・アートのようなものだ。 》 167頁

《 言葉で語られたことは、無限の可能性を必然的に狭めることになる。 》 184頁

《 言葉で語られた世界の限界を超える方法は、明らかに存在しないのだ。 》 195頁

《 目の前の世界の状態を言葉で表現し、その言葉が何を意味するか精査することによって、次にやってくる認識論的環境を予期することはできない。 》 196-197頁

《 ところで、アートはつぎのことを明らかにしてくれる。すなわち、私たちが世界を概念化する仕方は、さまざまな可能性の偶然の連なりによって構造化される、ということだ。日々の暮らしのなか、私たちはそうした可能性が偶然であることを無視し、あたかも知識や現実の必然的基盤であるかのように解釈しがちである。ところがアートは、異なる前提の上に成り立った別世界をしばしば創造することで、私たちに一見必須であるかに見えた世界観が、実は偶然的なものであることを教えてくれる。アートはそのようにして、私たちの世界像にデフォルトとして組み込まれた存在論に対し、異議を唱えるのだ。 》 208-209頁

《 確かに、現代アート懐疑論形而上学は、いずれも非命題的、非表象的な身分をもつという点で、相互に連関していると言っていい。 》 212頁

 大池惣太郎「訳者解説」を読んだ。

《 ガブリエルによれば、「アート作品はラディカルに自律している」。言い方を変えれば、あるアート作品が何であるかは、その作品が実際にどう受け取められているかという事実を離れてあらかじめ決められていない。それも、ラディカルに、とことん深くきめられていないのである。
  この「ラディカルに」ということの内容を考えるのが、本書の醍醐味になっている。(引用者・略)ガブリエルの主張を信じるなら、アートの本質は、ある特別な知識や感受性を持つ人にしか分からないわけでも、さまざまなタイプの作品や観点があるから一概に決められないわけですらもない。自分が具体的な作品と現に出会うその瞬間まで、本当に、まったく、ぜんぜん、決まっていないのである。 》 226-227頁

《 反対に、アートの見方がある程度決まっているとしたら、その見方から開かれる世界がいかに繊細で魅力的なものであろうと、それはやはり制度にすぎないと言える。そうなれば、アートを知ることは、限定された集団の様式や感受性を学びに行く以上のことではなくなるだろう。 》 229-230頁

 マルクス・ガブリエル『アートの力/美的実在論』、読了。ふう。自分の考えと重なる部分もあれば、なんだかなあ(哲学への言及など)という箇所もある。それでいいのだ。

 ネット、うろうろ。

《 学芸においては、いま新しいとされている芸術であれ思想であれ、すでに過去にだれかが表現していたけれど、当該文化においては光が当たらなかっただけなのである。研究者であれば、その原因を解き、説かなければ、文化フレームすら説明できない。この視点から、やっと〈いま〉の文化フレームがみえる。 》 中島 智
https://twitter.com/nakashima001/status/1663171335454085122

《 芸術史であれ思想史であれ、なんらかの偶発的な理由によって光が当たった事象だけを羅列して、関連づけ、進歩史観的に物語 histoi re 化していくのではなく、なにかが文化枠ごとに顕在化する、その〈症候作用〉、そのカタチの〈変換作用〉こそが、歴史 histoire として説かれていくべきものなのである。 》 中島 智
https://twitter.com/nakashima001/status/1663171529910415361

《 『岸田翔太郎 総理秘書官を6日1日付で辞職!』
  岸田首相!なぜ5月末日辞職でなくて、6月1日付の辞職なんですか?
  もしかして「夏のボーナス」を当て込んでのことですか?
  翔太郎氏は年収1000万オーバーなのに、まだ給料が欲しいんですか? 》 白坂和哉
https://twitter.com/shirasaka_k/status/1663132663220420608

《 岸田翔太郎氏が首相秘書官を「辞任」すると発表されたが、市民の財産である公有財産を何度も私物化しておきながら、この期に及んで「処分」でない時点で論外。マスメディアは挙って「事実上の更迭」などと報じているが、任命責任すら果たしていない岸田首相の判断かのように「広報」すべきではない。 》 異邦人
https://twitter.com/Narodovlastiye/status/1663131881079209985

《 本日のマイナンバー法案を巡る地方デジタル特別委員会の質疑が終わりました。
  ここで驚くべき事実が判明しました。
  今回明らかになった公金受取口座の誤登録や、マイナポイントの別人への付与の問題は、既に去年前半の時点で各自治体が把握しており、 》 杉尾ひでや 参議院議員 長野県選出
https://twitter.com/TeamSugioHideya/status/1663082980934569985

《 デジタル庁や総務省に報告していたのですが、何と河野大臣始め各省幹部に報告が上がっていなかったというのです。これだけ重大な問題にもかかわらず、役所の中で情報が共有されず、内々のトラブル処理で済ませようとしていたのは極めてゆゆしき事。 》 杉尾ひでや 参議院議員 長野県選出
https://twitter.com/TeamSugioHideya/status/1663082983216283649

《 【巻頭特集】なぜ次々と欠陥が露呈しているのか。普及が遅れて焦った政府がコロナ禍に便乗、健康保険証と一体化させ強制取得を企んだからだ。そのうえで、次々と紐づけを拡大しようとしている悪辣に国民はいつまで唯々諾々と従うのか。#マイナカード 》 日刊ゲンダイDIGITAL
https://twitter.com/nikkan_gendai/status/1663099109593477120

《 どこかのツイートに「インドは多様性があるから米国企業のトップになる」みたいな事が載ってたけど、全く違う。インドは国策として天才を教育することに賭けたのだよ。IIT(インド工科大)卒業生がマッキンゼーの世界会長になったのは既に1994年頃、今から30年前。 》 m-take
https://twitter.com/takeonomado/status/1663270248718671873